漫画『星の杜観察日記』の小説版、目次です。 SF『神隠しの惑星』の自作スピンオフになります。
現代の日本が舞台。スマホもLINEも出て来る世界でサクヤやキジローや日本版エクルーが妖魔と一緒に右往左往するお話です。漫画にはまだ未登場の都ちゃんがメインヒロイン。 . . . 本文を読む
神隠しの惑星シリーズのSF『白い花の唄』の目次です。
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今年はソメイヨシノが開いてから朝夕冷え込んで、花が長く楽しめた。花の色も冴えていたように思う。 桜の名所として有名なお城の公園に徒歩15分なのだが、ここ3年ほど母は内堀を見ていない。車を駐車場に置いて外堀まで歩いて、公園の内部に入って50メートルで力尽きてしまう。 公園で車椅子の貸し出しもしてくれるのだが、公園中央にある祭り本部まで借りに行き、使用後そこまで返しに行かないといけない。母は本部まで . . . 本文を読む
南の方では桜吹雪や山藤の便りもあるのに、北国はようやくフキノトウ。まだ庭も寂しい。日中は18℃まで上がる日もあるが、朝夕冷え込むのでまだガーデニングシーズンが始まらない。ビニール温室でやっとヴィオラを3株植えてみた。プリムラは室内の風除室に置いていた鉢を温室に出したもの。まだとてもビニールは外せない。 今年は冬が厳しくて、ビニール温室で越冬させたゼラニウムやその他の多年草はほとんど全滅。結局例年越 . . . 本文を読む
『このうちは何かとちょっと変わっているの』 葵さんにそう説明された住吉神社での暮らしは、ちょっとどころでなく変わったことの連続だった。でもまあ、概ね神社での経験は楽しいことの方が多い。楽しい、というのとは違うか。悲しいこととかつらい事情も多いおうちなのだ。でも知れば知るほどイヤだな、と思うよりも私にできることをしたいと思う。風変わりだけど、魅力的な人ばかりだからだ。むしろ面倒なのは神社の外の世界だ . . . 本文を読む
新幹線の駅はいつも緊張する。天井が高くて建物が大きいし、とにかく人通りが多い。お店が多くて目が回る。でも王子様の護衛が3人も一緒なので大丈夫。ノン太と鷹史さんと先生。 実はあの夜以来、鷹史さんと話すのを避けていた。何と言っていいかわからなくて、できるだけ考えないようにしていた。だいたいノン太とセットなので、鷹史さんと2人で話す機会などないから、避けていてもなんとかなっ . . . 本文を読む
トン介は怒っていた。「どうして人のおらんとこでそんなん勝手に決めとるんや」 トン介は自分が住吉の長男だという責任感が強いので、館長にきちんと挨拶して、右近を収蔵してもらえる件の御礼もちゃんと言った上で、礼儀正しく館長と岩井さん、葵さんの雑談にも付き合っていたのである。 そしてどうやら今回、トン介は留守番の流れなのだ。サクヤがだいたい住吉神社の半径5キロからせいぜい10キロぐらいまでしか離れられない . . . 本文を読む
演奏中に踊り場ホールからウルマスとリューカの姿が消えたのも気がついた。楽器の片付けなどをキジローに頼んで探しに出ると、村主に親指で”来い”と合図された。多分ここだろうなと予想つけた場所にいた。裏手の池の傍でリューカがベンチに伸びていた。「だから言っといただろう」村主がペットボトルの水を差し出しつつ言う。ヤツは何だかんだ言いつつも面倒見がいいような気がする。リューカとの付き . . . 本文を読む
前段はこちら。(その1)、(その2)ーーーーー ○ ーーーーー ○ ーーーーー ○ ーーーーー ○ 少し遅い昼食は手打ちうどん屋でとった。桐花のリクエストだ。最近父親のキジローが手打ちうどんに凝っていて、少しお手伝いなどしたものだから、家でも外でも桐花はうどんに夢中なのである。お店の人が足でぐっぐっと踏んでいるのを、トン介に抱っこしてもらって一生懸命見学していた。運ばれて来たかけうどんを、トン介 . . . 本文を読む
前編(その1)はこちらから。---------------- ○ ---------------- ○ ---------------- ○ ---------------- 宮本研究室を出たところで電話が鳴った。院生の小野くんだ。「今、だいじょぶですか?」「うん。もう実習終わったの?」「はい。高山さん、大学に戻って来ます?」「うん。そのつもりだけど」 そう答えたところで、後ろの一団がどっと笑っ . . . 本文を読む