・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・
《しばらくしてJackはピアノの手を止める》
Jack:ダメだ、そんなんじゃ。それはバッハをやる時の演奏だよ。もっとスウィングしなくちゃ──。 いいかい?よく聴いてくれ。
Jack:(ピアノを弾きながら) ・・・・アクセントだよ・・・・バックビートを掴むんだ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・
《(男)目を閉じて指を鳴らしながらJackの演 . . . 本文を読む
男:吹くって・・・ わたしが? このセルマーを? わたしに言ってるのかい? ホントかい? 吹いていいのかい?
Jack:少し演奏してみようじゃないか──。そこに譜面があるだろ? 『ジャイアント ステップス』だ。わたしがピアノを弾くから、あんた吹いてみなよ。
《(Jack)そう言い終えると、演奏する為の準備を、すぐに始めだす》
《(男)Jackが準備を始めたのを見て、そそくさとサックスを手にす . . . 本文を読む
Jack:あんた吹けんのかい?
男:Jacky、君どうかしてるんじゃないか?わたしをよく見たまえ。Godだぜ?
Jack:(しげしげと男を見つめて)こう言っちゃ失礼かもしれないが、あんたがGodとは信じがたいね。
男:なにを期待してた? メルギブソン?ウィリアム・デフォー?
Jack:いやぁ、そういう事じゃないんだけど・・・・。何と言ったらいいのかな。その・・・・ もっと背が高いと思 . . . 本文を読む
Jack:わたしになんの用だ。
男:なんの用?いいかい?Jack。君には君の仕事ってものがあって、わたしにはわたしのやるべき仕事ってもんがある。そういうものだろ?それが現実だよ。君たち人間が言うところの真理ってやつだ。
Jack:でもあんた。あんたがわたしの作曲の手助けをしたところで、それでわたしはホントに救われるのかね?わたしは音楽家として、わたし自身の力で、わたしの仕事をやり遂げるべきなん . . . 本文を読む
男:(メモ帳をめくる)えーと・・・・。JackJackJack・・・・・。あった、これだ。 Jack De Franco。 なになに?ベイルマンの新作映画の為に作曲をしていると。えー、しかしながら、この1ヶ月というもの、まったく筆が進まない。(Jackを見る)
Jack: ・・・・・。
男:その理由としては、このベイルマンという男の映画が、あまりに退屈で・・・しかも、長い。 上映時間5時間4 . . . 本文を読む
Jack:(あっけにとられて男を見つめる) なんだ? あんた。
男:God。
Jack:なんだって?
男:Godだよ──。 音楽のGod。 ちょっと座らせてくれ。 えらく寒い部屋だな。 ヒーターはないのかい?
Jack:Godだって? どういう意味だ、Godとは?
男:フゥー。 なんて寒い夜なんだ。見てくれよ、膝がガクガク震えてるよ。ほら。
Jack:(強い口調で)おい、何の冗談のつ . . . 本文を読む
舞台はロングアイランドのキューガーデンズにある Jack De Francoの自宅の一室。
手の込んだ書斎風の室内装飾。重厚な机と椅子、 アンティークシェードのランプ。
グランドピアノとアルトサキソフォン。
壁には大型の本棚と窓。
バッハの肖像画。
Jack De Francoは長身で整った顔立ちをしており、その話し方は冷静で、落ち着いている。かるくウェーブした髪。白いローブを纏い . . . 本文を読む
「キリストが電気椅子で処刑されていたなら、すべてのキリスト教徒は今頃、小さな椅子を首からぶら下げていただろう。──S・Gainsbourg──」
文字が消える──。
(しばらくして)
「神よ。なぜ貴方は沈黙なさっているのか?わたしは誰よりも、貴方に祈りを捧げて来ました。ただ一度でいい。わたしにその存在をお示しください───. たとえば・・・・
わたしの名義でスイス銀行に巨額の預金口座を作 . . . 本文を読む
―――― Opening ――――
照明が落ちる──。
導入部BGMスタート。
(『ciaccona』バッハ:無伴奏バイオリンの為のソナタとパルティータより)
導入映像の上映スタート。(3分間程の白黒映像・無声)
メガネをかけた中年の男が通りを歩いている。(タイムズスクエア周辺・通行人でごった返している・時間帯→夜)
男は薄くなり始めたクシャクシャの髪に白い顔、Tシャツにジーン . . . 本文を読む
・5月26日水曜日
・open19:00
・1500円
出演
リ・クワァ・ティブ
(ソウルマカトニーのg-テッチャン-・sax-豊島san-のNEWバンド)
三條誠二(ALCHEMIST):7Strings Bass?
ベース、ギター奏者。 2003年より舞踏や美術作品等のパフォーミングアート、
多ジャンルのアーティストとのコラボレーションで活動。
主催アートイベント「ALCHEMI . . . 本文を読む