BLロック王子小説「ディスティニーアンダー・グラウンド-ギターとスターに愛され過ぎた王子-」

 ★過去に傷を持つ美貌のロックギタリスト遠藤麻也(まや)。運命の恋人・日向 諒と東京ドームに立つが…

★BLロック王子小説24-3「ディスティニーアンダーグラウンド」

2021-02-15 22:50:56 | ★ディスティニー24章
「いいねえ…ドームかあ…」
 なぜか諒は吹き出した。
「ふふっ、麻也さんかわいい」
 何だよそれ…麻也もつられて笑いながら抗議だ。
「だってほのぼのとした言い方するんだもん」
麻也は少しふくれっ面になってしまった。
「そう? 俺はこれでもドームに向かって緊張してるんだよ」
「俺もだよ…」
「…いや、見えないけど…」
「麻也さんひどいわ」
「でもきっと、具体的に動き出せば緊張もほぐれてくるよね…早くスタジオに入りたいな…」
 思わず口を突いて出た自分の言葉に麻也は驚いたが、諒は何気なく受けて、
「そうだねえ、その時は俺がスタジオに送ってくよ。帰りはゴハンに行ったりしてさ」
「そうだね…」
とは言ったものの、体の方はいつから思うように動いてくれるのだろうと、麻也は不安になる。

 …でもとにかく自分は今、生きているのだ。

 
 鈴木が置いていってくれたビーフシチューや何かで夕食を済ませると、シャワータイムだった。
 先に使わせてもらった麻也は、諒に着せられた白のバスローブのまま、諒を待ちながらリビングでごろごろしていた。
 疲れた麻也はベッドで休んでいたかったが、
(うーん、露骨だと思われても嫌だし…)
 気分を変えようと、麻也は自分の部屋兼ミニスタジオに、本日2回目に入ってみた。