時には目食耳視も悪くない。

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歌が上手になる本。

2020年06月15日 | 本の林
 「カラオケで上手に歌うには、どうすればいいでしょうか?」と聞かれることがよくあります。

 私は大学で、クラシックの発声法を専門的に勉強しましたが、カラオケに行くことはほとんどありません。
 (もちろん、行ったことはあります。)

 実は、カラオケで歌う場合、腹式呼吸とか、美しい響きを作ることは不要なのです。
 なぜなら、クラシックの歌い方はマイクを使わずに遠くまで声を響かせる方法なので、機械によって大きな声や残響が作り出せるカラオケには、必要のない技術だと言えるからです。

 それでも、強いてアドバイスをするなら、「元気よく、楽しく歌うこと」です。
 上手に歌おうと意識しすぎると、力んでしまって、テンポに乗り遅れたり、音がズレたりします。

 人前でパフォーマンスするのが苦手で、カラオケには行きたくないと思っていても、諸事情から何か歌わなくてはいけなくなって悩んでいる人も、最近では多いようです。
 あまり深刻にとらえず、歌を通していろんな人と交流することができる機会と考えれば、気が楽になりはしないでしょうか。

 心身ともにリラックスするというのが、良い声の出る秘訣の一つでもあります。
 歌っている時、人は楽器になっています。

 楽器である自分の身体を自在にコントロールできるようになれば、歌はぐんぐん上達します。
 つまり、自分の身体についてよく知ること。それこそが、歌がうまくなる近道なのです。

 ちょっと待て。自分の身体のことくらい十分よく知っている。と思われた方もいるかもしれません。
 また、具体的に何をしたら、自分の身体をよく知ることができるんだと疑問に思われた方には是非、一度、自分が歌っている時の様子を録画や録音してみることをお勧めします。

 録音された自分の声を聞くと、今までに気がつかなかった自分を見つけることができるかもしれません。

 歌が上達するために、実践と併せて読んでおきたい本をご紹介します。
 《声の呼吸法 美しい響きをつくる》米山文明(2003 平凡社)は、国内外の声楽家やプロのアナウンサー、俳優などの声を使う職業の人たちの喉を診察してきた耳鼻咽喉科のお医者さんが書いた本です。

 実際に、喉がどんな仕組みになっているのか、声を出している時に声帯がどんな状態になっているのか、また、たくさん声を出した後、喉をどういうふうにケアすればいいのかなど、医学の視点からの歌い方を解説してあります。

 先に書きましたように、カラオケで歌う時に絶対に必要な知識ではありませんが、もし、人前で歌うことが苦手で、深刻に悩んでいる人がいたら、この本を読むことで気持ちが楽になるかもしれません。
 声を出す時の緊張を軽減する方法や、呼吸をする時の身体の使い方が図解とともに紹介されています。

 歌に限らず、プレゼンテーションや面接、オーディションなど、人前でしっかりと声を出さなければいけない時にも役立ちそうです。


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