上は真剣ではなく切れないが、稽古のための強度は十分。
鞘を払って900ℊ弱、真剣とあまり変わらない。
振った感じもほぼ同じだが、樋が切ってあるのでヒュンと鳴りやすい。
抜刀納刀にはやはり、こちらの方が気が楽だ。
もちろん、真剣でキチンとできなければいけないのは当然だ。
それからもう一つ、錆びないのがいい。
こちらは真剣、当然登録済み。観賞用の研ぎではないが普通に切れる。
長さはそれほどでもないが、重ねが厚く幅が広い迫力ある刀身だ。
地肌が美しく、しばし見入ってしまう。
目的を極めた美しさゆえ、この平和な世でも武器ではなく美術品として存在が認められる。
マクロレンズがあったのを思い出し、引っ張り出して撮ってみた。
この様な鍛え肌が全体についている。
兄曰く、研ぎに出せばもっと見栄えがするはずだと。
でも、とてもそんな余裕はございません…
この一口は、南北朝か室町、摺り上げ無名の古刀。
登録変更のとき、鑑定の方にかなり良いものと言われたそうだ。
観賞用の研ぎでもあり、武道用に使ったら勿体無いらしい。
絶妙な反りとテーパー、上の刀に比べ軽く感じる。
一時期手元にあったので、貰っておけばよかった。
上の白鞘は、さらに古い大摺り上げ無銘の古刀。
手に持ちかざしてみると、溜息が出る。
鍛え肌の美しさは、見ていると吸い込まれそうになる。
峯にある微かな誉れ傷は、ただの美術品ではないことの証だ。
数百年前の作刀だが、これまでずっと大切にされてきたからこそ、今、この美しさがある。
この刀に比べ私の作ったロッドなど、一体何年持つのだろう。
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