K.M. Rodsmiths

自分で作ってしまえ (バンブーロッド、ランディングネットetc.)、ネコ、

私はこれでバンブーを始めました

2007年04月03日 | ロッドビルディング
私のバンブーロッドビルディングは、1本のロッドを手にしたことに始まる。
ある日、フライ関係のメーカーのアウトレットショップを覗くと、そこには見慣れない薄茶のロッドが数本あった。
明らかにグラファイトとは異質な存在感を、そのロッドは放っていた。

怖いもの見たさで手にしてみると、やたら重い。
重いだけでなく、アクションもこれまで経験したことのない恐ろしいものだった。
作りもひどく雑だ。
『何なんだこれは…』
その値段を見てさらに驚いた。
3000円!
そして、かつてフライ関係の雑誌で見た、4000円バンブーのことを思い出した。
それは、まさにそのショップの母体のメーカーで作られたものだったのだ。
だから、直売で千円安い、3000円なんだ!

最も曲がりのないものを選び、即購入。
当時、ロングキャストに凝っており、ロッドといえばグラファイト、バンブーなんて、過去のものと決めてかかっていた。
釣り仲間に、バンブーロッドビルディングを趣味にしている人がおり、何度か振らせてもらったことがあった。
そのビルダーの好みで、スローなものばかりで、バンブーは使えないものだと思っていた…

3000円バンブーは、番手が#5―6ということもあり、フライロッドと呼ぶにはガチガチのただの棒であった。
#5ではほとんどロッドは曲がらず、#7でやっと…
そんなロッドを手にして、遊び心が急に…
これを何とか使えるようにしてやれ。

まず、その硬さと、重さは何とかしなければいけないと思った。
ガイドや塗装やら一切を取り払い、ブランクの表面を削ろうと思った。
裸にしてみると、驚いたことにバットセクションは、途中で切れており、木の棒が繋いであった。
それを見て、これはもうブランクを自分で作るしかないぞと心に決めたのであった。

カッターの刃を合わせた鉋を作り、樹脂製のフォームに竹を載せて削り始めた。
バットセクションができると、ガイド、グリップ、リールシートを用意し組み立てた。
バットが真竹ホロー、ミドルとティップはおそらく孟宗ソリッドというきわめて個性的なロッドが出来上がった。
アクションも個性的、振ると、ミドルとティップの重さがグリップを通して伝わってくる。
#5WFを乗せると、ものすごいパワーでラインをブッ飛ばす。
ゲッ!簡単にフルラインがすっ飛んで行くではないか。

恐るべし3000円バンブー改!
でも、その重さは、普通じゃない、キャスティングと言うより筋トレに近い。
バットが軽い分、ミッドとティップの重さが余計強調される。
フォルスを続けると、前後のポーズで、手首にその重さがドーンとかかる。
冗談ではなく腱鞘炎になりそうであった。

でも、自分の手でこんな個性的なロッドが作れてしまうことに、ある意味で心を奪われてしまったのかもしれない。
作り方によっては、自分だけの、カーボングラファイトに負けないブランクが作れるかもしれない。
そんなことで始めたバンブーロッドビルディングだが、その3000円バンブーは、もう画像にある切れ端しか残っていない。
ティップは、デカいバスを釣った後息絶えた。
ミッドは、7’#3,3Pのバットにして人にあげてしまった。
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