散歩する道端にレンゲが咲いた。この場所に毎年、ほんの僅かなエリア、いわば小家族で咲くことを、私は知っている。年があければ、花はもう少しは増えるだろう。
私の子供時代、春が来る前、田んぼには一面にレンゲが咲いて薄いピンクの広大な絨毯になった。キレイだった。花を摘んで吸うとほのかに甘かった。失われてしまった風景の、もう一度見たいと思う筆頭に、レンゲ畑がある。
今はもうレンゲの蜂蜜も、入手困難になった。
しかしわずかに、復活の動きはあるようだ。肥料として、飼料として、環境保護上、レンゲには大きなメリットがある。「緑肥」は、農業再生の一つのキーである。レンゲ以外にも緑肥になるものは多くあるが、「政策」の問題と思う。「補助金」でなく「政策」である。政策とは政治の意志だ。食料自給率が40%をとっくに切っているのに、なお「休耕地」「耕作放棄地」の増え続ける日本。肥料・飼料の高騰にあえぐ日本。これを政策第一課題にしない政府、それを求めない国民、おかしい国だと思う。
来年はプランターに種を蒔いてみようと思う。同時に、近所の適当な場所へ種をばらまいてみようかな？ 畦道とか、畑の隅とか。
