SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

2017年スポーツ総決算 『まさかまさかの連続で、1年経ったらこうなっていた』

2017年12月29日 | スポーツこの1年

2017年という年。

社会情勢が戦後最大に不安定だったのではないかと実感する年でした。
『社会不安』に『戦争危機』など、
忍び寄ってきているのはわかってはいるものの、
なかなか『認めたくない』という空気が支配していた日本という社会に、
現実が突き付けられた年だったのではないかと思っています。


そんな中で、
スポーツ界は『とにかく、スポーツができているということが幸せ』ということを、
とても感じることができる1年だったと思います。


スポーツを語る上での今年のキーワードは、
なんといっても『激変。1年経ったら、こうなっていた』ということなんじゃないか?
そう思ったりしています。

昨年の年末と比較して、
どのスポーツも、
本当に1年でその実績やら立ち位置やらが大変化。

もちろん『よかった競技・選手』もいれば、
そうでない選手もいて、
そのコントラストは鮮やかすぎるといっても過言ではないかもしれません。

そんな今年のスポーツの1年を、
大みそかのこの日、振り返ってみたいと思っています。



◇2017年 スポーツベストシーン10



まずは番外編から。

【番外編】 

≪選外≫   立教大学 35季ぶりの六大学制覇に、59年ぶりの大学選手権制覇。
 東京六大学で、長く『東大の上』の5位が定位置だった立教大学が、35季ぶり、今世紀初めて六大学の優勝を果たしました。そしてその勢いに乗って、全日本大学野球選手権をなんと59年ぶりに制して日本一へ。決勝にはあのレジェンド、OBの長嶋茂雄氏も駆けつけて、華やかな優勝となりました。今年は昨年の『投の二本柱』である澤田と田村が卒業ということで厳しい年になることが予想されましたが、予想を覆しての粘りの優勝でした。打線がよくつながったことに加え、投手も当初の予想とは全く違う、田中・手塚という2本柱に、ルーキーの中川が抑えに座るというあっと驚く布陣での優勝でした。優勝後の『池袋パレード』は華やかでした。新たな強豪として、ここ数年優勝争いに顔を出せるようになってきたチームは、来年以降、常勝軍団への歩みを進めていきたいところです。



≪選外≫   SBが万全の野球で日本一。
 日本のプロ野球は、戦力で他を圧倒したSBが日本一を達成しました。今年はさすがのSBも選手のケガに苦しみ、大黒柱の内川、柳田、武田、千賀らが次々に戦線離脱しましたが、それを補って余りある分厚い戦力で、ペナントレースの戦いは全く他を寄せ付けませんでした。MVPは分厚い投手陣の中でもとりわけ安定感抜群だった救援陣の柱、クローザーのサファテでした。サファテは広島や西武に在籍した時と比べて、「外国人選手でも、こんなに成長するんだ」という姿を見せましたね。日本の名球会入りも視野に入れているようで、まだまだ3,4年、日本一チームのクローザーとして目に留まることでしょうね。”強い”としか言いようのない、チーム状態ですね。


≪選外≫  オリンピックに向かって。冬季五輪日本チームの、大きな期待とちょっぴりの不安。  
 年明けにすぐにやってくる冬季オリンピック。日本の冬季オリンピックの歴史を紐解くと、『大活躍』として思い出されるのは何といっても98年の長野オリンピックですね。しかし今季の平昌五輪では、日本チームに大きな期待が寄せられています。『金メダル有力』と言われているのが、女子スピードスケートの小平奈緒選手と、女子ジャンプの高梨沙羅選手ですね。両選手とも今はもう「アンタッチャブルな存在」にまで自分の競技力を高めており、すでに『負けたことがニュースになる』存在です。両選手とも小柄で大人しそうな表情の選手ですが、その内側に持っている闘志はすごいものがあるのでしょう。両選手が金メダルを下げて満面の笑顔を見せている姿、2月には見られるはずです。そのほかでもジャンプでは伊藤選手、スケートでは高木選手やパシュート団体など、金メダルを獲ってもおかしくない選手がたくさんいます。また、団体競技であるカーリングや女子アイスホッケーなどにも注目しています。『ひょっとしたら、長野の興奮をまた味わえるのでは?』という期待、大きいですね。一方で『世界NO1』のフィギュア男子、羽生選手のケガが、なんとも気になります。




【次点】

≪第13位≫  ラグビーワールドカップ。ついに対戦相手と、開催都市が決定。
 2019年に開催されるラグビーW杯が、9月であと2年となりました。2015年の前回のW杯で一大ブームを巻き起こしたラグビー日本代表。
そのジャパンは、今年強化試合で、数々の強豪と戦いました。昨年のスコットランドから始まり、今年はルーマニア、アイルランド、世界選抜、オーストラリア、トンガ、フランス。これらの強豪国に対して、最後のフランス遠征まではなかなかチームの方向が定まっていないように見えましたが、最後にしっかりとフランス戦引き分けという結果を出し、来年以降に楽しみを持たせてくれました。一方参入2年目を迎えた【準日本代表】であるサンウルブスも、厳しい戦いの中で何かを見つけたような感じがして、着実に代表強化につながっていっているような感じです。そんな中でついにW杯の組み合わせと会場が決定しました。日本は予選プールで、アイルランド・スコットランド・ルーマニア(未決定)・サモア(未決定)と戦うことになりました。開幕戦は東京スタジアム(味の素)。組み合わせが決まった瞬間、「これは神が舞い降りた」と思ってしまいました。予選プールを突破しての8強、現実味を帯びてきました。しなしながら、W杯で楽に勝てる相手なんて言うものは存在しません。どの試合も互角に近く『ちょっと日本が上回っている』と『ちょっと日本が下回っている』なんていう試合ばかり。楽観は禁物なことは、言うまでもありません。その中で、目指すは3勝。そこに8強進出の金字塔が、見えています。


≪第12位≫  初の大阪決戦に沸いたセンバツ高校野球。2試合連続の『引き分け再試合』を経て、いよいよタイブレーク導入。  
 今年のセンバツ高校野球は、史上初めての大阪決戦に沸きました。【高校野球界の盟主】大阪桐蔭と、【秋の日本一】履正社のガチンコ対決は、終盤にまでもつれ込む大接戦となりましたが、スター選手を多数そろえる大阪桐蔭が最後には突き放して選抜2度目の優勝を飾りました。履正社は、初めての全国制覇ならず、悔し涙にくれました。そんな大会の中、史上初めて『2試合連続の引き分け再試合』が起こりました。その日、第2試合で福岡大大濠と滋賀学園が1-1で延長15回引き分け。直後に行われた第3試合では、健大高崎と福井工大福井が、どちらも譲らず7-7でこちらも延長15回で引き分けました。その結果、翌々日にその2試合が組み入れられ、第1試合では福岡大大濠が5-3、第2試合は健大高崎が10-2と勝利しました。しかし勝った両校ともに疲れは隠せず、次の試合ではあえなく撃沈。両校ともに大会前には優勝の有力候補と上げられていましたが、残念な結果に終わってしまいました。その後、延長である程度無理をしたと思われる福井工大福井・滋賀学園の両校の投手陣は故障を負ってしまい、夏の予選までそれを引きずらざるを得なくなってしまいました。勝った両校を含めた『再試合組』の4校は、いずれも夏の予選を突破して夏の甲子園にたどり着くことはできませんでした。そこで出てきたのが「タイブレーク制」の議論。この件についての論評は避けますが、結果として来年の選抜大会から導入されることが正式に決定されました。この導入によって高校野球がどう変わっていくのか。関係者、選手たちはかたずをのんで見守っているという段階です。


≪第11位≫  浦和レッズ。アジアを制す。一方日本代表もW杯へ。Jは川崎フロンターレが悲願の初優勝。
 サッカーの世界も、たくさんのドラマのあった1年でした。元日の天皇杯は鹿島が前年暮れのクラブワールドカップでの準優勝という結果を受けて、この天皇杯も制覇。一方敗れた”無冠の帝王”川崎はJリーグカップでも決勝で敗退。『まさにシルバーコレクターの面目躍如』というシーズンになるかと思われましたが、Jリーグの最終節で見事に鹿島を大逆転して、クラブとして初めてJリーグを制しました。川崎の選手・スタッフ・サポーターの爆発する喜びを見て、『ああ、初優勝って、いいなあ』と改めて感じることができました。一方ACLに出場して、10年ぶりにアジアを制したのは浦和。アウェー戦を耐えて、ホームでは大歓声をバックに勝ち切るという戦い方を徹底。準々決勝で川崎をホームでの第2戦で大逆転して波に乗り、フッキらブラジル人スターを揃えた上海上港戦でも耐えて耐えて第1戦を引き分け、第2戦のホームで勝ちをもぎ取りました。そして決勝のアル・ヒラル戦も同様。アウェー戦で1-1と引き分けると、ホームの大声援に乗った第2戦では1-0とキッチリと勝ち切ってアジアの王者に輝きました。浦和の戦い方は、何か日本代表にもヒントを与えたような気がしています。『強者と戦う時の戦い方』。。。う~ん、何かひらめきそうだぞ。。。その日本代表は、W杯予選をきっちりと勝ち切って、本大会出場を決めました。大胆なハリル監督の選手起用が当たり、日本代表は「新しい世代へ」受け継がれていく萌芽を感じる1年でした。そのW杯、組み合わせが決まりましたね。もちろん強国ばかりなのでうかつなことは言えませんが、組み合わせ抽選前に言われていた『天国と地獄』に結果をすり合わせてみると、これは明らかに”天国”方向の組み合わせでしょうね。勝つにしても負けるにしても、大会前までに悲観論ばかりが跋扈することはないでしょう。何とか2位に飛び込んで、決勝トーナメントへ。2018年は、期待の年になりそうです。  




【ベスト10】

≪第10位≫  スーパーチャンプ・井上尚弥世界進出。ニューヒーローも続々現る。 
 ボクシングの世界では、村田諒太の『疑惑の判定』に続く再戦での王座奪取に沸きましたが、『安定のスーパースター』井上尚弥がアメリカのリングにデビューしたのも、大きな話題となりました。すでにPFP(パウンド・フォー・パウンド;全階級の中でのランキング)でも上位常連となっている『日本の怪物(モンスター)』井上尚弥は、戦いの場をアメリカのリングに求めました。井上の顔見世の舞台となったのはロサンゼルス。シーサケット・エストラーダ・ロマゴンら各団体の王者であるスーパーフライ級の精鋭たちを一堂に会した『スーパーフライ』という興行に登場した井上は、格下のニエベスを6Rで軽々とTKOに仕留め、アメリカのファンに『噂は本当だったんだ』ということを印象付けてくれました。さらなる驚きは、次の2月に予定されている『スーパーフライ2』で。井上は来年、このスーパーフライ2で他団体チャンプとの統一戦を制して、その後はバンタム級に1つ階級を上げる予定。バンタムでの戦いも強豪ぞろいですので、本当に楽しみになってきています。『負けるわけがない、日本が生んだ最高のボクサー』井上尚弥の進撃は、まだ序章です。また、日本ボクシング界は、ニューヒーローを続々生み出しています。特に5月にフライ級のチャンピオンとなった『具志堅の愛弟子』比嘉大吾は本当に楽しみな強打のボクサーです。キャラもなかなかいいですね。その時に同時にチャンプに上り詰めたライトフライ級の拳四朗も、初防衛を果たして『チャンピオンらしい顔つき、戦いぶり』になってきています。また、中国のスーパースター・ゾウシミンを敵地で破って戴冠した木村や、かつての山中のライバルである岩佐が雌伏の時を経て獲得した世界ベルトなどの、たくさんの話題もありました。年末には、Sフェザー級の尾川がラスベガスでWBOのタイトルを獲得。まさに今、チャンピオンは百花繚乱の時代となっています。しかしながら同時に、乱立するタイトルの下、世界チャンピオンであるというだけで世間が注目してくれる時代でもありません。『どういう強さを持って、どんな相手と、どういうファイトをするか』ということが求められる現代のボクシング界。それに対応する『本当のチャンピオン』こそが、世界に名を残して、熱狂と巨万の富を得ることができるのです。いろいろな観点がありますが、【強さこそ真理】のボクシングという世界。来年もたくさんの好ファイトが期待されています。




≪第9位≫  山中陥落、内山・三浦引退。 ボクシングの『俺たちのチャンプ』に訪れた、この世界の掟。
 またまたボクシングの話。10位では今をときめくチャンピオンと新王者にスポットを当てましたが、この9位はビッグネームについて。まずは昨年10度もの防衛を重ねていたが敗れた内山高志が昨年の大みそかにリベンジを誓ってコラレスに挑戦しましたが、判定で敗退。あの強烈なパンチを見せることなく敗れ去り、引退しました。とにかく勝ちっぷりが見事だった内山も、やはりピークを過ぎてその反応が遅くなっていたところを、コラレスに狙い打たれた2度の敗戦でした。そして7月。戦いの場をアメリカのリングに移していた≪ボンバーレフト≫を誇った三浦隆司もまた、2度目の王座を狙いスーパーフェザー級のタイトルに挑みましたが、強豪のベルチェルトの牙城を崩せずに敗退。メキシコやアメリカのリングの上で、侍のようなたたずまいで強打を振るい続けてきた「メキシカン・アサシン(暗殺者)」も、今回の敗戦を受けて引退を決意しました。昭和の匂いのする、本当に大好きなボクサーでした。そして8月。具志堅洋高の持つ13の目の防衛に挑んだ『神の左』あの山中慎介が、なんとKOでネリに敗れるという大波乱が起きました。『まだまだできる』という段階でのセコンドからのタオル投入は、物議を醸しました。山中自身も、そしてジム会長も『まだこれからという時だった』とコメントしたその敗戦、実は相手のネリがドーピングを行っていたことが後から判明。来年の1~3月に、山中の【リベンジ戦】としての再戦が行われる予定になっています。ワタシ自身あの山中の負けには納得していませんので、何とかリベンジを果たしてもらいたいものです。このように、長く応援してきたワタシの中での『スーパーチャンプ』たちが、相次いで敗れリングを去るという、寂しい年となりました。昨年の今頃は、こんな風になっているなんて思いもよらず。ついでに言っておくと、井岡一翔も先ごろ、チャンピオンの座を返上することを発表しました。ボクシングに対するモチベーションが落ちているということで、復帰はなかなか難しいかもしれませんね。『チャンピオンの座を失ったら、すべてを失う』厳しい世界であるボクシングの現実を、なんだか嫌というほど見せつけられた年となってしまいました。


≪第8位≫  WBCは日本の強さと弱さを、あぶり出した。
 シーズン開始前の3月、第4回WBCが行われ、日本は健闘したものの準決勝でアメリカに敗れて、2大会連続の4強に終わりました。このWBCについては、当初よりメンバー選考などにちょっと不安があり、しかも『日本のスーパースター』であるあの大谷翔平がケガで辞退ということになり、最初から『優勝狙い』というのには無理があった大会という総括ができるのではないかと思います。そんな中で、『東京ラウンド』でのオランダ戦はしびれましたね。追いつ追われつというか、『オランダって、こんなに強いのかよ~~』という嘆きを何回発したかわからないほど、オランダは強かった。バレンティンの本気も、凄かった。(おいおい、ヤクルトの時もこの本気で野球やれってんだよ)
それを打ち破った日本の今大会における『ベストゲーム』。頭の中には、そのことしか残っていませんね。まあ、それにしてもシーズン終了を迎えると、『ところで、WBCって、なんでこの選手選んでたんだっけ?』なんていう選手も多くて、『プロの野球っていうのは、本当に1年ごとの勝負なんだなあ』ということを、いやがうえにもわからせられてしまったという感じですね。4番中田(日ハム)、初戦先発石川(ロッテ)・・・・・今年の成績からすると、ありえないような。。。。。
そんな中での国際試合。日本は準決勝で、ドジャースタジアムのそぼ降る雨の中、攻撃陣がアメリカ投手陣の『動く球』に全く対応できず、1-2で敗れて大会を去りました。スコア以上に、『力の差』を実感した試合となりました。今年の秋にはU-24でチームを組んで、来るべき2020年の東京オリンピックに向けての第一歩を切りました。監督も稲葉監督に変更になりました。日本野球は『質の高い投手力とスモールベースボール』が特徴と言われており、どの大会を見ても、日本の投手の質は本当に高いですね。しかしながら、これから世界を制していくのであれば、やはりスモールベースボールだけでは限界がある気がします。時には一発の長打で劣勢を一気に挽回できるような打線も、必要になってくることでしょう。このWBCでの筒香、その『未来の日本』を垣間見せてくれました。そして来年入団の清宮にも、『未来の日本を託せる姿』を期待しています。そんなことで、『国際試合のある年は面白い』ということを実感しましたが、『それがあるからこそ、ダメージを受けてしまう選手もたくさんいて、ペナントレースには多大な影響を及ぼす』ということも、再認識した年となりました。


≪第7位≫  桐生祥秀が、夢の9秒台に突入。
 陸上男子100mで、桐生祥秀選手(東洋大)が夢の9秒台に突入。日本にも新たな時代の到来を告げてくれました。それは9月のこと。桐生が日本人初の9秒98をマークしたと、大いに話題になりました。桐生選手は、今年の夏に行われた世界陸上では残念ながら100mの日本代表になれず。ケンブリッジ飛鳥、サニブラウン・ハキーム、多田らのタイムがどんどん上がって、4×100mリレーでは日本チームは既に『メダルは当たり前』なんていう域まで達しているという凄い状況になっています。そんな中、ともすれば少しその存在感が薄くなりつつあった桐生が、『俺のこと、忘れてもらっちゃあ困るぜ』とばかりのこの快走。素晴らしかったですね。これから4人、いや5人のスプリンターによるレベルの高い争いの中で、2020年の東京オリンピックに向けて、日本の100mは期待がどんどん高まってきていますね。これぞまさに『切磋琢磨』。これからのどのレースにも、注目が集まっていくことでしょう。”東京”を迎える前には、4人全員が9秒台をマークしているかもしれませんよ。



≪第6位≫  花咲徳栄 埼玉県勢悲願の全国制覇  広陵・中村は驚愕の大会6本塁打
 夏の甲子園大会では、花咲徳栄が埼玉県勢として初めての制覇。ついに深紅の大優勝旗が、埼玉の地にもたらされました。花咲徳栄は、チームとしてのピークは昨年のチームと言われていました。大エースである高橋を擁して攻守ともにスケールの大きなチームでしたが、甲子園では作新学院・今井の速球を打ち返せずに涙をのみ、その経験が今年のチーム作りに反映されました。『とにかく強く振る』ことが徹底された今年のチームの打線は、夏を迎えてようやくその破壊力を増してきました。甲子園では各試合でしっかりと序盤に強打で主導権を奪って、それを二本柱である磯網―清水のリレーで守り切るという戦い方が徹底していました。準優勝は強打の中村捕手を擁した広陵でした。中村は個人の記録となる1大会6本塁打。あの清原の記録を、32年ぶりに破っての快進撃でした。特に秀岳館戦でのダメ押しのアーチや、聖光学院戦での決勝のアーチ、『大事なところ』で中村はことごとく相手を打ち砕く値千金のアーチを放ちました。甲子園に永くその名を刻むスーパースターでした。これで夏は3年連続関東勢が制しました。夏を迎える前までは弱点を抱えたチームが、夏を迎えて試合するごとにチームが本格化していって栄冠を勝ち取るというのがこの3年間のパターンですね。どうやら関東の有力校の監督は、『夏一本に絞る』という明確なチーム作りの戦略があるような感じがします。秋の新チーム結成時と夏で、こうも戦力図が変わるのか・・・・と驚いてしまうのが、最近の傾向ですね。いずれにしても、来年は100回大会。またどんなチームが覇権争いに顔を出してくるのか、楽しみです。



≪第5位≫  DeNA大躍進。CS・日本シリーズのあっぱれな戦いぶり。
 プロ野球の世界で、今年一番インパクトを残したチームと言えば、なんといってもDeNAでしょうね。昨年CSに進出して、今年はその一歩先へ・・・・というコンセプトのもとに始まったDeNAのシーズンでしたが、ラミレス監督の下、いいチームになりました。毎年ドラフト指名してきた”左の投手陣”が本格化し、それに粘り強い打線が絡まって、勢いに乗った時は手の付けられない力を発揮しました。今年最も勢いに乗ったのが、ポストシーズンであるCSから。甲子園で阪神を”泥んこ野球”で撃破したと思ったら、「無敵」を誇ったマツダスタジアムでの広島を苦も無く4連勝で葬り去りました。そして日本シリーズでは、シーズン100勝に届かんかという力を誇ったSBに対して、追い詰められてから猛反撃。あと一歩のところまで追い詰めました。もう誰も『日本の4番』ということに疑問を挟まなくなった筒香、まさかの首位打者に輝いた宮崎、そして『超優良外人』のロペスの3人で組むクリーンアップの破壊力は見事でした。それにしても、シーズン全体の稼働率が90%を超えるこの人気っぷりは、どうでしょう。長いこと閑古鳥が鳴いていた…・とは思えないほどの熱い声援を毎試合受けることができれば、こんなにもチームは活性化するんだということが、よくわかりました。かつては閑古鳥のなく球場と言えば、広島と横浜と相場が決まっていたものですが、この両チームの変わりっぷり。。。驚きです。やっぱり球団がフロント、現場一帯となって”本気で”がんばると、こんなにも変わっていくんですね。今後のベイスターズ、本当に楽しみです。広島もDeNAも、この人気は決して一過性のものではないと思います。もう『集客すらも巨人頼み』なんていう時代は、はるかかなたのほうに過ぎ去っていったんですね。今度は改革しなければならなくなったのは、”かつてのプロ野球の盟主”のチームの方かもしれません。『〇〇が強くなけりゃ、野球界全体が盛り上がらない』なんていまだに言っている人がいますが、そんな時代じゃないんだよ。。。



≪第4位≫  清宮幸太郎の1年。そして彼は北海道の地へ。
 高校野球は、清宮幸太郎が席巻した3年間でした。その清宮。1年生の夏にいきなり甲子園に登場。チームは4強まで勝ち進み、自身もホームランをかっ飛ばして大活躍。活躍ついでに、その年のU-18日本代表のメンバーにも選ばれました。『彼の未来は、光り輝いている』と思われたものですが、2年時の昨年は、春も夏も全国の舞台に姿を見せることはできず。それも、東京大会の中盤に敗れ去って・・・・というものでした。『もしかしたら、このまま甲子園には姿を見せられない?』と心配されたものの、新チームになってから、そのプレーはまた輝きを取り戻したかのように、注目の的となっていきました。昨秋の東京大会で、日大三との激闘を制して優勝しセンバツを確定づけると、その後の明治神宮大会でも準優勝に輝き、≪清宮の輝きに満ちた最後の1年≫を予感させる船出となりました。そして今年。選抜に登場した清宮は、1勝をするものの2回戦で敗れ、その打棒は不発に終わりました。東京に帰った清宮が輝きを放ったのが春季東京大会決勝の日大三戦。やはり彼は、ライバルとの対戦という舞台では、燃える男になるようで、この18-17というとんでもない試合で、同点アーチを含む2本のホームランを神宮球場に叩き込みました。春から夏にかけては、清宮の一挙手一投足に、それこそ全国の野球ファンの目が降り注いでいきました。そんな中でも、期待を裏切らない清宮はコンスタントにホームランをスタンドに叩き込み続けて、最終的にその数は、ありえない111本となりました。『甲子園でも清宮が見たい』という全国の野球ファンの夢を乗せ、早実は夏の西東京大会で勝ち進んでいきましたが、決勝までたどり着いて甲子園のキップをつかみかけたものの、その切符は手からするりと滑り落ちてしまいました。攻守にまとまる東海大菅生に押される試合展開の中、何とかその窮地を打開しようと、ベンチで、守備位置で、仲間を鼓舞し続ける清宮の姿は、はっきりと頭の中に思い浮かべることができます。『ああ、清宮もいい主将になったなあ』という感想だけを残して、しかし清宮の夏は、神宮の森で終わりを告げてしまいました。その後U-18日本代表主将としてのカナダでの激闘、そして10月には7球団の指名競合を受けて、日本ハムにその進路が決まりました。清宮には、松井秀喜と同じ「におい」を感じることができます。そう、スーパースターの匂いです。高校野球というカテゴリーから抜け出し、プロとしてもっと大きな世界で羽ばたいて行ける選手だと思います。そう思うと、寂しさよりも、ワクワクを感じることができます。


≪第3位≫  村田諒太 激戦のミドル級で、世界を獲る!
 こちらも、社会現象にまでなった特大のスポーツニュースです。ボクシングのミドル級ロンドン五輪金メダリストの村田諒太が、ついに世界チャンピオンの座に輝きました。そもそも軽量級が主体の日本ボクシング界。ミドル級とかヘビー級とか、そんな『大きくて強い階級』には、アメリカ人をはじめとして「ごっつい体格の国々から来たボクサーたち」が群雄割拠。日本人の出る幕なんて、これっぽっちもないと思われていました。しかし2012年のロンドン五輪で、村田諒太はそのミドル級で金メダルを獲得。世界を制すると、今度はプロに転向。『日本人ではありえない』と言われたミドル級で、世界チャンピオンを目指しました。思えばデビューからは、長い道のりでした。デビュー戦でそのポテンシャルを見せつけた村田でしたが、それからの歩みは遅々として、昨年の頭ぐらいまでは、村田の先に世界は、おぼろげにも見えていなかったのではないかと思います。我々ファンも、『やっぱり村田は無理かな?』というのがスタンダードな考え。しかし昨年ぐらいからなんだか村田が変わりだして、急激に進化し始めたということを肌で感じることができました。『これはひょっとしたら?』と待っていたら、今年に入ってアッサン・エンダムとの世界ミドル級タイトルマッチが正式に決定。『村田が世界を獲る』ことよりも、『ミドル級で世界戦が組まれた。しかも、開催地は日本』ということが驚きで、『これは見逃せんぞ』と初日にチケットを押さえたワタシがいました。そして迎えた5月20日、有明コロシアム。村田に対する期待でいっぱいに膨らんだ有明の雰囲気は、長谷川穂積の武道館での統一タイトルマッチか、八重樫東があのロマゴンに挑んだ代々木第2か・・・・・そんな雰囲気でした。その試合で村田は、持てるものをすべて、出し切った見事なファイトを展開。ワタシが手元でつけていた採点では、7ポイント差で村田の勝ち。「さあ、村田がチャンピオンになる瞬間だ!」と思って判定のコールを聞いていましたっけ。。。。。。。。すると。。。。
『勝者、アッサン・エンダム』
のコールが。
ありえない、ありえない・・・・何回叫んだことでしょう。『村田がタイトルをかすめ取られた』そんなことすら思った、有明の夜でした。
しかしすぐにその判定、世界的に物議を醸すこととなりました。世界中から『村田が明確に勝った試合だ』ということが声高に叫ばれ、その声に後押しされるように、ダイレクトリマッチが10月に決定しました。『今度こそ・・・・』と思う反面、『あんなに完ぺきな試合、今度もまた、できるのか?』という心配もあり、ファンの立場ながらいろいろな葛藤を抱え、今度は10月、両国国技館に出向きました。試合前の、有明の時以上の場内の何とも言えない緊張感。『これぞボクシングの、張り詰めた緊張感だ』ということを楽しみつつゴングが鳴ると、それからはもうあっという間。村田が、5月の時よりもさらに成長した姿を見せ、まさに『新生・村田Ⅱ』を全国のファンに見せつけて、見事にTKOで世界のタイトルを”ぶんどり”ました。それからワタシ、しばらく興奮が冷めやりませんでした。村田のまさに『魂のベストファイト』に、歓声が止まりませんでした。もし、もし村田がこの後すぐにタイトルを失ってしまったとしても、ワタシの中で村田諒太は、『本物のスーパースター』として、ずっと記憶されていきます。そんなファイトでした。そして、日本にこんなすごいボクサーがいたということを、いまさらながらに”神に感謝”です。




≪第2位≫  揺れに揺れる空前人気の大相撲。稀勢の里の昇進・活躍、白鵬のV40も、また暴力事件が発生。
 今年の第3位までは、例年通り『スポーツって素晴らしい』『やっぱりスポーツって楽しいな』ということばかりを選んだのですが、今年の第2位には、功罪相半ば・・・・・という相撲の話題を選びました。折からの相撲人気は、今年さらに爆発。年間6場所、90日間の興行のすべての日に『満員御礼』の垂れ幕が下がり、押すな押すなの大盛況でした。若貴ブームに沸いた90年代までさかのぼるこのブームに、相撲関係者はいつもホクホク顔でした。そして巷には”スー女”なる相撲大好きな女の子たちが表れ始め、『相撲人気もここまで来たのかあ』と感心していました。そして土俵の中でも、初場所にあの気の弱い大関・稀勢の里がえいやっと頑張りを見せて初優勝して横綱に昇進。相撲界は沸きに沸きました。そして次の春場所では、新横綱となった稀勢の里が13日目に大きなけがを負うという中で気力の相撲をつづけ、千秋楽で照ノ富士を本割・決定戦と2番続けて気力で破って連続優勝。まさに日本列島が、感動の涙に震えた瞬間でした。しかし大相撲のポジティブ面でのピークがここ。5月場所からは、まさに『坂道を転げ落ちるように』事態は暗転していきました。まずは春場所にケガをおしてあまりにも頑張りすぎた稀勢の里。『日本人横綱』という大看板を背負って、協会の期待もMAXでしたが、けがが治りきらずその場所からは休場を繰り返すようになりました。けがは今年最後の九州場所が終わっても癒えることはなく、なんと初場所には「進退をかけた」なんて声まで聴かれるほどになってしまいました。稀勢の里の弟弟子で、大関に昇進した高安もケガがち。特に癖になりやすい肉離れを何度かやっているので、今後の相撲人生が大いに懸念されています。秋場所では4人の横綱のうち3人が休場の体たらく。横綱は日馬富士ひとり、大関も豪栄道ひとりという異例の寂しい場所で、優勝ラインも11勝まで下がったものの、その横綱―大関の優勝決定戦になって、何とか体面を保つことができました。しかし。。。。。。その場所”一人横綱”の面目を守って優勝にこぎつけた日馬富士が、九州場所前の巡業で同じモンゴル力士の貴ノ岩に暴力をふるい、そのことが九州場所初日に発覚。最後の九州場所は大揺れの場所となりました。貴ノ岩に続いて日馬富士も早速休場。ケガが癒えていない鶴竜に稀勢の里、高安までもが休場し、結局九州場所も秋場所と同じく1横綱・1大関の寂しい場所になってしまいました。出場していた横綱が『実力ダントツ』の白鵬だったためあっさりと優勝は決まりましたが、その白鵬の度重なる『相撲をなめた』『協会をなめた』土俵内外での態度がまた際立ったりして、本当になんだかわけのわからない『1年納めの場所』となってしまいました。
 そして千秋楽からほどなくして、暴行事件を起こした日馬富士は引退。いったい今後相撲界はどうなってしまうのか、先行き不透明なまま、年を越すことになってしまいました。今年の相撲界で、明るいニュースと言えば大量の若手有望力士の出現。御嶽海、阿武咲、北勝富士をはじめとして、これから角界を担っていく次世代の力士が一人じゃなく大量に出現してきたことは、明るい未来を暗示しているようにも見えます。しかし根絶されなかった暴力事件、そして何をやっても許されると勘違いがはなはだしい『大横綱』など、正していかなければならない問題も山積です。
 『相撲は日本の国技であるって以上に、理由なんかなく、とにかく楽しいもの』
これがワタシの相撲に対するイメージです。
そんなイメージのまま、奇数月には『おお、今月は、相撲があるじゃないか!!!』と言わせてくれるような大相撲を、これからも期待しています。「膿を出し切って」これは白鵬の優勝インタビューの中での言葉ですが、まさにその通りであると思いますね。未来永劫「楽しい大相撲」が続いていくように、願ってやまない年の瀬です。


≪第1位≫   大谷翔平、エンジェルスに入団!MLBで、その真価を発揮する! 
 昨年日本一&MVPに輝いた大谷翔平にとって、今年1年は厳しい年でした。シーズン中から、シーズン後にはポスティングシステムを利用してMLBへの挑戦を表明していた大谷ですが、今年は浮き沈みの激しい1年でした。春のWBCには『日本の大エース&クリーンアップ』として八面六臂の大活躍を期待されましたが、足首のケガが長引き辞退。大谷がいなかったWBCのサムライ・ジャパンはチームの柱を失い失速してしまいました。大谷はその後もケガを引きずり、夏場まで日ハムのチームに合流することもかないませんでした。それでもファンは、大谷のプレーを見ることを至上の喜びとしていましたから、やっぱり彼は『プレーで人を呼べる』プレーヤーですね。輝きに満ちていた去年のことを思うとちょっぴり寂しくもありますが、”大谷ファン”のワタシとしては、来年の海の向こうでの大活躍、大いに期待しています。
はい、これが「エンジェルス入団」を発表する前の、ワタシが大谷のことを書いた記事。しか~し。状況は劇的に変わりました。なんとなんと、大谷は20球団以上が獲得に手を上げた状況の中、ヤンキースやドジャースなどの『いくらでも金を積む大マーケットの球団』でも、マリナーズやレンジャースなど『日本人選手がMLBになじむのに師匠のない球団』でもない、伏兵にも挙がっていなかったエンジェルスを選んでくれました。そしてワタシは80年代からのエンジェルスの大ファン。”極私的”に、この大大大ニュースを、年間のトップニュースに上げないわけにはまいりません。ワタシにとって、今の世界全ての野球選手で最も好きな選手が、大谷選手。それは間違いないです。そんな選手が自分の応援するチームに来る。。。。。いや~~~やっぱり興奮します。来年からどんな活躍をしてくれるのか?今から楽しみでなりません。もうすでに、我を忘れてしまっています。そして、とても来年の大谷&エンジェルスについては、客観的に見るなんてこと、できそうもありません。ただただ「がんばれ~~~いけ~~~やれ~~~~ぶちかませ~~~~」そんな言葉が、来年の記事には並ぶことでしょう。ご容赦を。これで数年間、野球を見る楽しみが増えました。いつの日か、大谷を見にアナハイムに。。。。。すでにワタシのところには、昔の”仲間”から大谷の野球の実力の『照会』が、ちらほら来ているところです。ワタシはそれらに対して、『すっげ~~~~世界NO1のポテンシャルを持った、ピッチャー&バッターだぜ』と答えているところ。
見ていろよ、アメリカのエンジェルスファンたち。君たちはすっげ~選手を獲得したんだぜ!!!首を長くして、来シーズンの獲得を待っていてくれ!!彼は必ず・・・・・・・・やるぜ!!!

 そんなことで、今年も盛りだくさんの話題が満載だったスポーツ界。
しかしながら、スポーツが楽しめるのは、平和あってこそ。
社会情勢、国際情勢が不安であり、明日をも知れぬ情勢(本当にそう思っています)ではありますが、
どうか来年も同じように『スポーツこの1年』を振り返るような状況であってほしい。。。。。。
切なる願いです。

来年は大谷のMLBデビューに心を砕き、
サッカーのワールドカップがあり、
そして高校野球はいよいよ100回大会を迎えます。
話題は満載の年です。

ワタシのブログの記事も、来年は3000に届こうとする年です。
何とかイチローの記録までは・・・・・そんな風に思っている、今日この頃です。

外を見れば、緩やかな空気が流れています。
スポーツを愛する全ての人に、
穏やかで幸せなひと時が訪れますように。

スポーツのチカラ

ワタシは信じてやみません。


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