SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

2019年 スポーツ総決算  今年は本当に、いろいろあったよなあ。。。。。

2019年12月31日 | スポーツこの1年

4月30日をもって、30年と少し続いた平成の元号が終わり、
5月1日、新時代となる令和の世の中が始まりました。

新天皇陛下のご即位により新たな元号に変わった今年の日本。
そんな新元号の下、
スポーツも実に様々なイベントがあった1年となりました。

この2019年という年は、
ラグビーのワールドカップがあった年として記憶される、
そんな年となったことでしょう。

オリンピックの前年に行われるラグビーのワールドカップ。
昨年までさほど日本国民の興味の的ではなかったラグビーというものが、
凄まじい大フィーバーを起こしたのは、
ひとえに選手たちの頑張りがあったからと言えるでしょうが、
それとともにスポーツ大イベントのホスト国になるという事に、
無常の幸せを感じた年ともなりました。

今年の流行語大賞に選ばれたのがラグビー日本代表の『ONE TEAM』という言葉。
それに代表されるように、
日本人というのはもともとが農耕民族で村社会で国が作られてきた歴史というのもあって、
やっぱり人々の間の「絆」というものが大好きな国民なのだと思います。

震災などで大ピンチに陥った時も、
そしてラグビー日本代表のように「行け~~~!!」という時も、
日本人はやはり周りとの結びつきを堅固にし、
スクラムを組んで未来へ向かう志向の国民だと思うのです。

そして、その「絆」というものをビジュアルで、
本当に誰もがわかる形で我々に見せてくれたラグビー日本代表というものが、
光り輝いて日本人の心に深く染み入ったのだと思います。

だからこそ、内外共に不安定なこの時勢において日本で開催されたラグビーのワールドカップは、
より意義深いものになったのではないかと思います。
本当に開催してよかった。
選手はもとより、関係者の多大な尽力には、
首を深く垂れるだけです。ありがとう!!


さて、平成31年の1月、
明けて最初の3日間で、
日本のスポーツ界は、
それまで長い間タイトルを保持し続ける「絶対王者」で、
「負けるはずないよ!!」と思われていた大学駅伝の青学大、大学ラグビーの帝京大が相次いで敗れるという波乱で幕を開けました。

程なくして、大坂なおみがテニスの全豪オープンでグランドスラム大会連覇を達成し日本中は湧きかえりましたが、
国内では人気の横綱、稀勢の里がケガから復活することが出来ずに、
失意のうちに土俵を去ることを余儀なくされました。

平成が終わろうという4月、
平成元年に「平成最初の優勝」を飾った東邦が、
30年の時を経て「平成最後の優勝」をも飾るという、
ドラマチックな”締め”で高校野球を盛り上げてくれました。

7月には突如として現れた若くてあっけらかんとした渋野日向子がゴルフの全英女子オープンで、
これまで日本人がだれもなしえなかったLPGAのメジャータイトルをあっという間にかっさらって、
時ならぬシブ子フィーバーを巻き起こしてくれました。

8月は甲子園の月。
予選では【令和の怪物】佐々木朗希が甲子園のかかった予選決勝のマウンドに立たず、物議をかもしました。
しかしそのことが、これまでタブーとされていた高校野球の問題点にメスを入れる端緒になりました。
甲子園ではその佐々木と並んで好投手と言われた星稜の奥川が躍動。
3回戦の智辯和歌山戦で見せた超絶なピッチングは、極上の輝きを放ちました。

9月はいよいよラグビーワールドカップ開幕。
日本中が日本代表のみならず、すべての試合に大声援を送り、
時ならぬ「ラグビーフィーバー」が幕開けとなりました。
そして日本代表がアイルランド、スコットランドの強豪を撃破して全勝で初めての8強に進出。
その瞬間、この「テレビを見なくなった時代」と言われる現代において、
58%もの視聴率を上げるという快挙を達成しました。
まさに「猫も杓子も」ラグビー、ラグビーでしたね。

日本敗れた後も、
世界のものすごいプレーが日本列島を興奮のるつぼに叩き込み、
「絶対王者」のオールブラックスを、
「俺達の(昔の)カントク」エディーさん率いるイングランドが、
完膚なきまでに叩きのめすというすごい試合もありました。

しかしそのイングランドも、
決勝ではわが日本を破った南アフリカの見事なディフェンスに翻弄され、
栄えある王者は南アフリカに輝いたのでした。
本当に幸せな1か月半でした。

そしてその興奮が冷めやらぬ11月、
別の興奮が待っていました。

日本が誇るボクシングの絶対王者、井上尚弥が、
世界のビッグネーム、ノニト・ドネアと”世界最高峰”WBSSのタイトルをかけ激突。

大激戦の中判定で勝利をおさめ、
この「日本ボクシング界屈指の激闘」は、
井上尚弥の名前を世界の隅々まで、
深く浸透させてくれました。

おっとその間には、
「いつ何時でも変わらずそこにある」プロ野球ももちろん開催されていて、
セは巨人、パは西武が優勝したものの、
CS、日本シリーズという「決戦の場」ではSBに双方ともに1勝も出来ずにボコボコにされてしまいました。
「優勝って、いったい何の価値があるんだろうね~」
なんていうボヤキすら聞こえてきそうな、
今年のプロ野球でした。

そんな今年のスポーツの1年を、

またまた例年のごとく”極私的に”振り返ってみたいと思っています。
お付き合いいただけたら幸いです。



◇2019年 スポーツこの1年

まずは番外編から。

【番外編】 

≪選外≫  大相撲 休んで出てきちゃあ張り手にエルボー 日本人横綱・白鵬はいったいどこへ行く?!。

 もう何というのか、言葉も出てこないし、かつてから何度も指摘していることでもあるので言いたくもないのですが。一年むすびの場所である九州場所での相撲っぷりを見ていると、「すでに開き直って、横綱はこうあらねばならない・・・・なんていうことは、まったくどこかに行ってしまっちゃったんだな」という事しか感じられない横綱・白鵬の相撲には、すでにリスペクトは失ってしまっていましたが、嫌悪感すら感じるようになってしまいました。かつて北の湖などが「憎たらしいほど強い」と言われていた時期がありましたが、それはとりもなおさず彼の相撲っぷりに尊敬の念があるからこそ、でした。憎たらしいほど強いので、だれかこの強い人に立ち向かう人はいないかな?という期待が入り混じった内容が形容された言葉でしたが、そのために北の湖が敗れると、場内は大歓声に包まれ、座布団が館内を舞ったものでした。白鵬は記録だけを見ると、その北の湖はおろか、千代の富士も貴乃花も、あの大鵬ですらも到底追いつかないぐらい凄いものがあります。しかしながら、それ以上にこれほどリスペクトされない横綱も珍しいと最近は思っています。だが、かつてはこうではなかった気がします。白鵬以上に横綱という地位を”コケ”にした横綱・朝青龍に対するある意味アンチテーゼのような存在で、もう一人の横綱である白鵬はとらえられていたと思います。傍若無人にやりたい放題の朝青龍に対し、日本の心を理解し、横綱というものを日本人以上に理解して、勝ちを積み重ねていく白鵬は、尊敬の念を持って眺められていたと思います。彼が双葉山の連勝記録に挑んだ時、そして大鵬の優勝記録に挑んだ時などは、相撲ファンはかたずをのんで”その時”を待ち望んだものです。しかし。。。。。いつのころからか、白鵬の相撲は大きく軌道修正をし、荒々しくと言ったらよく聞こえるような、そんな傍若無人さを土俵の上で見せ始め、それはもう、誰もが「止められないところに来ている」ぐらいまで進んできてしまっているように感じます。特に立ち合いの所作や、サポーターをしてのエルボー技などは、「自分さえよければ、あとはどうなってもいいのか?!」と憤りしか感じないものです。それに万全でなければ、土俵にも上がろうとしないで休場を選択する。どうにかならんのか。。。。。日本への帰化申請が認められて晴れて親方株の問題などにも決着がつき、落ち着いて相撲を取るかと思いきや、あの九州場所での感じでは、引退までずっとあの調子なのは自明の理ですね。来年も同じことをここで書くのか、それとももう彼の姿は土俵上にはないのか。。。。。。神のみぞ知るところでしょう。かなり怒っているはずの相撲の神のみが、ね。

 

≪選外≫  大坂なおみ 全米に続き全豪でもV。

 テニス界で去年センセーショナルな活躍をしてグランドスラムのタイトルを初めてとった大坂なおみ選手。今年は1月の全豪オープンで、見事に「グランドスラム大会連覇」を果たしてくれました。この全豪では、全米時よりもさらに向かうところ敵なしの見事なプレーぶりでしたね。彼女の爆発的なストローク、サービス、リターンには、本当に見ていてほれぼれする切れというものがありますね。しかしながら、その無双のプレーぶりも体と心のコンディションが保たれてこそのもの。今年後半戦は、そのどちらかのコンディションが整わないことが多く、思い通りにいかないことが多かったように見られました。全豪後に噴出したコーチの問題などを含め、来年はコンディションを整え、また厳しい荒波に漕ぎ出していってほしいと思っています。これから彼女が超一流選手としての地位を維持していくために、避けては通れない今年の後半だったと思っています。来年も頑張ってほしい、心からそう思います。

 

≪選外≫  9秒台続々 日本男子短距離陣の躍動

 東京オリンピックがいよいよ来年に迫ってきた今年、日本陸上界は大いに沸きかえりました。期待の男子短距離陣では、先に100m9秒台を出していた桐生を追うように、アメリカ留学中のサニブラウンが6月一気に9秒96を出して日本のエースに名乗りをあげました。そして行われた日本選手権でも、100m、200mの2冠を制して、東京オリンピックへの期待が高まりましたね。もちろん桐生、小池、多田、ケンブリッジなどの選手も続いてきており、この層の厚さをもって東京オリンピックの”四継”4×100mリレーへの期待は、本当に高まっています。第4コーナーを回ったところで3走の桐生が得意のコーナーワークでトップに躍り出て、バトンはサニブラウンへ。サニブラウン、アメリカ、ジャマイカに追い上げられるが、気迫の走りでゴールテープを切った~~~~~!!!そんなシーン、見てみたい~。金への助走、もう始まっています。

 

≪選外≫  打で光る大谷翔平 サイクルヒットを達成。イチローは正式に引退。

 大谷翔平のMLB二年目は、マウンドに上がることはなく通年打者として過ごしました。これは大谷が野球を始めてから初の事ではなかったのでしょうかね。ひじの手術の影響が残るのではないかと思われた心配は、まったくの杞憂に終わりました。106試合に出場して、.286 18本 62打点という成績は、ホント見事としか言いようがありません。もうやることなすことすべてダメダメ・・・・・・という今年のエンジェルスにとっては、「オ~タニサ~ン」の活躍は、唯一といって良いぐらいの明るい話題だったような気がします。 今年は初出場が5月にずれ込んだものの、6月13日にはなんとサイクルヒットを達成。大いに話題を振りまいてくれました。ワタシがひそかに見たかった「打者として年間を過ごす大谷」が今年見ることが出来て、大満足のシーズンでした。9月にひざの手術を行うと発表されてシーズンを終えましたが、心配には至らないようで、来年は二刀流も復活、しかも来年は「投げる試合でもバッターボックスに立たせる」と言明しており、ますます楽しみが増えてきました。イチローに続いて大谷は、アメリカの野球そのものに変革を与える存在として、歴史を振り返った時「アメリカの野球になくてはならなかった人物」として、歴史にその名前を刻んでいることでしょう。一言、来年も楽しみです。そのイチロー選手はシーズン初めの日本での「顔見世興行」が終わり正式に引退を表明しました。ワタシはすでに彼は引退していたという意識でいましたので、あまりその試合には興味がわかなかったというのが本音ですが、イチローのこれまでのMLBでの功績はまさに絶大なものがあったというのは再認識することが出来ました。お疲れさまでした。

  
≪選外≫  平成最初の大会で全国制覇した東邦が、平成最後の大会でも全国制覇で占めた!

 ここ数年、このブログでも言っていますが選抜大会というものの意義に首をかしげることが多くなったワタシ。昔桜の咲くころに始まる「センバツ」という独特の響きに心躍らせていたものですがそれも今は昔。秋に各地区の秋季大会の優勝校を集めて行う明治神宮大会が開設されているのも、興味を失う一つの原因なのかもしれませんが、高校野球ファンという事ではなくて世間の認識は大体そんなところでしょう。こと野球熱が関西ほど高くないこの関東圏では、選抜は夏の選手権と違い、開催時にも話題になることがほとんどない大会となっています。そんな中、選抜は平成元年の選抜、要するに「平成初の甲子園大会」で優勝した東邦が、それ以来30年の時を経て「平成最後の甲子園大会」も制するという、ドラマチックな大会となりました。エース石川を中心に盤石な戦いをした東邦の上に栄冠は輝き、また令和の時代の甲子園が始まったという事です。個人的には、選抜のあり様をこの機に検証してみるという事が望まれますが、そうはならないでしょうね。高校野球オヤジを自認するワタシですらそう考えているのですから、世間の関心は推して知るべしだと思うんですがねえ。



【次点】

≪第13位≫  池江選手 白血病の衝撃

  2月、衝撃のニュースが駆け巡りました。あの日本水泳界の絶対的エースであり、東京オリンピックでは複数の金メダルを期待されていた池江璃花子選手が、白血病による入院、闘病を発表しました。驚きと頑張れのエールで、日本中が包まれました。もうこれは、彼女がオリンピック選手だからという事だけではなく、一人の女性として頑張ってほしい、何とか病に打ち勝ってほしい、そういった気持ちの発露で、それ以降彼女が元気な姿で映っている写真などが公表(?)される都度、ホッとしたりまたエールを送るなり。。。。。同じ年代の女の子の父親でもあるワタシも、とても他人事とは思えず、今も神に祈りつつ、エールを送っています。そんな池江さん、12月17日に、待望の退院までこぎつけてくれました。これからも闘病生活は続くでしょうが、自身で目指すといっているパリオリンピックまで、焦らずにじっくりと、力を蓄えていってほしいと思っています。何しろ、持っている能力は日本で、いや、世界でもピカイチの彼女。段々期待値も上がっていくことでしょう。池江さん、来年はきっといい年になります。 

 

≪第12位≫ ザ・リベンジ 村田諒太  

 昨年、エンダムとの2戦にわたる激闘にケリをつけ、WBA世界ミドル級のタイトルを獲った村田諒太。元来ガタイの良くない民族である日本人がこのタイトルを獲る日が来るなんて、夢想だにしなかったファンは熱狂し、「さすがは村田。オリンピック金メダルに、世界タイトル。やっぱり彼は、稀代のボクサーだ」と語りました。しかし10月、ビッグマッチの前哨戦と位置づけたラスベガスでの試合で、無名のブラントに一方的に打たれて判定負けを喫して王座から陥落。誰もが引退するだろうと思っていた村田は、「まだやり残したことがある」と昨年の12月に現役続行を宣言しました。しかし「どのタイトルを狙うのか?」「どこにモチベーションを持って行くのか?」など、不透明なことが多く”宙に浮いた状態”の村田は、世間から忘れられた存在になっていたといって過言ではなかったでしょう。しかし陣営の努力でブラントとの再戦が決まると、いつもは饒舌に自分の哲学を語る村田が黙して語らず、この試合に賭ける並々ならぬ意気込みを体から表していました。試合前、村田が勝つと予想した人は多くはありませんでした。しかしこの試合、村田は眠っている「本当の村田」が爆発。その野性味あふれるファイトで、ただ相手を追い込んでいく、打ち込んでいくというファイトに、ワタシはしびれました。まさかの2RKO勝ち。村田の野生に、ワタシは叫び、興奮していました。「これが本当の村田だ~」ワタシはそう叫んでいましたが、そんな雄たけびを上げたボクシングファン、多かったんじゃないでしょうかね。素晴らしい夜でした。その村田が挑んだ初防衛戦、相手は難敵のバトラー。次のステージに進むために、絶対負けられない戦いでしたが、村田は見事に5RでのTKO勝ちで来年への期待をつないでくれました。村田諒太の2020年、果たしてどんなことになっていくのか。どこまで高みに到達できるのか。期待しかありません。   


≪第11位≫ 東海大が箱根駅伝初制覇 明治大学ラグビー復活 絶対王者が敗れるとき(青学大、帝京大)

  年明け早々の衝撃といえば、この二つでしょう。毎年の恒例行事であり、これがなけりゃあ年が明けないとワタシが思っているのは「箱根駅伝・高校サッカー・大学ラグビー」の3つ。特に大学スポーツである箱根駅伝と大学ラグビーは、観戦にも力が入ります。ここ何年も、この2つの王者は駅伝・青学、ラグビー・帝京と相場が決まっていました。まさに長い歴史を持つこの両大会が始まって以来最強と言ってもいいぐらいの「絶対王者」として君臨して、他を寄せ付けない強さを誇っていました。青学大は箱根を4連覇、帝京大に至ってはなんと9連覇を達成していましたし、戦前の予想では両大学とも今年も盤石と言われていましたから、敗れたことには本当に驚きました。1月2日の大学選手権、帝京大は天理大に最初から最後まで、圧力負け、走り負け、規律負けとすべてにおいて上回られて完敗。本当にびっくりの試合となり、10連覇は夢と消えました。そして同時に行われていた箱根の往路で、青学大はまさかの失速で6位に沈み、復路で王者の意地を見せて追い上げるも及ばず、東海大の初優勝で今年の箱根は幕を閉じました。選手が入れ替わる学生スポーツにおいて、長年王者を維持することがどんなに難しいことか、この絶対王者たちがまた、わからせてくれました。それだけに王座を失った今年の戦いが、両校にとってはとても大切になると思われますが、青学大、帝京大共にやや苦しいシーズンになってしまっています。「王者」としてではなく「チャレンジャー」として臨む今年の正月に、果たしてどんな姿を見せてくれるのか。ある意味とても楽しみですし、注目しています。  



【ベスト10】

第10位≫  稀勢の里引退 そして、大相撲ベテランも相次いで引退 安美錦 嘉風 豪風。時代は変革する。

   ああ、このニュースも今年だったんだなあ、なんてちょっと遠い目で思い出してしまいました。日本中がまるで息子を見るような眼で、ハラハラドキドキとその動向を見守っていた横綱の稀勢の里。10代から大器と言われながら、ゆっくりゆっくりと牛の歩みの様に階段を上っては跳ね返され・・・・・を繰り返していましたが2017年に一気にブレークして初優勝、そして横綱をもつかみ取り、「遅れてきた横綱」として人気、実力ともにこれからが楽しみ・・・・と言われていた矢先に大けがを負ってしまいました。そこから何と8場所連続の休場と苦難の道が続き、ついに初場所で矢尽き刀折れ、引退を決意しました。大横綱然としたたたずまい、はまった時の素晴らしい強さ、それらの本領を発揮せずに土俵を去って行った稀勢の里に、断腸の思いながらファンは暖かいねぎらいの言葉、拍手で送り出しました。現役時代はほとんど言葉を発しなかった稀勢の里。それが力士というものだとの姿勢は一貫していましたが、一転引退後解説の席に座ってからは、「この人、こんなに面白い人だったのか」と彼の素を出していい解説をしてくれています。表情もなんだか、とてもいいですね。これからもその明るさと言葉の的確さ、力強さで、角界を引っ張って行ってほしいと思います。そして今年は、踏ん張って踏ん張っていた大ベテラン力士が、相次いで土俵を去りました。安美錦、嘉風、豪風。。。。。横綱、大関にはなれませんでしたが、まさに大相撲の看板力士であった3力士。本当に彼らの相撲が見られなくなるのは、寂しいことです。みんな親方として相撲の発展に今後も尽くすという事なので、頑張ってほしいと思います。大相撲も今年は、世代交代の年になったと、捉えることもできますね。 


≪第9位≫  マラソンMGC初開催 中村、服部勇馬がオリンピックへ。

 マラソンは東京五輪の代表を決めるMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ)が9月に行われました。代表候補すべてが一つの大会に集まるという一発勝負のこの試み、まさに時代が求めていたものだと思います。これまで何かと選考基準のあいまいさからもめていたオリンピックのマラソン代表。日本のマラソンが強いがゆえに、繰り返されてきた負の歴史に完全にピリオドを打つ制度となりました。そして開催されたMGC。男子では設楽悠太が超絶に飛ばしてレースを引っ張りましたが、気温が高かったこともあり30キロ過ぎに失速。じっと勝負の機会をうかがっていた中村匠吾、服部勇馬、大迫傑の3人が最後に抜け出しつばぜり合いは最後まで続きました。その結果、中村が優勝、服部が2位でこの時点で東京五輪切符をゲット。大迫は3位で仮決定となりましたが、まず3枚目の切符は間違いないと思っています。「箱根のスーパーランナー」であった3人がJAPANのユニフォームを着てオリンピックで疾走。。。。。ワクワクしますねえ。(まあ、開催地が東京でなくなりましたから、目の前で見ることはなくなってしまいましたが。)

 

≪第8位≫  セ・リーグ覇者は原巨人。しかし日本シリーズではSBに4タテを喫す。パ・リーグは西武が制覇もCSはSBが4タテで制す

 今年のプロ野球は、セ・リーグでは原巨人がVを達成。パ・リーグでは西武が連覇を達成しました。しかしながら、『日本シリーズに勝ったチームが一番強いのさ』と10月から一気にまくってきたパ・リーグ2位のSBが、2年連続でCS、日本シリーズを何と全勝で駆け抜けて、3年連続の日本一に輝きました。SBの10月、本当に強かった!まさに「勝負にならない」という言葉がぴったりな短期決戦。西武の山賊打線も、巨人の阿部も菅野も、まったく歯牙にもかけられず敗れ去りました。来年はどうなっていくんでしょうかね。こんなに強いんなら、SBはペナントレースから本気出してよ~。ぬか喜びさせないでよ~。そんな嘆きを、2年連続でCSでボコボコにされた西武ファンは、感じていたりします。(CS制度、はんた~い。なんて、とりあえず悔しいので、叫んでみました。本当はまあ、決まったことは仕方ないというのがスタンスなんですがね。)          


≪第7位≫ 八村 NBAドラフト1位の快挙&ルーキーで活躍

 さほど書けることもないのですが、八村選手のNBA1巡目指名と、その後の活躍は痛快ですね。長くアメリカの4大スポーツを見てきて、最も日本人が活躍する可能性が低いと思っていたのがこのNBA。ゴンザガ大で活躍する八村選手のことは知ってはいました(実は知り合いがこの大学の出身で、コーフンして何度か話してくれたことがあるので)が、ここまですごい選手だとは思いませんでした。なんというか、八村選手を見るワタシの目は、何というか子供の時のヒーローを見るような目ですかね。とても足を踏み入れられない世界で活躍する選手って感じです。まだ今はルーキーシーズンですから、活躍したりしなかったりという所ですが、ゆくゆくはオールスターに出るとか、NBAファイナルで活躍するとか、そんな姿を見たいと思っています。NBA、身近なDAZNでやってくれよ~。NHKのBSじゃあ、手元じゃ見られないし。。。通勤しながら見るスポーツが増えると、退屈しないんだけどなあ。。。頑張れ~八村! 

 

≪第6位≫  佐々木朗希 登板回避で議論広がる投球制限。

 今年4月、U-18ジャパンの合宿で、かねてから「ものすごい投手」として名前が挙がっていた大船渡の佐々木朗希投手が、163キロをたたき出し、その瞬間から今年の高校野球界における「佐々木フィーバー」が始まりました。「大谷並の素材」と言われたその佐々木が所属するのは県立の大船渡高校。甲子園出場経験はあるものの、決して県の上位校ではなく、佐々木の八面六臂の大活躍なくば、甲子園には到達できないだろうといわれていました。しかしその能力は、いまだかつて高校野球界には現れた事がないほどのもの。夏を迎えるにあたり、全国のファンが「夏は甲子園で、佐々木が見たい」と思っていたと思います。そしてそれは強い圧力となって、佐々木に、そして大船渡高校の肩にのしかかっていきました。迎えた夏の大会。大船渡の監督は、何とか佐々木に無理させずこの大会を終え、あわよくば甲子園・・・・・という考え方だったと思います。しかし高校球児みんなが乾坤一擲のプレーをする「目指すべき大会」である夏の甲子園の予選が、目論見通り行こうはずもありません。大船渡は準々決勝で延長の大苦戦。その時に佐々木は延長を投げぬいて、しかも延長で決勝の2ランを叩き込み自ら試合を決めるというヒーローぶり、そして決勝に進出、あの大谷の母校である花巻東と対戦しました。しかしこの試合で、大船渡の監督は佐々木を登板させず。結果花巻東が大差で大船渡を破り甲子園へ、佐々木の高校野球生活はこの時に終わりを告げたのでした。このことによって、マスコミを中心とした世間はまさに侃々諤々。賛否入り乱れて、しばらくこの喧騒はやむことはありませんでした。ワタシは、いろいろあってもチーム、そして監督が決断したこと。何も事情が分からないので、何にも言うことはできないというスタンスです。この佐々木の登板回避をきっかけとして、高校野球における投手の投球制限について、議論がなされるようになりました。いずれの結論になるにせよ、議論のテーブルに載るというのは、いいことだと思います。秋には国会でも取り上げられることとなり、来春の選抜からは1週間500球以内という、投手の球数制限も課されるという事が決まったようです。まあワタシは、高校野球については、主催しているところの利権が絡んでいるのが明白なので、「プレーヤーズファースト」というのであれば、とにかく日程を柔軟に立てて運用する、これに尽きるのではないかと思っています。「準決勝と決勝を翌週の週末にする」これだけで、ほとんどの問題は解決すると思われます。しかし佐々木投手が図らずも提起したこの問題、後年になって、佐々木投手がいまの大谷選手のようにスーパースターとなって、「あのとき佐々木が問題を提起したんだよね~」と語られるようになるとまた、高校野球史の1ページとなるんですがねえ。佐々木クンには、頑張って超一流になってほしいと、思っています。高校野球オヤジからの、お願いです。

 

≪第5位≫  星稜奥川の超絶なピッチング 履正社が初V 高校野球夏の大会

 さて、また高校野球ネタです。まあ、「高校野球オヤジ」ですから、ご勘弁を。今年の夏の甲子園大会は101回大会という事もあって盛り上がりがどうなのかと心配しましたが、今や大会自体がフェスと化してしまっているので、そんな心配は一切ご無用・・・・・って感じでした。今年の大会を盛り上げたのは、やはり何と言っても星稜の奥川投手でしたね。「高校ビッグ4」なんていわれてその他の投手たちといつも比べられる存在だったこの学年ですが、結局のところこの奥川投手だけが安定して甲子園に登場し続け、自分のポテンシャルを全国に披露することが出来ましたね。4季連続の甲子園出場、そしてその最後の甲子園で、彼は輝きを放ちました。決勝こそ打ち込まれましたが、それまでの試合で見せた超絶な投球はまさに大会の華。特に3回戦の智辯和歌山戦で見せた「高校野球史に残る極上のピッチング」は、見事なものでした。それまで猛威を振るっていた優勝候補の智辯和歌山の猛打線に対し、奥川は本当に「すべての球を自由自在に操れる」という能力を見せつけたと思います。速球は150キロを優に超え、スライダーは高校生ではとても手が出ない曲がり方をする。。。。。。そんな極上の球を、寸分たがわぬ精度で内外角に投げ分ける能力・・・・・・見事という言葉を通り越して、ずっとその投球に見入っちゃいましたね。タイブレークに持ち込まれても、相手にはバントすら決めさせず、「まさにお手上げ」という感じにさせた奥川のこの日の投球、実際現地で見ていたファンはどんな印象を持ったのでしょうかね。14イニング23三振。あの智辯和歌山相手に。もうあんなピッチング、甲子園で見られることはないんだろうな。(奥川君という事ではなく、高校野球で・・・・・という事)その奧川くんのピッチングの印象があまりにすごすぎて、申し訳ないのですが履正社の初優勝に対するイメージが、本当に薄くなってしまっているワタシです。奥川に始まり、奥川に終わった。。また、決勝で敗れてしまうという所が、高校野球オヤジの琴線を、いたくくすぐるんだなあ。。。。甲子園は面白いところで、優勝より準優勝チームの方が、心に残る場所であったりもするんですね。古くは三沢高校の太田幸から始まって、なぜだか決勝で負けたチーム、そしてそのチームを引っ張り上げてきたエースについては、心に残る選手ってことが多いですね。日本人の心に宿る「敗者の美学」というものに、大きく関係しているんではないかとも思うんですがね。それから、コンプライアンスもあったりして息苦しいことこの上ない世の中になって高校野球の監督さんのキャラクターも変容している昨今で、久しぶりににやにやしながら見られる監督、明石商の狭間監督の活躍を見られたことも、なんだか楽しいことでした。やっぱりああいう“熱さ”は、若者を指導するうえでは絶対に必要なんじゃないかな?そう思ったりしています。いずれにしても、今年も楽しいことこの上なかった夏の甲子園。この『世界最高のトーナメント大会』が時代が移り変わっても「甲子園で」行われ続けることは、願ってやみません。                                    


≪第4位≫  渋野日向子 全英女子オープンを制覇  そしてシブ子フィーバー

 上に掲げた6位、5位のトピックについては口角泡を飛ばしながらいろいろ言えるワタシですが、この4位のトピックスについては、あまり語る言葉を持っていません。しかしながら、ものすごい快挙であることは事実なので、この順位にしてみました。「なんとなく応援したくなっちゃう」気のいいお姉ちゃんゴルファー、渋野日向子選手が全英女子オープンを勝ったと聞き、本当に驚きました。「爽やかな勝負師」という感じの渋野選手、前年の大坂選手が全米を優勝した時と同じぐらいの熱量で、「この人はこんな人」というのが洗いざらいつまびらかにされていましたね。岡山出身でRSK山陽放送所属なんて、なんだかそれだけで身近に感じてしまう存在です。(少し関係があるので。。)それにしても彼女のプレーは気っぷがいいと言おうか何と言おうか、素晴らしくワクワクさせてくれますね。土日の午後にゴルフを見る習慣はほとんどないワタシですが、松山英樹プロがPGAで優勝争いをしている時だけはチャンネルを合わせていました。しかしこの9月ぐらいからは、渋野が優勝に絡んでいる時は、なんだか自然にチャンネルを合わせたりしている自分を発見したりしています。LPGAでは賞金王争いを最後まで繰り広げてくれましたから、最後まで楽しめましたね。来年は東京オリンピックを目指すそうなので、霞が関のギャラリーとして、一度ぐらいは出かけてもいいなあ・・・・・なんて思ったりもしていて。。。。。嗚呼、もうすっかりやっていることは『シブ子ファン』じゃないですかあ。まいったなあ、気がついちゃったよ。 いずれにしても、2020年を飛躍の年にしてほしいですね。何やら2021年からはアメリカのLPGAツアーに本格参戦する予定だとも。。。。その方が面白いなあなんて、思ったりもしています。来年も頑張ってほしいですね。                              


≪第3位≫  ラグビーW杯 この幸せな大会の結末は、南アの優勝!

 とにかく幸せな時間でした。ラグビーワールドカップ日本大会。こんな幸せな時間になるなんて、大会前は思ってもいませんでした。昔からラグビーが好きだったとはいえ、見るのは主に大学ラグビーとトップリーグ、それから高校ラグビーのみ。ラグビーのW杯も、注目しているのは日本代表の戦いぶりで、その他で興味があるのは、オールブラックスぐらい。。。。。これがワタシの「ラグビー観戦史」でした。ということで、ワールドカップを最初から最後まで、しっかり各国にフォーカスしながら見たのはこれが初めてだったと思います。その感想は。。。。『ま~素晴らしい』これしかありません。世界の真剣勝負とは、これほどまでにすごいのか。それを実感しました。日本でラグビーのワールドカップが開催されることについては、招致が成功する少し前ぐらいから、期待していました。「ああ、日本でワールドカップ開催になったら、すげ~なあ」ということで、そのあたり、今22歳の息子が中学に入学したあたりですから、10年ぐらい前から日本ラグビー協会のファンクラブにも入会して、ずっとワールドカップの開幕を待っていました。(実は長いことファンクラブに入っていたら、チケットの優待販売なんてこともあるのかなあ・・・なんてスケベ心を持っていましたが、それはなかったですね、残念ながら。)そして開幕してからは、なんだか夢のような1か月半を過ごしてしまいました。ワールドカップという世界のラガーマンたちの「目指すべき大会」が開催されるという事の認識は持っていたのですが、何というかこのワールドカップを通じて、なんだかラグビーという競技、そして歴史、国々、そういった全ての『ラグビー』というものの持つ奥深さ、懐の広さ、そんなものに触れた気がして、すごくラグビーというものがより以上に好きになりましたね。まさにワタシも「にわかファン」の一人として数えられる、幸せな日を過ごさせてもらいました。観戦したのは準決勝のイングランドvsニュージーランド戦。忘れられない体験、光景・・・ずっと語り継げる素晴らしい”思い”をさせてもらいました。試合の結果は、まあ思ったようにはならなかったけれど、そんなことには代えられませんでしたね。多分オリンピックというのも、こういった思いになるんだろうなあ・・・・・それがワタシの今の思いです。そして決勝戦。南アフリカが、この群雄割拠の大会の最後を、素晴らしいフィジカルと気迫で締めてくれました。「ああ、日本も南アとあんなに早く、当たらなきゃなあ・・・・」は言いっこなし。素晴らしい大会の、素晴らしいチャンピオンとして、スプリングボクスは3度目の栄冠に輝きました。本当にさまざまな思いを残して、この素晴らしい大会は幕を閉じました。「一生に一度の体験」まさにその通り。まだワタシ、夢から覚めていない気がします。

 

≪第2位≫  井上尚弥 ボクシング史に残る激闘でドネア破りWBSS優勝!

 ラグビーワールドカップの興奮が冷めやらない11月7日、こちらもものすごい世界的なイベントが開催されました。それはボクシングの「団体を超えたその階級NO1を決める戦い」であるWBSSバンタム級決勝、井上尚弥vsノニト・ドネアの対戦でした。このWBSSという戦い、現在メジャー4団体あるボクシングの世界において『世界チャンピオン』が乱造されるに至って、「いったいどのボクサーが一番強いんだか、わかりゃしない」という中で開催される、「団体の枠を超えたキング オブ キングスを決める大会」と位置づけられ、それゆえにボクシングファンからは拍手喝さいを浴びた大会でした。バンタム級トーナメントにも4団体のうち3団体が参加、強豪がこぞって挑戦してきました。参加した8人は、どの選手も素晴らしいボクサーでしたが、特にWBAチャンピオンのの井上尚弥、WBO王者のテテ、IBF王者のロドリゲスにWBAスーパー王者のバーネット、そして5階級制覇の世界のビッグネーム、ノニト・ドネアが階級を落として参戦。まさに『チャンピオンだらけ』のトーナメントが開催されました。初戦は歴戦の勇者であり、難敵の元世界チャンピオン・パヤオが相手。そう簡単にはいかないのではと思っていると、1Rであっという間の一撃KO。世界にその力を見せつけて準決勝に進出した井上は、今度は舞台をイギリス・グラスゴーに移してIBF世界チャンピオンであるロドリゲスとの対戦に臨みました。初めての英国のリング、時ならぬボクシングブームに沸くイギリスのリングで、井上は「最大の難敵」と言われるロドリゲスをまたも2Rで一撃KO。最後、井上の強力なパンチをどてっ腹に受けたロドリゲス、試合前の強気一辺倒な姿はどこへやらの「助けてくれよ~」という弱気な表情でセコンド方向を見る姿に、世界が衝撃を受けました。このWBSSというビッグトーナメントで、井上は難敵に対して2試合でわずか3ラウンド、完膚なきまでに相手を叩きのめすKOで勝ち上がり、世界の注目を一身に集めました。そして迎えた決勝。舞台はさいたまスーパーアリーナ。相手は5階級制覇のレジェンドで、あのパッキャオにも引けを取らないほどのスーパーボクサーであるノニト・ドネア。舞台は本当にこれ以上ないぐらいに整いました。戦前の予想では、井上の前の試合でのKO勝ちがあまりにも衝撃的だったので、圧倒的に井上有利、しかも早い回でのKO決着というのがほとんどでした。しかし目の肥えたボクシングファンは、そんな中でもドネアの潜在能力、特にバンタムよりも2階級上で戦ってきた耐久力などに、不気味さを感じるコメントも散見され、試合前から異様な盛り上がりを見せていました。そしてゴング。井上は1R、ロドリゲス戦のようにしっかりと立ち上がって相手との距離の掴みもOK・・・・というような立ち上がりに見えました。誰しもが2,3RぐらいでのKO決着を予想したかもしれません。しかし、そこから戦いはまさに予期せぬ方向へ流れ出しました。2R中盤、いい動きをしていた井上の一瞬のスキを見逃さず、ドネアの強烈なパンチが井上の右瞼の上に炸裂。絶妙の距離感と素早い動きで「パンチをもらわない男」である井上が、デビュー以来初めてもらった強烈な一撃。これで初めて目の上をカットした井上。これで試合前に描いていたすべてのシナリオは崩れたようで、ここから本当に苦しい戦いになりました。ドネアの姿が二重にしか見えなくなったという井上は距離感を保てず、しかもカットがかなり深かったのでさらに一撃をもらうとそこでレフェリーストップで試合終了になってしまうという恐怖感もありました。早い回でのKO勝ちなんてとんでもない試合展開になり、厳しい攻防が続きましたが、それでも優位を保っていた井上が9Rついにドネアにとらえられました。強烈なパンチを1発、2発と浴びた井上は、我々が見たこともないような、クリンチでどうにか逃げるという姿を見せてしまいました。しかしこの劣勢のラウンドから、井上は我々に、やはり彼は並みのボクサーとは違うんだという事を、ファンをはじめ世界のボクシングを見る人たちに強烈に見せつけてくれました。「これはヤバい」という空気が漂い始めた10Rに、まさかの反撃を開始。猛烈に攻めて攻めてドネアを追いつめ再び主導権を奪うと、11Rには強烈無比のボディ一閃でドネアから初めてのダウンを奪いました。この瞬間、さいたまスーパーアリーナから発せられた映像は、世界中を駆け巡り、人々を興奮のるつぼに叩き込んだことは想像に難くありません。そして最終Rもすごいパンチの応酬の中逃げ切り判定で勝利。我々すべてのボクシングファンに「井上のストーリーにはまだ続きがある。いや、始まったばかりだ」ということを見せつけてくれる強烈なファイトの末、今年を締めくくってくれました。2020年の世界のボクシングファンの興味の中心に、井上尚弥が君臨するだろうことを予感させるファイトでした。 それにしても凄いファイトでした。日本のボクシング史に残る激闘であのドネアを倒し、さらなる高みへの旅路をスタートさせた井上。行く手にはどんなことが待ち構えているのでしょうか。ドネア戦でカットした右目をしっかり治して、これからの戦いに臨んでいってほしいと思いますね。2020年からは主戦場はついにアメリカへ。そして防衛ロードは、常にビッグマッチとなっていく可能性も高いですね。『日本が誇るチャンピオン』から『世界のパウンド フォー パウンド』へ。彼の戦いは、まだこれから始まるといっても過言ではないでしょう。12月23日には、アメリカのリング社から、9月のドネア戦を「年間最高試合」として表彰されることが決まりました。それほどのスーパーファイト、激闘だったという事です。PFPも3位で年を越します。いよいよ井上尚弥の『世界最強への道』が始まる予感をはらんだ、2019年の年の瀬となりました。本当に楽しみな井上尚弥の今後。12月には長女も生まれ、2児の父となったおとうちゃんボクサーは、やる気もMAXで腕を撫しているところでしょう。いつまでも日本のヒーローとして、大ブレークし続けてほしいと、そう思っています。                                                     

≪第1位≫  ラグビーW杯 日本 アイルランド撃破でベスト8へ 

第1位はこれしかないでしょう。ラグビーワールドカップでの、日本の大躍進、ベスト8進出です。待ちに待ったワールドカップ、しかも今回は地元日本開催。さらに言えば、前回のワールドカップで、日本代表は初めてその存在感を見せつけての3勝を挙げ、やっとラグビー強国とも渡り合えるようになってきたばかり。。。。。そんなポジティブなことばかりが頭の中を占めてはいたものの、頭の片隅には「今回はこっぴどくやられて、2015年はうたかたの夢だった・・・・なんてなってしまうかもしれない」という恐怖が宿っていたのは確かでした。前回のHCであるエディー・ジョーンズから、今回ジェイミー・ジョセフに代わって戦い方も一変、とにかくポゼッションラグビーで、ボールを保持し続けることに重点を置いた前回と違い、今回はキックを使って敵陣に入り込み、そこからアンストラクチャーの状態を作ってボールを奪取、前進し続けるという戦術に変化した日本代表の戦い方。やはり人間というものは成功体験を変えるのには抵抗があるようで、ワタシの中ではずっと「この戦術で果たしていいのか?」という事が渦巻いていました。準日本代表という位置づけで参戦し続けているスーパーラグビーのサンウルブスは、シーズンを重ねても状況は好転せず、負けて負けて・・・・という戦いを続けていましたので、その影響もあったのかもしれませんが。。。それでも代表戦は昨年来テストマッチで強豪に確実に競り合う試合を続けてきており、日本代表の戦力アップを実感しながら「何とかベスト8に滑り込め」という事で勝負の秋を迎えました。ワールドカップ前の最後のテストマッチは熊谷での南アフリカ戦。南アは強いとはいえ優勝候補の有力な・・・・・という所までは評価を上げていなかった大会前。その時点での対戦で、ワタシを含めた日本のファンは「あわよくば2015年の再現を」なんて能天気に願っていましたが、こっぴどくやられてしまって、「果たして大丈夫なのか」という疑心暗鬼がさらに広がっていくのを自分でも感じ取っていました。 そして迎えた9.20の開幕戦。このロシア戦に負けたら、いずれにしても「終わり」の日本代表。立ち上がり固さがみられて先制を許すと、前半はまさに苦しみの中で過ぎていきました。しかし後半立ち直った日本は逆転すると本来の姿を取り戻して30-10と快勝。好スタートを切りましたね。そして迎えた第2戦。相手はこのプールAの大本命であるアイルランド。大会開始時点でランキング世界1位のこの相手との試合は、ワタシも勝つという事をイメージできずに、「何とか7点差以内で勝ち点を取れないものか」とか考えていました。しかし、日本のラグビーは予想を完全に覆す素晴らしさを見せてくれました。出足鋭く突き刺さるタックルは、何度もアイルランドの突進を止め、前半を僅差で折り返すという絶好の試合展開。後半はまさに「日本のための試合」とでもいうべき素晴らしさで、福岡の待望のトライが決まって逆転すると、あとはもう、日本のいいところのみが目立つ完璧な試合ぶりで、最後はアイルランドが7点差以内敗戦のボーナス点を狙って勝利を諦めボールを外にけり出すというあり得ないような結末で終了。日本が世界の強国に見事ガチンコで勝った一戦となりました。夢を見ているのかと、何度もほほをたたいてしまうような素晴らしい戦いぶりに、コーフンしっぱなし、叫びっぱなしの80分でした。この試合で、日本国内のラグビー熱は上がりっぱなし。まさに猫も杓子も、ラグビーラグビーという感じになり迎えた第3戦もサモアに対して押しまくり、4トライのボーナス点をも奪い38-19で快勝。開幕3連勝でベスト8まで「あと1」となりました。迎える相手はスコットランド。前回のW杯、日本代表は3勝1敗ながら、その1敗を喫したスコットランドに8強進出の夢を阻まれたという因縁の相手。しかしこの強大な敵を迎える前に待っていたのは、自然という別の敵でした。日曜日の試合の前、金曜日の夜半から日本に近づいた台風19号の前に、関東地方はなす術なし。さすがのワールドカップも試合を中止せざるを得ないだろうという状況に陥りました。試合中止になれば日本は決勝トーナメント進出を決めますが、何か寝覚めの悪い進出となるなあ・・・・・と思っていたら、決勝トーナメント進出に後がないスコットランドが強烈にかみつき始めました。いわく、「プール戦最終の日本戦が行われなければ、大会組織委員会を訴える」と。気持ちはわかりますが、「それを言っちゃ~おしめ~よ」というお言葉。しかも、「試合さえやれば、我々は必ず日本なんぞには勝つのに」という上から目線バリバリのこの訴え、ワタシはすっごくムカついていたのですが、試合が始まるとそんなことはどこへやら。日本は最初から見事に試合を支配して、あの伝説の『オフロードパス3連発トライ』などもあって、あっという間にリードを広げていきました。「見たか~これが日本のチカラよ!」とワタシも試合をエンジョイしてご満悦でしたが、本当にアイルランド戦といいスコットランド戦といい、『日本ラグビーの夜明けじゃ~』というような見事な試合っぷりで4連勝。夢にまで見た決勝トーナメント、8強進出をあっさりと決めてくれたのでした。8強での南アフリカ戦は、これはもう、いいでしょう。この試合だって、日本代表は素晴らしい試合をしたと思いますよ。何しろ前半は3-5で折り返したんですから。多くのファンは、夢の続きを信じたことでしょう。しかし、南アはここからがすごかった。後半の南アは、本当に「慈悲もなし」という感じの強さを存分に見せて日本を蹂躙。最後は3-26と完敗となって、日本の夢舞台は終わりを告げました。最後はもう、南アのホンモノの強さに、口を開いてあ然としながら、立ち尽くしてしまった感じでした。まあ、その後の準決勝、決勝の強さを見るにつけ、「ああ、南アは本当に強かったんだなあ」と思わざるを得ませんでしたが、その時はやはりショックで立ち上がることが出来ませんでしたね。夢には終わりが待っていました。当たり前です。トーナメントですから。。。。いつか終わりは来るんです。しかし、「夢にはまだ、続きがあるんだ」と思わせてくれる、日本の戦い方でした。コーフン冷めやらぬ日本列島は、大会が終了しても延々とラグビーフィーバーが続き、12月の丸の内でのパレードで一つの終着点に到達しましたが、これから年明けにトップリーグが始まり、新たな日本のラグビーがスタートしていきます。本当にラッキーなことに、ジェイミー・ジョセフHCは彼のスタッフともども留任してくれるという事で、この8強進出のパッションそのままに、新たな時代へ進んでいけそうです。これからの日本ラグビーは、この現場での頑張りを、いかにこのワールドカップ期間中と同じように、我々ファンがサポートできるかにかかっていると思います。2011年、なでしこジャパンがサッカーW杯を制して日本列島は時ならぬ女子サッカーブームに沸きましたが、8年の時を経て今はそのパッションはどこかに飛んで行ってしまい、ブームは収束していきました。そしてそれと同時に、なでしこも国際大会で以前のように活躍できなくなって、今に至っています。ラグビーは絶対にその轍を踏んではいけないと思います。それでなくとも熱しやすく冷めやすい日本国民の間に、ブームを継続させるのは難しいことです。しかしながら、ラグビーというものの面白さを初めて知ったとコメントする国民が多く、新たなファンが開拓される寸前にまで来ていることも、事実です。協会も手ごたえは感じていると思います。代表チームはいつでも我々をコーフンさせてくれる試合を行い、それをファンが熱烈にサポートする。そんな好循環で回るようになると、「いつまでも強いラグビー日本代表」は維持されていくように思います。ハレの日を迎えた2019年の日本ラグビー界。これを根付かせるための取り組みが開始される2020年にも、大いに期待しています。しかし何と言っても、今年のスポーツ界はラグビーの年だった!!


  ということで、毎度のことですが1年の間には、実にいろいろとあるものですね。
 来年はいよいよオリンピックの年です。新国立競技場も見事に出来上がり、オープンイベントも行われました。これからここで、どんなスポーツのドラマが行われるのでしょうか。楽しみでなりません。
 
 内外に漂う不透明感。50年以上生きてきて、今ほど不安定な情勢は、かつてなかったという事だけは言えるでしょう。しかしそうした中で、スポーツのチカラは、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか。

ワタシのブログは12年目です。
去年も同じことを言いましたが、ブログというのはSNSの中ではかなりマイナーな分野になってきているのだなあと感じることが少なくありません。ツイッターやインスタなど、短文の速報性が受ける時代という事が言えると思っています。
しかしワタシはこのブログというもの、そして書くという事がが好きなので、
来年もまだまだ続けて行こうかなあと思っているところです。

スポーツだけにフォーカスしているこのブログも、
通算で書いた記事の数は3000を超えています。
初期に書いたことと今書いていること、
微妙に見解が違うんだなア・・・・・・なんて、自分で思ったりすることも多いですね。

今年は「いだてん オリンピック噺」がNHKの大河ドラマで放送されましたが、
全く人気にならず、
ずっと視聴率も最低を更新し続けました。
時代は変わっていてテレビの視聴率なんてあがらないものだという事はわかってはいても、
『何でかなあ』と思わないでもありませんでした。

オリンピックをこの国で何とか開催しようとずっと奮闘してきた嘉納治五郎であり、金栗四三であり、
たくさんの人々たち。
彼らのいろいろな思いがあって、
今のこの国のスポーツの基礎が作られたのかと思って、
何度か涙しながら見たりしていました。

そしてビッグイベントを自国で開催するという事の幸せ、
ラグビーのワールドカップで、
ものすごく感じることが出来ました。
そういう意味でも、今年はとても幸せな年だったのではないかと思っています。

さあ、いよいよ来年は2度目の東京オリンピックが開かれます。
いったいどんなオリンピックになるのかなあ。。。。。

は~楽しみですねえ。

来年もやっぱり、
たくさんコーフンを隠し切れずに、
PCに文字をたたきつけられると嬉しいなあ。。。。
そんなことを思う年の瀬です。

スポーツのチカラ

変わらず今年もこの言葉がワタシのキーワード。
来年もこの言葉を、ワタシは信じてやみませんし、
来年はもっとすごいことになるかもしれませんね。

それでは穏やかでよい年の瀬を。


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