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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

異例の大盤振る舞い。 西武が選手流失回避に、必死の防衛策か。

2019年12月05日 | プロ野球

プロ野球は契約更改の季節。

活躍した選手には楽しみな季節ですが、
活躍できなかった選手やベテラン選手、2軍の選手たちには、
なかなかシビアな季節でもあります。

まあ、
他人の財布の中身ですから、
別に気にしないでいいっちゃ~いいんですが、
契約更改のニュースはプロ野球のファンにとっては昔から注目の的であることに変わりはありません。

ファンは自分がお金を出すわけでもないのに(語弊がないように言っておきますが、間接的にはファンが支払ったチケット代やらの様々なお金が使われているのは自明の理ですが、それは言いっこなしという事で。。。。。)、
もっと出せやら出しすぎだやら、
かしましい”議論”が巻き起こります。

大型契約をしていながら結果が残せなかった選手については、
そりゃ~厳しいもんです、ファンの目は。

まあしかし、
ファンにとって思うところはただ一つ。
応援してきた自チームの選手が、
これからも「我がチーム」で活躍してくれること。
言ってみればそれこそが唯一の「望み」であることは間違いありません。

逆にどんどん選手が契約を更新せずに他チームへ移ってしまうとなると、
何だかまんじりともしない心境にさせられるってことです。

そういった観点から考えると、
FAが始まり、そして新世紀に突入以降、
本当に「選手を取られっぱなし」になってしまっていたのは、
西武を筆頭に、広島、日ハム、ヤクルトってところでしょうか。

DeNAは横浜時代には上に上げた4チームよりもひどいチーム状況、財務状況でしたが、
今は親会社が変わってガラッとチーム状況も変化。
今やプロ野球有数の「持てる球団」になっています。

80年代~90年代のいわゆる「黄金時代」、
西武は堤オーナーの号令の下、
「信賞必罰」が貫かれ、
「ゼニはグラウンドに落ちている」とのスローガン(?)の下、
とにかく選手の年俸は高かった。

堤オーナーは、
「プロ野球の選手が、CMやら副業で収入を得る」という事を良しとせず、
その代わり潤沢な資金を投入した年俸で、
十分に選手の要望に応えるという哲学の持ち主でした。

いまじゃあ信じられないことですが、
堤オーナーは球場の中やフェンスに広告を出すことは「美的感覚に沿わない」「そんなもの必要ない」ってことで、
球場ができてからしばらく、
西武球場には広告は全くないという時代が続きました。

野球チームは野球で稼げ!!!そんなことが徹底されていたと記憶にあります。


そしてチームそのものにも、
「強くなるためには資金を惜しむな」
と大号令をかけ、
時に強引な手法も交えながら、
根本管理部長野本チームを強化して黄金時代を作り上げたものです。

時代が違うといってしまえばその通りですが、
西武ライオンズが2000年以降凋落傾向にあったのは、
ひとえにそういったチーム哲学が全く雲散霧消して守られなくなってしまったというのも大きな要因のひとつだな、
そんな風にワタシは思っています。

そして80年代から勝てども勝てどもチームの人気は出ない(頭打ち)、
そしていつまでたっても何もかにもが巨人中心というプロ野球自体の体質というものに対し、
堤氏自身がチームの経営に情熱を失ったということが端緒ではあります。

そしてその後、
その堤氏がグループの中で実験を失いグループそのものが羅針盤を失ったように漂って、
サーベラスなるファンド企業に実権を握られるに至り、
チームは何一つ自ら決めることが出来ない状況に追い込まれて行って、
その間にこれまで30年にわたり積み上げたすべての「ノウハウ」「強み」というものを失い、
プロ野球球団として存続はしているもののすべてにお寒い状況が続いて・・・・・。

それが西武の2000年以降の姿といって良いでしょう。

もちろん選手の獲得、
年俸の引き上げなどもすべてが後手後手に回って、
新たにプロ野球界に参入してきた企業や大胆な変革で浮上してきた他球団を横目に、
ファンド系企業に実権を握られ使う金も絞りに絞られ、
10年一日のごとき古い体質のまま2010年代中盤までやってきてしまっていた状況でした。

本来であれば「緊縮」をうたうプロスポーツ球団を応援する”義理”なんて全くファンにはないのですが、
それでも『惚れた弱み』でいつまでもだらだらと応援し続けてしまう・・・・・・という悲しいファンのサガ。

もう年々、
この時代を謳歌するSB、
次々新機軸を出し続ける日ハム、
潤沢な資金を利用して覇権を狙う楽天。。。。。

それらの球団にいいように蹂躙されながら、
細々と「球団だけは手放さないぞ~」と、
あの山奥の「どんだけこんなところのこの建物に資産価値あんのよ~」
という”半ドーム球場”で粛々と試合を続けてきた。。。。。。
そんなイメージの球団と化していました。

しかも「チームの顔」の選手たちは、
FA権を取るや否や、
すぐさま「は~い、俺も、俺も」と「他球団の評価がききたい」という決まり文句を残して、
後ろ足で砂をかけながら去っていきました。

球団は「FA取る前に、ポスティングを希望するなら、相談に乗りまっせ」とものわかりのいい顔を見せて送り出し、
「その代わり戻ってくるときは、わが球団に最初に声をかけてね~」
というもののそんなこと当の選手には馬耳東風。

MLBに飽きて(??)戻ってきた選手たちは、
西武が元居た球団だってことなんて完全に忘れてしまったかのように、
入団交渉では歯牙にもかけられなかった。。。。。。
という歴史も、
このところ積み重ねられていました。


しかし。。


さすがの西武Gも、
「これじゃあいかんだろう」
と思い出したのがサーベラスと事実上決別した2014年を経ての2015年か16年ごろ?

そこから「観客、ファンに目を向けた球団経営」というものがようやく表れ始めたように思います。
そもそも数十年も昔から、
西武という企業は大財閥(?)然とした企業で潤沢に資金を持ち、
マスコミに「時代の寵児」と持ち上げられて「高感度のものは西武から」といわれていたものの、
基本的にその目は「お客さん」の方に向くことはなく、
どんな場面でも木で鼻をくくったような対応をされる企業・・・・
そんな感じでとらえられていたと思います。

ワタシも「な~ンも考えていない」中高生のころは、
新しくできた西武ライオンズという球団を、
なんだかとても清潔感のある、応援しがいのあるチームだと思ってみていましたが、
社会人になってみるとちょっと別の感情も沸いてきたり。。。。。
もちろんチームの事ではないですが。。。。

そんな感情を持って眺めていましたから、
2000年以降の歩みについては「さもありなん」と思っていましたし、
「ひょっとしたら、親会社が変わるかも」
という期待感もなかったとは言えません。

そういう意味では、
アメリカのプロスポーツはいいですよね。
チーム名に都市名がついていて企業名がついていないので、
オーナーが変わろう何しようが、
チームは変わりませんもんねえ。

まあ、
移転することはよくあるけども。

諸々のものに改革を施し、
チームが変革してきたことをうかがわせてくれました。

しかしながら、
最後まで手を付けられなかったのは「選手をどう確保していくかということ」。

そこに手を付けなければ、
ファンはそのうち離れていってしまいます。

「いくらなんでもおかしいだろう」
というぐらい毎年訪れる「チームの柱の選手の移籍」。

最初のうち、
松井稼頭央やら和田やら松坂やら、
彼らが移籍した2000年代初旬~中旬ぐらいまでは、
そんな主力選手が移籍することがファンの間でも大ニュースになりました。

が、

今やもう恒例行事となっているために、
『またか』を通り越して、
ファンはみんなFAカレンダーを頭の中に持っていて、
「◎◎は来年FAだから出ていくだろうし…〇〇は再来年かあ、そのポジションの選手、取っておかなきゃ」
なんて、
すでに出ることが前提として語られています。

そしてこれも恒例行事なんですが、
「来年FA権を取る」選手たちが複数年契約を断って「自分は単年で勝負」という記事を見ると、
「ああ、来年確実にこいつは出ていくな」
って気にすらなるんですよね。

ここ3年だって、
ほら、浅村、秋山、そして増田。。。。。

何だかワタシも頭の中で「オフには出ていく選手」ってレッテル貼っちゃうもんで、
なんだかその年その選手を真剣には応援できないんですよね、実際。

来年は増田も気を入れて応援できないかな?
残る選手に抑えのポジションを任せろ・・・・・なんて思っちゃいますから、健全な思考ではないです。

 

しかしそんな西武ですが、
ようやく球団が黒字化したのを機に(?)、
今年のオフは大盤振る舞いをしています。

ワタシとして一番うれしかったニュースは、
金子が4年契約を結んでくれたこと。
彼がフランチャイズプレーヤーへの道を歩みだしたということで、
応援にも力が入ります。

プレーヤーとしての彼は正直まだまだの選手ですが、
一皮むけてくれると本当にありがたいですね。

それから中村剛也がド~ンと昇給したのもうれしかった。
来季の年俸は3億5000万円です。
そして源田も大幅アップ、
極めつけは森友哉の2億円更改です。

主力選手の活躍に、
年俸で応える。
これこそが健全に球団経営をする第一歩。
そこに踏み出した西武という球団、
ようやくプロ球団としての復権の第一歩を示したということが言えるのではないでしょうか。


ずるずると球団経営が縮小していく。。。。。。

そんな経緯はワタシ、
昔ファンだったサッカーのベルディで、
さんざん見てきていますからね。
同じ姿をここ10年来西武に重ねていましたが、
ようやく脱出できる気もしてきましたね。

黄金時代。。。。。

まだまだ復活とは言えませんが、
選手を育て上げるノウハウはまだ手放していない西武という球団、
これからがちょっとだけ期待できる姿を見せ始めているという事ですね。



まあ、
ワタシは西武ライオンズには、
ある意味MLBの球団のようになってもいいのではと思ったこともあります。

そのココロは、
FAなどで選手は9年経ったら確実にこのチームから出るという事を前提としてチーム作りをするという事。
ひとり、ふたりのフランチャイズプレーヤーだけを残して、
後は若い選手+FAに積極的に参加して穴を埋めるという事を断行するチームになるということ。

なかなかFAの移籍が活発なMLBと比較すると難しいこともありますが、
今までのように「散々出ていかれるのに、自分からFAに参加して選手を取りにはいかない」というのでは、
チームは弱体化するばかりですから。
要するに「開き直っちゃえば、いいじゃん」ってことです。


まあでも、
栗山さん、中村さんのように、
「このチームが好きだから、最後までこのチームで」
といってくれるプレーヤーもいますからね、少ないけど。

という事で、
ちょっと変わってきた西武ライオンズという球団を、
多分来年も気イ入れて、
応援していくことになるんじゃないかと、
そう思っているわけです。

一年中グチりながら、ね。

 


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