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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

『高校野球』 特待生制度 条件付で維持

2010年12月09日 | 高校野球
高校野球と特待生制度。
今では切り離せないものになっています。

3年ほど前、
『アマチュア野球と金』が大きな問題に発展し、
その余波が高校野球にもかぶってきました。

おかげで現場は大混乱。
実態調査をしたところ、
ほとんどの『有力校』は特待生制度を使って選手をリクルーティングしていたということが発覚。
高野連はこの報告を受け、
『特待生制度を利用した入学者は、1校5名までとする』
という暫定的な措置を通達し、
数年間様子を見るということで決着をつけました。

そして今回、
その高野連が設定した暫定期間が過ぎて、
本格的に『制度』として特待生問題をどう扱っていくかということが議論されたようです。

そして出てきたのは、
暫定期間と同じ措置でした。
『特待生制度自体は認める。ただし1校1学年5名程度が望ましい』
というもの。

各校としては、
とりあえず特待生制度に高野連の『お墨付き』が出たということで、
ほっと胸をなでおろしているところでしょう。

問題点を多くはらむ制度とはいえ、
現状には即した『採決』と言えるのではないでしょうか。

そもそも特待生制度というのは、
どこの学校でも『学力やスポーツに秀でた優秀な生徒を自校に勧誘するため』に行っている制度で、野球だけに限らず運用されており、別に珍しいことでも何でもありません。

これだけボーダレスな社会になって、
日本中どこに行くにも2~3時間あれば行くようになった現代においては、
学生の側でも学校選びの選択肢が広がっていくのは当たり前。
『自宅から通える』学校のみを選択するという時代ではありません。

『学校選択の自由』
それは等しくどの学生にも与えられる自由であり、
それを阻害することは、まかりならんでしょう。

【特待生制度】がマスコミというフィルターを通して語られるとき、
”(上記の)こういったことが問題である”という風に語られるから、
物事の本質が見えにくくなってしまいます。

学校側は、
野球が得意な生徒を特待生として獲りたい。
学生側は、
甲子園に行きたいので、それが狙える学校に行きたい。

この両者のニーズが合致して、
特待生制度は維持されてきたといえるのですよね。

問題のまず1点目は、
特待生制度を過度に運用しすぎた学校があって、
その学校が地元の代表として甲子園に出てくるため、
地元の人たちから応援されない、ということ。

【甲子園の高校野球】が日本の文化だと論じ、
そこを破壊させるような制度を慎むべき、
という論点。

これはお互い言っている事はわかります。

学校や学生は、
【学校選びの自由】から特に問題ないと考え、
世間一般の論調は、
【ふるさと論】がムクムクと顔を出してきます。

どっちもどっちなんですが、
このあたりは運用を考えれば解決する問題だと思います。


しかし、
最も大きい問題は、
2点目です。

これまでの歴史を踏まえた高校野球では、
『あっちにうまい選手がいる』といえば監督やコーチ、OBが駆けずり回り、
『こっちに素晴らしい選手がいる』といえば学校関係者が駆けずり回る・・・・・・
選手獲得には、
そんなことが長いこと続いていたんだと思います。

近年までは、
学校選びはあくまでも自由なのですから、
最終的には選手がいきたい学校を選択すればいい、というスタンスだったでしょう。

しかし昨今は、
昔のような訳には行きません。

そもそも、
甲子園を目指すような選手は、
ごく一部の例外を除いて、
小中学校時代、必ず硬式、軟式の野球チームで腕を磨いています。

もちろんその(小中)時代に全国で活躍する有力チームとか、
地域で活躍するチームなどが当然出てきます。

当然そこには、目に付くいい選手も数多生まれてくるわけです。

そのいい選手たちが早いうちから囲い込まれ、
高校進学に際しての条件を提示され、
「○○高校ならば特待生だから甲子園を狙える以上に、
 タダで高校3年間通えますよ。
 私がそこまでの労を取りましょう・・・・・・。」
と、ささやかれるわけだ。(本人のみならず、親にも。そしてチームの監督にも)


そこにやにわに介在して来る人たちというのが、
そう、高校野球ブローカーと呼ばれるような人たちなんだよね。

こういった人たちが野球選手の中学校⇒高校への進路決定に深くかかわってくるから、
本来単純なはずの一直線の道はどんどん歪んでいってしまう、
という訳なんですね。

一部の有力選手の周りには、
雨後のタケノコのようにそういう人たちが群がってきて、
あれやこれやと世話を焼く。

まあ言ってみれば、
プロのスカウトのようなものなんですが、
プロのスカウトと違うところは、
『彼らは所属する場所がない』というところ。
要するに、選手を送り込むことで報酬を得ているというわけです。
それを生業にしているって事ですよ。

だから選手をとある学校に送り込んだ際には、
当たり前のように”心づけ”(あるいはコンサルティングフィーとでも言うのかな?)がはびこり、
これが『特待生制度』と密接に結びついて、
中学生の野球選手のリクルーティングに札束が飛び交う、
という話になるのですね。

どの登場人物も、
金でがんじがらめというわけさ。

このあたりは、
『高校野球裏ビジネス』という著作などに詳しいところですが、
【好選手の囲い込み】はここまできているのか、
と暗澹たる気分にさせられます。

まあ、
中学硬式野球の好選手たちは、
やはり高校でも実績を残しているケースが圧倒的に多いですからね。
そしてより金を突っ込んだと思われている学校は、
やはり甲子園という果実を手にしているケースも多いのでしょう。
学校にとってみれば、、
甲子園に出ることは、
数千万円の広告費をかけるぐらいの効果があるでしょうからね。
(この少子化の時代。そりゃあ存亡の危機に陥っている学校は、がんばるさ。)

今年の秋季大会、
とある県の創部間もないチームが、
1年生だけのチームで地区大会を駆け上がり、
大活躍をしました。

新聞や雑誌などは『1年目での快挙』などと持ち上げますが、
ワタシはまったくそうは思わないですね。
そりゃあ、素晴らしいグラウンドを作った上でそこらじゅうの選手をかき集め、
更に『勝ちに特化した』監督を据えれば、(あとはちょっとしたラッキーでもあれば)
こういう結果は導き出せるのですよ。
あったり前の話なんですなあ。

これが『特待生問題』の本質なんです。

なりふり構わず金を出す学校。
無論『経営努力』と言ってしまえばそうなのですが、
このあたりを嫌い一掃したいというのが、
高野連の真の狙いなんですよね。

だから、
『高野連が特待生を禁止にすしたり、人数制限をかけるなんていうのは時代錯誤もはなはだしく、とんでもない話だ』
なんていうマスコミの論評を見ると、
『取材してこの問題の本質はわかっているはずなのに、本質を隠してオブラートをかぶせて反対の論陣を張る。これってどういうこと?』
といつも思ってしまうんですよね。

支離滅裂な文章となってしまいましたが、(書いている自分が、とんでもないひどい文章だなと思います。恥ずかしい!)
ワタシはこの問題に対しては、
こう考えているんです。

『中学生本人が本当に行きたいと言った学校には、特待生であろうがなかろうが、家から近かろうが遠かろうが、行かせてやれ!そんなのは学校選択の自由だ!』

『ただし、ルールを逸脱した上に金で選手をかき集めるような学校は、一定のルールを使って対応すべし。』

『ブローカー的な動きをしている人間は、高野連がブラックリストでも作って、(高校野球の世界に出入り禁止などの)対応をしろ!』


3番目は、具体的には、選手集めに金銭の授受などが起こっていたことが判明したり、ブローカーとの不明瞭な金銭授受などが行われた(形跡がある)場合などは、その学校は出場停止処分にする、など。
出場停止は、何も選手や監督などが問題を起こしたときのみならず、学校が起こしたときもその対象に加えるべし。
そうすることで、企業におけるコンプライアンスと同じ効果を狙うべし。
『高校野球の裏ビジネス』を排除するための具体的な方針を出すべし。


勉強が出来るやつは、勉強で特待生になるんだ!
野球が出来るやつが、野球で特待生になってどこが悪い!
基本的にはこう思いますがね。


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