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第98回全国高校野球選手権大会  予選展望Vol2 ≪九州2(北部)≫

2016年06月21日 | 高校野球

≪第98回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望2 九州(北部) -




【福岡】(参加134校)
九州屈指の大激戦区は、好投手の宝庫。春の九州大会決勝カード、西短と福大大濠が本命に挙がる。。 

◎ 西日本短大付 福岡大大濠 
〇 九産大九産 九州国際大付 福岡工大城東 
△ 九産大九州 飯塚 自由が丘 東筑 東海大福岡  
▲ 小倉 門司学園 祐誠

出場校数も多く、勝ち上がっていくのがかなり大変な大会だ。その証拠に、新世紀に突入してからは夏の連覇を成し遂げたチームは、昨年の九州国際大付がはじめてだった。そんな大激戦が繰り広げられる例年通りに、今年も大激戦が予想される。そしてそのレベルは、九州で最も高いといえよう。春の九州大会決勝では、福岡大大濠と西日本短大付が決勝を争い、福岡大大濠が優勝を飾った。選手層の熱いこの両校が、夏も覇権争いのトップを占める。福岡大大濠はエース濱地の右腕がチームの中心。プロも注目する140キロ超の速球が武器で、神村学園、糸満と他県の名うての強打線に対して一歩も引かない投球を見せ、自信をつけた。一方の西日本短大付。九州大会の決勝では屈したが、その前の県大会では技巧派の谷口が1失点完投で福岡大大濠を破っており、こちらも守りには自信を持つ。そして毎年ドラフト級の剛腕を輩出する福岡県球界で『今年のNO1』といわれているのが、九産大九産の梅野だ。150キロ級の剛球を投げ込む姿はピカイチだが、梅野に頼らざるを得ないところがややチームとしての泣き所。この3チームはいずれも投手を中心にしっかり守れる好チームだが、3連覇を狙う九州国際大付や九産大九州は伝統の打力に自信を持っている。このところ甲子園にも顔を見せる飯塚や自由が丘も、夏にはしっかりと仕上げてくるチームだけに怖い。東海大五から校名変更の東海大福岡や、東筑・小倉といった県内有数の名門文武両道校の巻き返しにも注目が集まっている。



【佐賀】(参加41校)
佐賀商・龍谷・佐賀学園・佐賀北。甲子園常連の4強が激しく覇権を争う。

◎ 佐賀商
〇 龍谷   
△ 佐賀学園 佐賀北
▲ 神埼清明 鳥栖工 鹿島 鹿島実 佐賀東 

昨年は春の九州大会で優勝を飾った龍谷が、勢いそのままに頂点へと駆け上がった大会だった。過去3年間、夏の大会の決勝はいずれも延長に持ち込まれる大激戦。他を圧倒するチームではなく、勢いに乗ったチームが大激戦を制して甲子園へ、という流れが確立している大会だ。今年は新チーム結成以来、佐賀商が秋春連覇を達成しているものの、その佐賀商とて九州大会ではほとんど実績を残していない。実力的に他を圧倒しているわけでは決してなく、どこのチームにもチャンスは転がっている。その佐賀商だが、打線の破壊力は県内屈指。しかし他県との試合での負けパターンでは、投手陣が必ず崩れての負け方が続いており、盤石なチーム状態とはいいがたい。そのスキを突きたいのは、連覇を狙う龍谷。この1年≪佐賀商の壁≫に阻まれ続けてきたが、昨年のチームのように粘り強いチームカラーを発揮すれば十分に対抗できる力は持つ。名門の佐賀学園は、2枚揃える投手陣が自慢。全国のファンにとっては”あの”という枕詞の付く佐賀北は、2年ぶりの夏を狙う。あの夏のエースだった久保も教員として強化に一役買っており、今年もその動向からは目が離せない。この4校が4強を形成するが、追ってくる各校にもチャンスありの大会となりそうだ。秋準優勝の神埼清明は、総合力の高いチーム。鳥栖工、鳥栖商の鳥栖勢の巻き返しも楽しみだ。佐賀東のジャンボ右腕・福島の投球にも注目。



【長崎】(参加57校)
実力派の長崎日大と選抜8強・海星のマッチレースか。 

◎ 長崎日大 海星 
〇 大村工 長崎総科大付 
△ 創成館 長崎南山 長崎商 
▲ 清峰 波佐見 佐世保実 九州文化学園  

名門ながらこのところ県大会を勝ちきれない年が続く長崎日大が、今年は自信をもってチームを底上げしてきた。左腕のエース馬場は、好投手を数多生み出してきた長崎日大の”エースの系譜”を継ぐ存在。切れのいい球筋は、相手打線に的を絞らせない。伝統の強力打線も仕上がってきており、候補の筆頭に躍り出てきた。一方選抜でセンセーションを巻き起こした海星は、その後投手陣が崩壊して苦しい時期を過ごしてきた。特にエース春田が選抜で痛めたひじの故障から復調しているかが最大のカギ。投手陣にめどさえ立てば、選抜で敦賀気比を破り準Vの高松商をあわてさせた集中打で一気に試合を決められる打線を持つだけに、一躍トップに躍り出ることは間違いない。この2強に割って入る1番手は、春の県大会を制した大村工か。初出場の九州大会では、選抜帰りの日南学園を堂々と寄り切り、優勝した福岡大大濠にも善戦した。打撃を中心軸に据えた全員野球のまとまった好チームだ。秋準優勝の長崎総科大付は、サッカーに続きたいと腕を撫す。昨夏の代表である創成館は、連覇のカギは投手陣の整備。春は九州大会出場で貴重な経験を積んだ長崎南山は、その経験を生かした夏にしたい。名門の清峰、波佐見は一発勝負の夏には強く要警戒。復活を期す佐世保実や、元プロ・古賀監督が指揮を執る九州文化学園の戦いぶりも楽しみだ。




【熊本】(参加63校)
震災の影響はいかに。鍛治舎ボーイズ・秀岳館の勢いに、九州学院が待ったをかけられるか。

◎ 秀岳館
〇 九州学院 熊本工 文徳
△ 東海大星翔 城北 必由館
▲ 専大玉名 ルーテル学院 熊本国府 

4月の熊本地震で、各チームは、夏への青写真を完全に白紙に戻さざるを得なかった。4月から5月にかけて、しっかりと練習できる環境になかった各校の選手たちは本当に大変だったと思うが、『野球をできる喜び』がいっぱいにあふれだすような、そんな素晴らしいプレーを期待している大会である。震災前の3月、熊本県のみならず全国に衝撃を与えたのが、鍛治舎巧監督率いる秀岳館。どっしりと落ち着いたたたずまいで、決して相手には合わせない野球で4強まで進出したこのチームは、従来の熊本県のチームの特徴である『荒々しく、爆発力のある』というカラーをことごとく覆すチームだった。この選抜を見たとき、ワタシは『熊本県の各校が、この秀岳館の登場でどのように変わるのか』ということに非常に興味をそそられた。『今年の夏の、最大の注目大会だ』と思った矢先の大震災。いったい今年の大会は、どのようになるのか。秀岳館は、中学ボーイズの関西地区などで勇名をはせた選手たちの集まりである秀岳館は、良くも悪くも『野球を隅々までよく知った』チームだということが感じられた。素材は一級品の集まりであるため、他校の追随を許さない。エース有村中心に4,5枚が常に戦闘態勢で構える投手陣、そして速い打球で完膚なきまでに相手を打ち崩す攻撃陣。力で言えば、大阪桐蔭などの全国レベルのチームを完全に凌駕している。あとは判官びいきが予想される県大会での戦い方ひとつだろう。昨年は春夏甲子園にたどり着いてその存在感を見せたのが九州学院。早くもドラフト候補にも挙がる2年生・村上や松下など、打線の破壊力は秀岳館にも引けを取らないほど。ただ、投手陣に一抹の不安を抱え、しかも熊本市内の学校敷地内での練習がままならなかった期間も長く、そのあたりが夏の戦いにどう響いてくるのか。伝統の熊本工は、むろん県内のオールドファンを中心に人気では群を抜くチーム。打倒秀岳館の気合もすごいものがあると思われ、高松商に続いて”名門復活”ののろしを上げる夏にしたいところ。その他5,6校にチャンスありの大会とみる。いずれにしても、これから数年は『秀岳館vs他校』という図式で語られるかもしれない熊本の高校球界。はたして、この伝統の野球県が、青森のような図式になってしまうのか否か。注目度は全国的に高い。




<了>


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