つい最近、8巻を入手しました。6巻まで出ていた時に出会い、続きを楽しみにしている唯一の漫画です。
人に忌み嫌われる「蟲」という存在を、恐れることも否定することもしない蟲師ギンコの生き方に、見失っていたいろんなことに気づかされます。世の中に蔓延る様々な「悪」を「蟲」という存在に置き換えているのでしょうか。「蟲」のありのままの姿を受け入れ向き合うことで人々の生き方をあるべき姿に導くギンコの姿に、この時代の人間に足りない何かが見えてくるような気がします。
宗教、民族、階級、地位、さまざまな境界線が存在するこの世界。争いや競争の絶えないこの世界。他を排斥しようと躍起になっている人たちにギンコの声が届くといいな、と思います。
蟲として生まれたから、蟲として生を全うする。ただ、それだけ。
異形であることに何の罪もない。ただ、あるようにあるだけ。
全ての生が、あるがままに生きられる世界を…。