Don’t Dilly Dally

…とことことことこ

私の半休の過ごし方

2024-10-06 10:39:40 | 滞在記(6/2024~)

最近ようやく秋らしくなってきたので、次の休日は部屋でゆっくりと過ごしたい気分。


この土地に滞在して今の仕事を始めてから、ほとんど決まった食材を食べるようになっていたせいか、ここ最近ずっと何か違ったものを私の体と心は欲しているようです。次の休みは、久しぶりに訪れた横浜で購入してきたお菓子とシャインさんにいただいた紅茶をいれて、部屋でのんびりと読書をしよう。秋の休日としては完璧なプランではないか、と思っていたら、残念なことにその日は午後から出勤となりました。

私の「秋の休日」の段取りはどこへやら。それなら行き当たりばったりの時間を過ごすことにしよう。午前中は休みだしね。

しかし悲しいかな、早々に目が覚めた。のんびり寝坊するつもりだったのに、身体はいつもの時間に目覚めてしまうようです。ベッドでコーヒーを飲んで、少しまったりしてから着替えてゴミ捨てへ。

ふと海の方に目をやると、朝焼けに染まった大島が見えました。

午前6時。綺麗な空。

ランドリールームの洗濯機に衣類を放り込み、部屋に戻って、前日に職場でいただいた秋刀魚の塩焼きで簡単に朝食。いよいよ味覚の秋の到来。

仕事は午後3時半から。軽く部屋の掃除と英語の勉強を済ませてから、前々から読んでいる本を再び開くことに。ちょっと別の本に浮気していたので、数ページ前から読み返すことにしました。

こちらは、私がいつも投稿を読ませていただいているみんとさんが以前、ご自身のブログで紹介していたものです。文豪・太宰治の娘である太田治子さんが父親と母親について書いたもの。私はその時、やはり太宰治の娘である津島佑子さんと勘違いしてトンチンカンなコメントを残しました。(笑)

太宰治の愛人、太田静子さんは『斜陽』のモデルででもあります。『斜陽』は太田静子さんの日記がもとになっており、そのまま引用されている部分も多々あるそうです。

実際は下曽我なのですが、小説の舞台は西伊豆。私は現在、伊豆半島に滞在しているのでマストな内容でもあります。

私は以前から文豪である太宰治の生き方が理解出来ませんでした。自殺願望の強さ、繰り返す自殺未遂、心中未遂で相手の女性を2人も死なせ、挙げ句の果てには別の愛人と入水自殺…。

しかし、娘の太田治子さんが執筆したこの本を読んで、少しだけ太宰治のイメージが私の中で変わりました。魅力的な人であったことは間違いなく、当時の小説家は自殺している人が多いですが、そんな彼らと同様に自分の哲学の結果の行為であり、とても弱い人だったということ。弱く危なげな男は魅力的ですしね。

あと数ページで読み終わってしまいます。映画でもそうなのですが、終わりが近くなると寂しくなります。所謂ロス状態。すぐに次の作品と出会うのですが、太宰治がすぐ次の女性と恋に落ちた?のは同じようにロス状態になっていたのでしょうか。

美味しい紅茶。

南国のフルーツの香りが心と体に沁み渡ります。仕事前の贅沢なひととき。

太田静子さんの日記に綴られた言葉、『…私は、太宰を通して太宰の作品の中で生きていくことになるだろう』

紅茶を飲みながら、『斜陽』という小説のなかに今も生き続けている太田静子さんのことをしんみりと考えました。

素敵な本との出会いをありがとう。そんな私の午前半休の過ごし方でした。