
プノンペン、
夜の10時。
クメール料理店で、他大学の先生方と
クメール伝統の食事とタイガービアを堪能していたら、
「パンパンパン!」と銃声の音。
最初に6発。たてつづけ。
間髪を入れずにまたしても3発。
乾いた銃声の音。
店の2階の窓から、首を伸ばして下を見ると、
走っていたトゥクトゥクが、一斉に道路脇に一列に並び始めた。
はるか向こうのほうに、人だかりがしている。
店の人が「Police.No problem.Safe」と自信ありげにうなづく。
階下に降りて、通りに出て確認しようとしたが、
出てはいけないと手で押し返された。
いま、Safe と言ったじゃないか。なのに、出してくれない。
同行の先生方、男性ばかり。6人。
「危ないからしばらく、この店にいましょう」
PoliceかMilitaryか。
警察か軍の兵士による発砲か。
店の人はそういうが、一般人やforeignerが行き交うなか、
警察がいきなり9発も市中で発砲するわけがない。
と同行の先生は言う。
きっと、強盗か、物取りか、マフィアの抗争かなにかだろう、と。
9発も連発できると言うことは、短銃(ハンドガン)ではないとおもう。
トカレフか。
最新銃は出回っていないはず。
連発できるとなると、AK 小銃か。
前にもやはり、夜の9時過ぎ、ROCK という大きなディスコに行く途中、
遠くで6発銃声の音を聞いた。
マライとタイの国境では、内戦時代に不法に出回った「アーカー」と
呼ばれるAK自動小銃を村人が持っていて、見せて貰った。
他にも解体された不発弾や地雷の数々。
どれもこれも鉄さびだらけのガラクタに見えたが、
これらが、いわゆる「武器」そのもの。
人を殺傷するツールなのだ。
カンボジアに来て、銃の名前を覚えた。

夜の一人歩きは、やはりよくない。
かといって、昼間も女性が一人で歩くのは、よくない。
一人で、プノンペンの町をトゥクトゥクを雇って、
うろついていたら、ちょっと自分のトゥクトゥクを
離れたすきに、違うトゥクトゥクがやってきて、
「お前のトゥクトゥクは、いま goneした。
この目で見たから確かだ。
代わりに俺のトゥクトゥクに乗れ」としつこい。
My トゥクトゥクを wait forするから、
No thank youだと言ったのだが、 離れない。
よそのトゥクトゥクのdriver も寄ってきて、囲まれてしまった。
遠くから、それを見ていた私の契約したトゥクトゥクの
おじさんが見つけて走ってきて
「このfoerigner は私の客だ。手を出すな」と追っ払ってくれた。
どうも、日本人女性の一人歩きは、軽く見られてしまうようだ。
ROCKからホテルまで、4人乗りバイク、トゥクトゥクで、せいぜい2ドル。
高くても3ドルなのに、私にしつこく売り込んだトゥクトゥクは、20ドルとふっかけてきた。
頭に来て、reasonable ではない、と言ったのだが、
譲らない。
オンナと見ると高くふっかけられる。
オンナだけでもないか。
同行の先生、男性なのに、
ホテルから、トンレサップ川まで、3ドルのところ、
8ドルも払わされていた。
相場を知らないから、はじめに10ドルと言われて
その次に8ドルまで下がったから、
そんなものかと払ってしまったのだ。
途上国では、こちらも、ふてぶてしさと、
開き直りとど根性がいる。
それにしてもあの9発の発砲。なんだったのだろ。
マフィアか、泥棒か。
いまだにわからない。