アッサラームアライクム
バングラデシュでの日本人殺害事件をはじめとして、世界中でイスラームを名乗るテロが起こっています。こういう事件が起こるたびに、「イスラームは平和の宗教です」と説明するのですが、現実にこういう事件をムスリムが起こし続け、ムスリム同士の争いも絶えない現状では、ノンムスリムの人たちが「やっぱりイスラームは恐ろしい宗教ではないか」と思ってしまうのは仕方がないのではないでしょうか。バングラデシュの事件では、「犯人たちがアッラーフアクバルと叫びながら銃を乱射した。アッラーフアクバルというのは、テロリストが唱える言葉で・・・」などと報道されたりもしました。本当に、本当に胸の痛むことです。
イスラームに関する誤解をとくためには、「平和の宗教です」と言うだけではもはやすまされない状況になってきていると思います。とはいえ、私たち一人一人に何ができるか、と言われてもなかなか難しいですが、イスラームの教えにきちんと立ち返って、イスラームの倫理を学びなおし、次世代をになう子どもたちにもしっかりと教えることが大事ではないかと思います。いろいろな決まり事を守るのも大事ですが、イスラームのモラルを日常の生活の中で実践していくことはもっと大事なのではないでしょうか。地道なことですが、一人一人がそれをやっていくことで社会を良くし、ひいてはテロに走る人をなくしていくことにもつながるのではないかと思います。
これからご紹介していく本All about Akhlaaqは、子どもにイスラームの道徳や倫理観を教える本です。著者のナフィース・ハーンさんはインドのAligarhムスリム大学で学位を取得し、その後カナダに渡って教育のトレーニングを受けました。カナダで30年以上にわたって小学校教師としてつとめ、1967年からはトロント・ムスリム協会のメンバーとして活動されたということです。ムスリムの子どもの教育に特に関心をもち、トロントの２つのイスラーム学校設立にたずさわり、その校長もつとめられたそうです。英文のオリジナルテキストは、ムスリムの子ども向けの本などをネット販売しているAn Noorアン・ヌールでも入手できると思います。
子どものための本ですが、私たち大人にも勉強になると思い、翻訳してみました。私自身も、読みながら自分を省みて、反省することばかりです。
内容は以下のとおりです。
１．Akhlaaq アフラーク －イスラームのモラル
２．Backbiting 陰口を言わないこと
３．Cleanliness 清潔さ
４．Dhikr ズィクル
５．Eating 食事のマナー
６．Forgiveness 許すこと
７．Honesty 正直さ
８．’Ilm 知識
９．Justice 正義
10．Keeping a promise 約束を守ること
11．Lying 嘘をつかない
12．Modesty 謙虚さ
13．Neighbour 隣人愛
14．Obedience 従順さ
15．Patience 忍耐
16．The Qur’an クルアーン
17．Respect 尊敬
18．Salam サラ―ム
19．Temper 腹立ちを抑える
20．Unity 結束
21．Vanity 虚栄心を抑える
22．Waste 浪費をしない
23．X wrong あやまち
24．Yelling 大声を出さない
25．Zulm ズルム（不正）
今回、まずはアフラークという言葉の説明から紹介させていただきます。第二章以下、これから少しずつ翻訳していきますね。
－ ＊ － ＊ － ＊ － ＊ － ＊ － ＊ － ＊ － ＊ － ＊ － ＊ －
第一章 Akhlaaq アフラーク イスラームのモラル
先生： アッサラームアライクム、みなさん。
生徒たち： ワアライクムッサラーム、先生。
先生： 今日から、「アフラーク」をAからZまで勉強しましょう。これは、イスラームではとても大事なことなんですよ。アフラークは私たちを「まっすぐな 道」（スィラートゥル・ムスタキーム）に導いてくれます。アフラークとは何か、誰か説明してくれますか？ サミーラ、どうですか？
サミーラ： アフラークというのは、良いマナーのことです。
先生： そうですね。それでは、良いマナーって具体的にはどんなものかな？
イマード： 誰かを助けてあげること。年をとった人のためにドアをあけてあげるとか。
先生： マーシャーアッラー。
アーイシャ：（大きく腕をふって）私も知ってます！ 年をとった人のために席をゆずってあげることです。
先生： よくできました、アーイシャ。ほかにどんなことが良いマナーだと思いますか？
サミーラ： 無作法にしないこと、悪い言葉遣いをしないこと。礼儀正しく、感じよくすることです。
先生： マーシャーアッラー。預言者ムハンマドさまはおっしゃいました。「笑顔を浮かべることも施しになります。」 これも良いマナーになります。アッ ラーに喜んでいただくために、毎日良いマナーで過ごしましょう。
役に立つ、礼儀正しい、感じのよい、笑顔の人は、周りの人たちからどんなふうに思われるでしょうか？
イマード： みんなそういう人が好きだし、友達になりたいと思います。
先生： ほんとにそのとおりですね。預言者さまはこうもおっしゃっています。「あなたがたのうち、一番良い人は、マナーが良い人です」
これでみなさん、良いマナーがどんなものかについて、少しわかりましたか。インシャーアッラー、それではもっとくわしく勉強してみましょう。
では、まず、「スィラートゥル・ムスタキーム」という言葉について勉強しましょう。「スィラート」というのは、道のことです。「ムスタキーム」と いうのは、まっすぐなとか、正しいとか、ふさわしいという意味です。二つを合わせるとどうなりますか。
アーイシャ：「正しい道」です。
先生： そうですね。アッラーと預言者さまは私たちに、「スィラートゥル・ムスタキーム」とはどんなものか、教えてくださっています。アッラーは私たち に、クルアーンの中で守るべきルールを教えてくださいました。預言者ムハンマドさまはその実例を見せてくださっています。預言者さまが言ったり、 おこなったりしたことは、スンナといいます。
インシャーアッラー、これからいろいろなアフラークについて、毎日違うスキットで勉強していきましょう。
言ってみよう：
Aはアフラーク（Akhlaaq）のA。
私たちの信仰のモラルです。
スィラートゥル・ムスタキームからそれないように、それを実践するのは大切なことです。
覚えておこう：
預言者さまはおっしゃいました。「アフラークに優れた人には、私が天国の一番高い場所を
確約しよう」（アブー・ダーウード）
以上
。
。
バングラデシュでの日本人殺害事件をはじめとして、世界中でイスラームを名乗るテロが起こっています。こういう事件が起こるたびに、「イスラームは平和の宗教です」と説明するのですが、現実にこういう事件をムスリムが起こし続け、ムスリム同士の争いも絶えない現状では、ノンムスリムの人たちが「やっぱりイスラームは恐ろしい宗教ではないか」と思ってしまうのは仕方がないのではないでしょうか。バングラデシュの事件では、「犯人たちがアッラーフアクバルと叫びながら銃を乱射した。アッラーフアクバルというのは、テロリストが唱える言葉で・・・」などと報道されたりもしました。本当に、本当に胸の痛むことです。
イスラームに関する誤解をとくためには、「平和の宗教です」と言うだけではもはやすまされない状況になってきていると思います。とはいえ、私たち一人一人に何ができるか、と言われてもなかなか難しいですが、イスラームの教えにきちんと立ち返って、イスラームの倫理を学びなおし、次世代をになう子どもたちにもしっかりと教えることが大事ではないかと思います。いろいろな決まり事を守るのも大事ですが、イスラームのモラルを日常の生活の中で実践していくことはもっと大事なのではないでしょうか。地道なことですが、一人一人がそれをやっていくことで社会を良くし、ひいてはテロに走る人をなくしていくことにもつながるのではないかと思います。
これからご紹介していく本All about Akhlaaqは、子どもにイスラームの道徳や倫理観を教える本です。著者のナフィース・ハーンさんはインドのAligarhムスリム大学で学位を取得し、その後カナダに渡って教育のトレーニングを受けました。カナダで30年以上にわたって小学校教師としてつとめ、1967年からはトロント・ムスリム協会のメンバーとして活動されたということです。ムスリムの子どもの教育に特に関心をもち、トロントの２つのイスラーム学校設立にたずさわり、その校長もつとめられたそうです。英文のオリジナルテキストは、ムスリムの子ども向けの本などをネット販売しているAn Noorアン・ヌールでも入手できると思います。
子どものための本ですが、私たち大人にも勉強になると思い、翻訳してみました。私自身も、読みながら自分を省みて、反省することばかりです。
内容は以下のとおりです。
１．Akhlaaq アフラーク －イスラームのモラル
２．Backbiting 陰口を言わないこと
３．Cleanliness 清潔さ
４．Dhikr ズィクル
５．Eating 食事のマナー
６．Forgiveness 許すこと
７．Honesty 正直さ
８．’Ilm 知識
９．Justice 正義
10．Keeping a promise 約束を守ること
11．Lying 嘘をつかない
12．Modesty 謙虚さ
13．Neighbour 隣人愛
14．Obedience 従順さ
15．Patience 忍耐
16．The Qur’an クルアーン
17．Respect 尊敬
18．Salam サラ―ム
19．Temper 腹立ちを抑える
20．Unity 結束
21．Vanity 虚栄心を抑える
22．Waste 浪費をしない
23．X wrong あやまち
24．Yelling 大声を出さない
25．Zulm ズルム（不正）
今回、まずはアフラークという言葉の説明から紹介させていただきます。第二章以下、これから少しずつ翻訳していきますね。
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第一章 Akhlaaq アフラーク イスラームのモラル
先生： アッサラームアライクム、みなさん。
生徒たち： ワアライクムッサラーム、先生。
先生： 今日から、「アフラーク」をAからZまで勉強しましょう。これは、イスラームではとても大事なことなんですよ。アフラークは私たちを「まっすぐな 道」（スィラートゥル・ムスタキーム）に導いてくれます。アフラークとは何か、誰か説明してくれますか？ サミーラ、どうですか？
サミーラ： アフラークというのは、良いマナーのことです。
先生： そうですね。それでは、良いマナーって具体的にはどんなものかな？
イマード： 誰かを助けてあげること。年をとった人のためにドアをあけてあげるとか。
先生： マーシャーアッラー。
アーイシャ：（大きく腕をふって）私も知ってます！ 年をとった人のために席をゆずってあげることです。
先生： よくできました、アーイシャ。ほかにどんなことが良いマナーだと思いますか？
サミーラ： 無作法にしないこと、悪い言葉遣いをしないこと。礼儀正しく、感じよくすることです。
先生： マーシャーアッラー。預言者ムハンマドさまはおっしゃいました。「笑顔を浮かべることも施しになります。」 これも良いマナーになります。アッ ラーに喜んでいただくために、毎日良いマナーで過ごしましょう。
役に立つ、礼儀正しい、感じのよい、笑顔の人は、周りの人たちからどんなふうに思われるでしょうか？
イマード： みんなそういう人が好きだし、友達になりたいと思います。
先生： ほんとにそのとおりですね。預言者さまはこうもおっしゃっています。「あなたがたのうち、一番良い人は、マナーが良い人です」
これでみなさん、良いマナーがどんなものかについて、少しわかりましたか。インシャーアッラー、それではもっとくわしく勉強してみましょう。
では、まず、「スィラートゥル・ムスタキーム」という言葉について勉強しましょう。「スィラート」というのは、道のことです。「ムスタキーム」と いうのは、まっすぐなとか、正しいとか、ふさわしいという意味です。二つを合わせるとどうなりますか。
アーイシャ：「正しい道」です。
先生： そうですね。アッラーと預言者さまは私たちに、「スィラートゥル・ムスタキーム」とはどんなものか、教えてくださっています。アッラーは私たち に、クルアーンの中で守るべきルールを教えてくださいました。預言者ムハンマドさまはその実例を見せてくださっています。預言者さまが言ったり、 おこなったりしたことは、スンナといいます。
インシャーアッラー、これからいろいろなアフラークについて、毎日違うスキットで勉強していきましょう。
言ってみよう：
Aはアフラーク（Akhlaaq）のA。
私たちの信仰のモラルです。
スィラートゥル・ムスタキームからそれないように、それを実践するのは大切なことです。
覚えておこう：
預言者さまはおっしゃいました。「アフラークに優れた人には、私が天国の一番高い場所を
確約しよう」（アブー・ダーウード）
以上
。
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