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歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

古橋博美 第95回代議員会 所信

2011年06月18日 | 基本・参考
第95回代議員会 所信

社団法人日本歯科技工士会
会長  古 橋 博 美


 第95回代議員会開催にあたりご挨拶申し上げます。半世紀余の歴史を持つ社団法人日本歯科技工士会の会長として、また新たに組織された理事会を代表し、全国の都道府県歯科技工士会(地域歯科技工士会)から選出された代議員と会員の皆さま、歯科技工に関わる全ての皆さまに、私の所信を明らかにしたいと思います。

 私は会長として選任されて以来、執行部と代議員間の意思疎通の不全と、会内外に堆積した不信と不安の連鎖から脱し、日本歯科技工士会の創立に関わった多くの先人の思いに立ち返り、現代に求められる公益法人の役割を担う組織として、日本歯科技工士会が輝きを持ち、全ての会員が組織とともに歩むことを目指してまいりました。

 4月1日の任期の開始と同時に、我々が取り組むべき諸問題を掘り下げる検討を開始し、4月23日には全国会長会議を開催し、意見交換を行い全国の会員の皆さまと思いを共有する機会とさせていただきました。
 また、日本歯科技工士会の代表として、関係する各所に対するご挨拶と働きかけを怠りなく行い、関係団体との強調と個別問題を含め継続する案件等での協力を推進しています。与野党の議員に対し歯科医療と歯科技工への理解を深め、より良き歯科医療政策実現を働きかける活動を継続しながら「歯科界が一致結束し懸案解決に向け取り組んでいくべき」との考えを表明しています。

 東日本大震災により被災された皆さまに対して、日本歯科技工士会に設置した東北地方太平洋沖地震災害対策本部により、被災各県の地域歯科技工士会のご協力を得て、被災者支援を進めております。
 私は今回の被災地支援に、本会はもちろんですが、日本各地で人々が、組織が支援活動を行う姿に日々勘当しています。歯科技工界においても、被災歯科技工所支援の活動、被災した出身校を支援する同窓生の活動等々、多くの歯科技工関係者の活動が続いています。今も収束の道が遠い大規模災害ですが、本会においても、息の長い支援を更に継続してまいります。

 国の公益法人制度改革に伴う、日本歯科技工士会本体の新公益法人への移行と、地域歯科技工士会のいわゆる「峻別問題」を解決する手立てとして、新たな会費収受制度の構築は最重要課題です。会費収受制度を担うサービス会社との契約主体になることが出来る事業体を、多年にわたり日本歯科技工士会の福利厚生事業を滞りなく担ってきた日技厚生会に倣った手法を用い、資本・人事・経営・その他の全ての運営管理に関し透明性と情報の公開性を確保し、会員の皆さまに理解いただける施策を提案いたします。

 会費等の問題については、会員の年齢構成と性別構成の大幅な変化の中、基本を年齢や性差にかかわらず、会員としての権利と義務の平等の理念、歯科技工所の経営形態を指標に、その能力に応じた負担をお願いいたします。いわば応能負担の原則を一部取り入れ、次世代に負担と困難を先送りせぬ、将来破綻を招かない安定し持続可能な制度設計が必要です。
 既に準備を整えていた地域歯科技工士会には、大変ご迷惑をお掛けしています。本代議員会では、今一度周知期間を設け、全ての地域歯科技工士会が、会員に対し制度改正の趣旨と内容に関する説明に時間を確保していただくための議案を提出いたします。

 日本歯科技工士会に与えられた役割は、良質な歯科補てつ物等の提供と歯科医療安全の確立を図ることです。厚生労働省、日本歯科医師会等の関係者とともに歯科補てつ物等の品質管理の実践を推進し、歯科医療機関が委託先の歯科補てつ物等の作成履歴を追跡できる仕組みの確立を促し、歯科医療に関わる全ての者(機関)が必要に応じて、歯科補てつ物等に関する情報を共有し、安心で安全な歯科医療が確立されることを目指します。これらは歯科医療安全の確立のため、委託受託の明確化の中で整理されなければなりません。

 歯科技工士国家試験は、関連法令を整備し、学説に関する全国統一試験が、実施されるべき時期です。既に関係団体による統一要望として、関係各方面に働きかけを行っております。この実現を具体的に加速させます。

 歯科技工士教育機関に対し、次の時代に必要とされる確かな歯科技工士養成のための、実質的な支援をしなければなりません。
 歯科技工士養成教育における科目と時間の不足の改善を、関係者の理解を求めながら具体的に推進することが必要です。現在の法令規則の定める内容では、卒業後の臨床現場での職場適応が難しく、早期離職を招き、国民歯科医療を支える歯科技工界としての人材確保と後継者育成が危ぶまれる状態です。時代が求める歯科技工士の教育像を、日本歯科医師会、全国歯科技工士教育協議会とともに検討してまいります。

 歯科技工士が、その職能を十分発揮できる環境を整備する必要があります。社会保険歯科診療に係る歯科技工料については、政治・行政・関係者間で問題点を整理しなければなりません。日本歯科医師会をはじめとする関係者との真摯な話し合いを行い、国民が望む歯科医療を実現する基盤形成のため、解決に向け邁進いたします。

 意思疎通の不全と、不信と不安の連鎖から、新たな歯科技工士が輝く時代を目指す活動を「結束して希望ある未来構造」を合言葉に、本代議員会を契機に実践してまいりたいと思い、それら具体化のための諸政策を内容とした議案を提出させていただきました。代議員の皆さまにご審議賜り、より内容を深め豊かにし、全国の会員の皆さま、地域歯科技工士会の皆さまと実現してまいりたい。

 本代議員会が節目の記念すべき充実した会議となりますよう宜しくお願いいたします。ありがとうございました。




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