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歯科技工士・岩澤 毅

岩澤毅 令和2年度 歯科技工士国家試験 学校別合格者状況/歯科3職種の養成・確保のバランスのある解決策を

2021年04月06日 | 歯科川柳・日本歯科新聞


日本歯科新聞 2021年4月6日号
投稿/寄稿
令和2年度 歯科技工士国家試験 学校別合格者状況
歯科3職種の養成・確保のバランスのある解決策を
岩澤 毅 (歯科技工士)

 3月26日に「令和2年度 歯科技工士国家試験 学校別合格者状況」が発表された。歯科技工士法の「第14条【受験資格】③歯科医師国家試験又は歯科医師国家試験予備試験を受けることができる者」関係の合格者は、北海道大学歯学部1、日本大学松戸歯学部1、東京歯科大学1、神奈川歯科大学歯学部2、鶴見大学歯学部3、日本歯科大学新潟生命歯学部1、大阪歯科大学歯学部1、大阪大学歯学部2、徳島大学歯学部1、九州歯科大学2、福岡歯科大学1、長崎大学歯学部1の計17人で、この他に不合格者が日本大学松戸歯学部1とのことだ。また、東京歯科大学1は新卒で、その他は既卒とのことだ。

 歯科衛生士法の「第十二条 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、これを受けることができない。」には同様の規定はない。過去、歯科衛生士が女性の資格に限られていた時代の痕跡か、改正の際に考慮されなかったのかは、不明である。

 歯科医師国家試験の難関化の影響と思われるが、社会から見て二つの意味で不自然であろう。最低でも6年制の歯学部の教育を終えた後に、最短2年で受験できる歯科技工士国家試験を受験することの意味。また、歯科衛生士の業務内容、教育内容は、歯科医師の業務内容、教育内容の一部であるとの理屈が成り立つと思うが、歯科衛生士国家試験の受験資格を得ることが出来ない理屈は、なかなか理解しがたい。

 現場では、歯科衛生士の不足・採用難と歯科技工士学校養成所の受験者・入学者の不足が言われているが、歯科三職種の養成確保に制度的不整合、何らかのボトルネックがあるのではないか。歯科医師国家試験には、1千人を超す大量の不合格者・浪人が存在しながら、その一方では不足が言われる歯科職種がある。

 歯科3職種のバランスのある養成確保の解決策は、個々の学校設置者や団体の利害を超えた調整、歯科医療経済まで見据えた、まさに政治や行政の力を必要としている段階ではないだろうか。







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