126 - 参 - 厚生委員会 - 11号
平成05年06月03日
○木暮山人君
○政府委員(岡光序治君)
○政府委員(古川貞二郎君)
○木暮山人君 今、八〇二〇運動といういわゆる政策課題が大きくクローズアップされてきております。しかし、この八〇二〇運動とは、八十歳の時点において健康な歯牙を二十本残存させようとする目標値であり、まことに有意義なことで口腔衛生思想の啓発に対して絶大なる効果をもたらすことと考えられますが、この運動によって国民個々の口腔機能に対する認識が向上いたしてまいりますと、次に、せっかく虫歯にならない残存させる歯の全体の機能、口の中のかむという機能を有効に賦活する、そしてまた栄養摂取に大きくその効果を上げていかねばなりません。
そこで、人生の後半期によりよくかめるための咬合運動を改善するための顎運動の正常化、簡単に申し上げるならば、使い古したかむ運動のオーバーホールとでも申しましょうか、新品に近い機能に回復をある時期にしていかなければ、せっかく虫歯にならない歯が八十歳に二十本ありましても、かむ機能が低下すれば何にもならないわけであります。そういう観点から、できましたら顎の全体の運動、これをいわゆる老年期に入るいつかの時点で正常な位置に回復させてあげるということが側面から非常に重要な問題になってくるのではないかと考えられます。こういう側面の問題を八〇二〇の将来のためにも基本的にひとつお考えになっておいでになるか、それとも単に八〇二〇運動が成功したら八〇三〇運動に移行するのか、そこら辺の御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(寺松尚君) 先生から八〇二〇運動につきまして、その意義と申しますか、それを高く評価していただいておりますことを大変私の方もうれしく思いますが、今この緒についたところでございまして、長期的なレンジで何とか八十歳で二十本の健全な歯を有するというようなことを一応の目標にいたしまして、これから歯科保健医療の全般にわたりまして努力をしていかなければならないと思います。その際には、歯科医師を初め、関係の職種の方々にも御協力いただかなければなりませんし、省庁としましても、先ほど申し上げましたように、いろいろな連携をやっていかなければならないと思います。
それで、今先生の御指摘、非常に学識の高い御意見をいただいたわけでございますが、私ども、やはりこれからそういうふうな顎の機能と申しますか、その機能の温存というんでしょうか、そういうふうなことも含めまして、あるいは歯の残存も含めまして、いろいろとまた専門家の御意見等をも徴しましてよりよき歯科保健の水準の向上に努力をいたしたい、このように思います。
○木暮山人君 よろしくひとつお願いします。
今幼稚園において、学校保健法第十六条に基づき、歯科医を置くことが定められております。しかし、保育所においては、児童福祉施設最低基準第三十三条に、保育所には保母、嘱託医及び調理員を置かなければならないとされ、歯科医師は御多分に漏れず除外されている現状であります。歯科医師が配置されないため検診が受けられないのでは、幼稚園が認められているのに対し、機会均等の上から公平を欠くことではないかと考えられます。
今まさに、教育を含め、子育てがいかにあるべきかが問われている現状であります。幼児の口腔保健の重要性について申し述べる必要はないと思いますが、嘱託歯科医を各保育所に設置し、入所児童に対する口腔保健の充実を図るべきと思いますが、御所見はいかがなものでございますか。
○政府委員(清水康之君) 保育所におきます歯科保健につきましては、乳幼児の健やかな発育成長のために、いわゆる齲蝕の予防ということについて正しい知識を持ち、また指導を徹底していくということが大変重要だというふうに考えているわけでございます。
御指摘のとおり、確かに児童福祉施設最低基準とか保育所保育指針というところの中には、歯科医師の設置といいますか、そういうことが出てこないわけでございますけれども、たしか昭和五十六年ごろだったと思いますが、大変関係者の方々の御要望が強かったために、それを受けまして、五十八年の四月から保育所における嘱託歯科医の設置についてという児童家庭局長通達を出しまして、そして単に通達を出すだけではなくて、予算面におきましても嘱託医手当というものを、従来は年十二回ということでございましたが、これを一回ふやしまして、嘱託歯科医師を置いた場合に対応できるような予算措置もしながら、私どもとしては嘱託歯科医の保育所における設置について指導をしているところでございます。
先ほど来、八〇二〇運動のお話がございましたけれども、この八〇二〇運動の出発点というのは、確かに乳歯から最初の永久歯が六歳臼歯でございますか、そういうものが生える時期、その辺が出発点になろうかというふうに思っておりますので、幸い一部の自治体で、例えばヘルスパイオニアタウン事業といったようなものを活用しながら、パイロット的にいろいろこの六歳臼歯の問題に取り組むというふうな動きもございますので、私どももこれから保育所における歯科保健対策の充実強化ということについて全面的に努力していきたい、こう考えております。
○木暮山人君 どうもありがとうございました。時間でございますから、これで終了いたします。
平成05年06月03日
○木暮山人君
○政府委員(岡光序治君)
○政府委員(古川貞二郎君)
○木暮山人君 今、八〇二〇運動といういわゆる政策課題が大きくクローズアップされてきております。しかし、この八〇二〇運動とは、八十歳の時点において健康な歯牙を二十本残存させようとする目標値であり、まことに有意義なことで口腔衛生思想の啓発に対して絶大なる効果をもたらすことと考えられますが、この運動によって国民個々の口腔機能に対する認識が向上いたしてまいりますと、次に、せっかく虫歯にならない残存させる歯の全体の機能、口の中のかむという機能を有効に賦活する、そしてまた栄養摂取に大きくその効果を上げていかねばなりません。
そこで、人生の後半期によりよくかめるための咬合運動を改善するための顎運動の正常化、簡単に申し上げるならば、使い古したかむ運動のオーバーホールとでも申しましょうか、新品に近い機能に回復をある時期にしていかなければ、せっかく虫歯にならない歯が八十歳に二十本ありましても、かむ機能が低下すれば何にもならないわけであります。そういう観点から、できましたら顎の全体の運動、これをいわゆる老年期に入るいつかの時点で正常な位置に回復させてあげるということが側面から非常に重要な問題になってくるのではないかと考えられます。こういう側面の問題を八〇二〇の将来のためにも基本的にひとつお考えになっておいでになるか、それとも単に八〇二〇運動が成功したら八〇三〇運動に移行するのか、そこら辺の御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(寺松尚君) 先生から八〇二〇運動につきまして、その意義と申しますか、それを高く評価していただいておりますことを大変私の方もうれしく思いますが、今この緒についたところでございまして、長期的なレンジで何とか八十歳で二十本の健全な歯を有するというようなことを一応の目標にいたしまして、これから歯科保健医療の全般にわたりまして努力をしていかなければならないと思います。その際には、歯科医師を初め、関係の職種の方々にも御協力いただかなければなりませんし、省庁としましても、先ほど申し上げましたように、いろいろな連携をやっていかなければならないと思います。
それで、今先生の御指摘、非常に学識の高い御意見をいただいたわけでございますが、私ども、やはりこれからそういうふうな顎の機能と申しますか、その機能の温存というんでしょうか、そういうふうなことも含めまして、あるいは歯の残存も含めまして、いろいろとまた専門家の御意見等をも徴しましてよりよき歯科保健の水準の向上に努力をいたしたい、このように思います。
○木暮山人君 よろしくひとつお願いします。
今幼稚園において、学校保健法第十六条に基づき、歯科医を置くことが定められております。しかし、保育所においては、児童福祉施設最低基準第三十三条に、保育所には保母、嘱託医及び調理員を置かなければならないとされ、歯科医師は御多分に漏れず除外されている現状であります。歯科医師が配置されないため検診が受けられないのでは、幼稚園が認められているのに対し、機会均等の上から公平を欠くことではないかと考えられます。
今まさに、教育を含め、子育てがいかにあるべきかが問われている現状であります。幼児の口腔保健の重要性について申し述べる必要はないと思いますが、嘱託歯科医を各保育所に設置し、入所児童に対する口腔保健の充実を図るべきと思いますが、御所見はいかがなものでございますか。
○政府委員(清水康之君) 保育所におきます歯科保健につきましては、乳幼児の健やかな発育成長のために、いわゆる齲蝕の予防ということについて正しい知識を持ち、また指導を徹底していくということが大変重要だというふうに考えているわけでございます。
御指摘のとおり、確かに児童福祉施設最低基準とか保育所保育指針というところの中には、歯科医師の設置といいますか、そういうことが出てこないわけでございますけれども、たしか昭和五十六年ごろだったと思いますが、大変関係者の方々の御要望が強かったために、それを受けまして、五十八年の四月から保育所における嘱託歯科医の設置についてという児童家庭局長通達を出しまして、そして単に通達を出すだけではなくて、予算面におきましても嘱託医手当というものを、従来は年十二回ということでございましたが、これを一回ふやしまして、嘱託歯科医師を置いた場合に対応できるような予算措置もしながら、私どもとしては嘱託歯科医の保育所における設置について指導をしているところでございます。
先ほど来、八〇二〇運動のお話がございましたけれども、この八〇二〇運動の出発点というのは、確かに乳歯から最初の永久歯が六歳臼歯でございますか、そういうものが生える時期、その辺が出発点になろうかというふうに思っておりますので、幸い一部の自治体で、例えばヘルスパイオニアタウン事業といったようなものを活用しながら、パイロット的にいろいろこの六歳臼歯の問題に取り組むというふうな動きもございますので、私どももこれから保育所における歯科保健対策の充実強化ということについて全面的に努力していきたい、こう考えております。
○木暮山人君 どうもありがとうございました。時間でございますから、これで終了いたします。