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歯科技工士・岩澤 毅

勝原 裕美 看護経済学の概念の探索

2005年08月15日 | 看護研究
看護研究(ISSN:00228370)38巻4号(2005.08)P.269-280(ISID:1681100017)


焦点 看護経済学の構築とその枠組み
看護経済学の概念の探索

勝原 裕美 ※1
増野 園惠 ※1
角田 由佳 ※2,3
伊豆上 智子 ※4
遠藤 和子 ※5

※1 兵庫県立大学看護学部
※2 漢陽大学国際学大学院(韓国)
※3 前国立社会保障・人口問題研究所
※4 東京医科歯科大学医学部附属病院
※5 東北福祉大学

【キーワード】 看護経済学,概念

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はじめに
 保健・医療・福祉の環境が激変するなかで,「看護経済」という言葉が使われるようになり,看護者たちが経済を意識することの重要性が認識されるようになった。特に,大学院での看護管理教育や認定看護管理者教育のなかには,すでに看護経済の視点が盛り込まれており,看護管理者を中心に看護経済を学問として学ぶ機会が増えてきた。
 ところが,臨床現場や教育現場においてその必要性が認識されていても,看護経済が学問としてはもちろんのこと,概念として非常に新しいため,何を教えるべきか,何をおさえていれば看護経済を学んだといえるのかの議論が成熟していない。看護経済がこれから学問として発展していくためには理論構築が不可欠だが,そのエッセンスになる部分がいまだ体系化されていない。そのため,看護経済学に対する捉え方は人それぞれであり,コスト削減イコール看護経済と捉える向きもあるくらいだ。
 このような現状をふまえ,本稿は,既存の文献やコースシラバスにおいて「看護経済(nursing economics)」が何を意味しているのか,その概念および主となる構成要素を明らかにし,看護経済学のエッセンスを抽出することを目的として行なった概念探索の結果を述べるものである。概念の検討は,主に3つのパートからなっている。最初は,海外の看護経済に関するシラバスの収集と分析,次に,海外の看護経済で用いられているテキストの分析,最後に国内の看護経済に関する書籍の分析である。

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