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歯科技工士・岩澤 毅

中島 修(著) 40年目の真実―日石・土田爆弾事件 [単行本]

2011年07月28日 | amazon.co.jp・リストマニア
日石ビル・土田邸・ピース缶爆破事件実行部隊関係者による「調査記録」, 2011/7/28

By 歯職人」

 60年代後半の学生運動、いわゆる安保沖縄闘争が下火に向かう中で発生した、日石・土田・ピース缶「冤罪」事件が作られていく構造と、日石・土田・ピース缶爆破事件の実行部隊のの周辺を知る者の告白と警察・検察への告発の一冊です。
 この事件の真犯人の結論を言えば、戦旗・共産同の非公然部隊による実行であり、この「戦旗・共産同」説は、警察・検察も「冤罪」裁判途中で知り得たことであり、いわゆる「極左業界」の深部では知り得たことであったとの回想である。
 著者の日石・土田・ピース事件の時代背景と全体構造の理解には、事件の背景に「戦旗・共産同」の組織問題、中心人物の日向・荒氏の突出した組織能力と一方での「小心」「猜疑心」が横たわっているとの見立てである。この荒氏関係に多くの叙述が割かれている。
 事件から40年の歳月を経て、関係者からも鬼籍に入る者もあり、ここで書き残し公開しなければ真相が社会に明らかにそれることもとも無くなる中、敢えて言えば余り売上も期待できない時代に、出版されたと言える。
 ジャーナリストの筆であれば、当時の捜査関係者への取材が中心になり裏付けに力を入れられるのであろうが、真犯人側からの証言であるため今だ秘匿せねばならないことがある模様だ。更に言えば秘匿性の高い公安・捜査関係者は、冤罪に大なり小なり拘った形であり、真相を語る者は現れ難い。
 3億円事件、グリコ森永事件等、関係者が存命な内に書き残すことが期待される「事件」は、まだまだ存在する。

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40ネンメノシンジツ ヨンジュウネンメノシンジツ ニッセキツチダバクダンジケン
40年目の真実―日石・土田爆弾事件

中島 修【著】
創出版 (2011/05/19 出版)

255p / 19cm / B6判
ISBN: 9784904795101
NDC分類: 327.6
価格: ¥1,575 (税込)

詳細
1971年10月、都内日石ビル地下の郵便局で小包が爆発し、郵便局員が負傷した。
また同年12月、土田国保・警視庁警務部長宅で小包が爆発。
夫人が死亡、四男が負傷した。
大捜査の結果、別件逮捕された容疑者たちは次々と自白し、合計18名もが起訴された。
被告人は最長で10年近くも拘置され、求刑の最高は死刑だった。
最終的にはほぼ全員が無罪となり、冤罪が明らかになったが、その実態は「灰色無罪」であった。
戦後の歴史に残る日石・土田・ピース缶冤罪事件である。
事件から40年、闇に葬られたかに見えた真相が、本書によって初めて明らかになった。
本書は、隠された権力犯罪を暴き、告発するために書かれたものである。


第1部 日石・土田爆弾事件(日石・土田事件とは何だったのか;日石・土田爆弾事件への道/RG隊の発足;日石・土田爆弾事件/RG隊の闘争;土田以後/RG隊解散命令;戦旗・共産同の「30」隊;日向はなぜウラ部隊を作ったのか;中核派も真相を知る)
第2部 日石・土田冤罪事件(警察はなぜはずしたのか;警察はなぜデッチあげたのか;警察の責任;検察の責任;裁判所の責任;マスコミの責任;なぜ開けたのか;ピース缶爆弾事件)
第3部 40年の時を経て(RG隊長の思い;ネガティブ・リアクション/ポジティブ・リアクション)
第4部 資料編

著者紹介
中島修[ナカジマオサム]
北九州市生まれ。慶応大学中退。大学では学生運動に明け暮れる。その後、英語雑誌編集、翻訳、フリージャーナリストを経て、10年間、翻訳会社経営。それ以降は、自他共に認める遊び人。世界をめざす旅人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


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