JR帯広駅前で昭和8年(1933年)創業の「元祖 豚丼のぱんちょう」。帯広名物である豚丼の元祖にして老舗の豚丼専門店です。創業者の阿部秀司さんが“十勝ならではの庶民も味わえるメニューを”と考案した秘伝の味と遺訓が今も脈々と受け継がれています。大変な人気ぶりです。
本日から2泊3日で帯広・釧路方面への旅行です。1日目は新札幌駅からJR線で帯広に行きガーデン巡り、2日前は釧路湿原、3日目は道東三湖(阿寒&屈斜路&摩周湖)を周るバスツアーに参加して釧路空港から新千歳空港へ戻る予定です。一日めのランチは‟帯広と言えば豚丼だろう!”と言うことでJR帯広駅前にある人気店「元祖 豚丼のぱんちょう」を目指します。
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JR新札幌駅に入線した特急おおぞら。帯広まで約2時間40分です。
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帯広駅に到着後「元祖 豚丼のぱんちょう」へ直行します。駅北口ロータリーを超えたすぐ前で便利な場所にあります(地図)。新婚間もない洋食シェフの阿部秀司さんとウメさんご夫婦が現在地に店を構えたのが昭和8年(1933年)1月、中国語の『飯亭(食事処)』から「ぱんちょう」と名づけられたとか。開業前から‟十勝の豚肉を使って、庶民でも気軽に食べられるおいしいものをつくりたい!”という熱い思いで秀司さんが作り出したのが看板メニューの豚丼だそうです。ちなみに現在の店舗は初代店を令和4年(2022年)に旧店の面影を残しつつ改装オープンしたものだそうです。
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通りの向こうから見た時は店前には誰も並んでおらずラッキー!と思ったのですが店前には「ただ今満席」との表示が。でもほんの少し待つと店内から食事を済ませた客が出てきて入れ替わりに入店することが出来ました。平日の12時少し前ですが結果的にはラッキーだったのでしょう。
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着席すると店員さんからメニューの説明があります。味に違いは無く豚の枚数が違うだけで、「松」=豚4枚、「竹」=豚5枚、「梅」=豚6枚、「華」=豚8枚が目安だそうです。ちなみに値段が「松竹梅」ではなく「梅竹松」の順にランク付けされているのは秀司さんが出征中に7人の子どもたちを一人で育て家を守った妻のウメさんを労って「梅」を一番にしたそうです。その後にできた「華」は元々「特」だったのを女性でも注文しやすいようにと「華」に名前を変えたとのこと。メニューにも豚丼にも愛を感じます。
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「元祖 豚丼のぱんちょう」の湯のみ。昭和時代に使用していた湯呑を模したものだそうです。
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注文後10分弱で到着した豚丼「梅」。税込み1,150円。丼から豚肉が少しはみだしています。
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秀司さんが豚丼を考案したヒントは当時の帯広の人たちに一番親しまれていた肉が豚肉だったことと日本人が皆大好きだった鰻丼。同じ醤油ベースの味付けで鰻丼を越えるほどの美味しさ自慢から開業のころには「鰻丼よりうまい当店自慢の豚丼を召し上がれ」という看板が立っていたという記録もあるそうです。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/ab/735005ca13cae423c2dc6b38f6cbfde3.jpg)
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実際の豚丼も炭火で網焼きにした豚ロース肉に鰻丼のような少し甘みのある醤油ベースのタレで味つけしています。また炭火の香ばしい風味やタレと脂の染みたふっくらご飯なども鰻丼を彷彿させます。ただやはりこれは名物の豚丼です!。香ばしく焼かれた柔らかい豚肉が旨味溢れ脂身も甘いです。丼ご飯とワサワサ食べるとかなりの美味しさです。老舗にして元祖の深い味わいを感じ人気の程に大納得です。こんな店が札幌にもあったら良いのに!と思ったのですが秀司さんの遺訓により秘伝の味は門外不出で支店を出したり物産展に参加することなどは決してしないそうです・・残念ですが感服です。
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妻注文の「松」。税込み950円で豚肉が4枚です。豚肉自体が軽やかな味付でご飯の量も適量なのでシニア女性でも問題なく完食でした。「竹」か「梅」にすれば良かった!とは妻の感想でした。大変ご馳走になりました。なお店はメニューは豚丼のみ、提供も食べるのも早い、そして相席御免のシステムもあり行列が出来ても進行は速いようでした。
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会計カウンター脇に飾られていた阿部秀司さん・ウメさんご夫婦と家族の写真。店の人に伺うと“いいですよ!”とのことで撮影させていただきました。中央の阿部秀司さんの遺訓が「人任せの商売をすれば味が変わる。目の届かないことは絶対してはならない。帯広のここでしか食べられない味」だそうです。
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置かれていた「元祖 豚丼のぱんちょう」紹介の小冊子。読ませますので掲載します。上の記述は冊子内容を参考にさせていただきました。
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創業者の阿部秀司さんとその愛妻ウメさんの仲睦まじいようす。
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なお食後は「六花亭 帯広本店」を覗いたり「広小路」を歩いたりして雨の様子を見ていたのですが止む様子がないので当初予定した帯広でのガーデン巡りを諦めて早めに釧路に移動することにしました。帯広・釧路旅行(その2)へ続きます。
「元祖豚丼のぱんちょう」
住所;帯広市西1南11-19
TEL;0155-22-1974
営業時間;11~19時
定休日;月曜、第1・3火曜
(2023.10.1)