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“フードロス”“自腹買取”の象徴「恵方巻」に変化の兆し

2024-02-04 15:47:01 | ニュース
“フードロス”“自腹買取”の象徴「恵方巻」に変化の兆し…コンビニ店員が「恵方巻だけを悪者にしても“廃棄問題”は解決しない」と語る理由
2024/02/04 09:10
節分の食べ物としてすっかり定着した恵方巻き(写真はイメージです)

(デイリー新潮)
激減した恵方巻きの廃棄量
 ここしばらく、節分の季節に販売される恵方巻は「フードロス」の象徴的な扱いになってきた。しかしながら、近年、状況は改善しているとコンビニ店員のA氏は語る。同氏は全国各地のコンビニ店員とのネットワークを持っており、様々な情報を得ている。A氏に恵方巻とコンビニについて聞いた――。
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 恵方巻ですが、今はファミリーマートでは予約販売だけらしいです。絶対に廃棄を出さないために、そのような方針になったと聞きました。セブン-イレブンの店売り分は完売する分だけとっているようですが各店舗により考え方は違うでしょう。

 実は、ここ2〜3年で恵方巻の廃棄量はものすごく減っています。私の店は絶対に廃棄はゼロにしていました。もちろん、色々と世間から叩かれたことも影響しています。無論、それだけではなく、売れ残りの10本ぐらいはオーナーが買い取って本部には全部売れたように報告していました。そうしたことは他の店舗でもやっていたかもしれません。

 ただ、恵方巻については国が「フードロスを減らしましょう!」と呼びかけていますが、普段の廃棄はいいのか? という疑問もあります。セブンだけでも日本全国約2万店舗があり、おにぎりの場合、各店舗一個が廃棄されてもトータルでは相当な数になるわけです。

 私の店でも、廃棄金額で1万円ぐらいは毎日出ていますよ。多いときは2〜3万円ということもあります。恵方巻は何かと叩かれやすいのですが、もっと大きな話として見るべきではないでしょうか。
エシカルシール
 とはいっても、廃棄ゼロにするのは難しいんですよね。弁当やおにぎりをスカスカの売り場にしたら廃棄ゼロにできるかもしれません。どれくらい売れるか予測してから発注するものの、なかなか思い通りにはならず、廃棄はどう頑張っても出てしまうのです。

 今年、恵方巻の廃棄率はもっと少なくなると見ています。そのための対策である緑色の「エシカルシール」が貼ってあるの見たことはありますか? あれは消費期限が近い商品です。期限の2時間前からレジを通らなくなり、廃棄となります。このシールを貼ることにより、土壇場での売り上げを増やす。ですから、「普段より今日は緑のシールが多いな〜」と思ったらその商品は売れていないものだと予測できます。

 エシカルシールを貼るとなぜ売り上げが増えるのか。それはシールを貼った商品を買うとナナコカードポイントが5%もらえるからです。さらに、店によりプラス30円引、50円引、100円引をするところもあります。私の店は夜遅くはフライヤーを使う揚げ物も30円引にして売っていました。元々値引きは絶対禁止だったのですが、数年前から店独自の判断で、値引き販売OKになったのです。それだけコンビニ各社もフードロスを問題視しているといえましょう。
時給が高いコンビニには裏がある

 恵方巻の今後についてですが、今と同レベルで定番のイベントになっていくでしょう。ただ、恵方巻といえばコンビニのイメージが強いものの、実際はスーパーで買われる数が多いというのは事実です。だからコンビニだけがフードロスをしている、と捉えられるのは少し違和感がありますね。

 さて、知り合いのコンビニ店長にも聞きましたが、東京の店舗では、今はやはり無理をさせないようです。過去の無茶なノルマなどはいつ内部告発されるか分からないというのも理由でしょう。とはいってもフランチャイズが恵方巻の店舗別売上ランキングを発表して競争を促す面もあります。

 私の店はかなりランキング上位なのですが、恥ずかしながら従業員が皆、数本ずつ買っていた事実はあります。ノルマがある店は求人募集の時給で、薄々わかります。たとえば、地方都市で最低時給の900円ほどの店があるとしましょう。それがその地域の標準的な時給です。

 そんな中、1200円とか出している店は何か裏があると思っていいと思います。その手の店は恵方巻に限らず、何らかのノルマがあるかもしれません。いずれにしても、今はそれほど「恵方巻狂騒曲」のような状況にはないと思います。競争が激しかった時は廃棄率に応じてクオカードを店に渡す、とかもありましたね。廃棄率が低いと多く渡すのです。それだけFC本部は恵方巻に力を入れていたのですが、SDGsとかも言われている中、競争は控えめになっているのでは、と感じています。メディアも食品ロスの象徴のように面白がって報じないでほしいものです。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。
デイリー新潮編集部


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