う~ん、どうだろう。
予告編観たときから車というキャラにどこまで感情移入できるかなと心配してたんだけど、見事的中。
キャラの魅力がいまいち伝わらないのだ。端的に言うとかわいくない。
これは、観客のお子様の反応が一番正直で、あちらこちらから「まだ~?(終わらないの?)」の声が聞こえていた。
ピクサー作品はほとんど劇場で観て来たけど「つまんない、飽きちゃった」の声を聞いたのは「ニモ」に続き、二度目である。
この映画が作られた頃、ピクサーはハリウッドでの地位を不動のものとし、ディズニーと利権をめぐって大喧嘩をしていた。
簡単に言えば「天狗」になっていた時期だ。
なんでも好きなもの撮っていいよと言われた途端、映画は独りよがりなものになりがちだ。
何らかの制約があった方が、監督の個性は逆に際立つ。
今回はジョン・ラセターの車オタクぶりがデフォルメされ過ぎたのかもしれない。
苦言はピクサー作品に特別な感情を抱いているからに他ならない。
予告編を観る限り次回の作品も望みは薄いのだが、「インクレディブル」のような良い意味での裏切りを期待したい。
また、ディズニーは吹き替え版で劇中の英語表示を子供たちの為に「カタカナ」に変えてくれているんだけど、
僕らは活字のデザインのひとつにもアメリカ文化を感じていたし影響を受けた。
オープニングタイトルは「Cars」であり、決して「カーズ」はないと思う。
Route66が国道66号なんてされなくてホントによかった。
嬉しかったのはFiat500。ルパンの愛車として有名だ。
監督のジョン・ラセターは宮崎駿とも親交が深く、意識した?って感じがさらに嬉しい。
吹き替えはちょい不良(ワル)オヤジで有名な「ジローラモ」がやっていて意外といける。
フェラーリは特別扱いされていて、アメリカ人のヨーロッパ車に対する憧れも感じさせる。
映像の美しさは非のつけどころがない。
今回は特にパームスプリングスだと思われる風景の描写がすばらしい。
でも、そろそろ宮崎 駿、ジョン・ラセターに次ぐ才能の登場を世界が望んでいる。