1年半くらい前に、韓国版「マラソン」を観ました。
主演のチョ・スンウさんが、好きな俳優の一人だったのと、
韓国でも話題になった作品だったので・・・・・
そして昨日、同じ原作のものを日本で、しかも二宮くん主演と言うことで、
とっても楽しみに見ました。
見終わっての感想、
二宮くんって本当に凄いです。
韓国の作品を観たときも、チョ・スンウの演技は、自然に感じていたんですが、
昨日のこのドラマを見ると、
二宮くんは、「自閉症の彰太郎」を演じていると言うより、
そこに彰太郎くんがいるって感じでした。
他の人がメインで話していて、二宮くんの彰太郎は画面の奥のほうだったり、
端の方だったり、マラソンシーンの走るだけできっときつかっただろうシーンでも、
ちょっとした仕草や立ち方まで、ちゃんと「彰太郎くん」がそこにいました。
あまりにも自然で、これがあの「山田太郎」と同じ人とは思えませんでした。
恐るべし「二宮和也」って感じですね。
以前SMAPの草くんがドラマで自閉症の役を演じた時も、
一歩間違うと、とってつけたようになるのを、
「愛すべきテル」として、上手く演じているなぁ~って感じていましたが、
昨日の彰太郎くんも、とっても愛すべき感じでした。
韓国版だと、お母さんの子供に対する思いや、
「障害を持った子」を育てていくことの苦悩、家族との係わり合いなどが、
もっと重く辛いものに感じました。
昨日の日本版は、もちろんそういう大変さや、
お母さんの葛藤みたいものもありましたが、どちらかと言うと、
もっと前向きに生きていこうと言うのが感じられました。
象徴的なのがお母さんの夢を語る部分で、
韓国版は「息子が自分より1日早く死ぬこと」
日本版は「この子より1日だけ長生きすること」
勿論原作の訳しかた、脚本家の思いの違いでしょうが、
この言葉は日本版のほうが好きかな?
(原作:「走れ、ヒョンジン」パク・ミギョン著、蓮池薫訳、脚本:寺田敏雄)
あらすじは、
走ることが好きな自閉症の少年・彰太郎は、
母親(田中美佐子)と何時も2人3脚でトレーニングを積み、
10km市民マラソンや、ハーフマラソンに挑戦するようになっていました。
実は、これは母親が自閉症の子供でも、
「勝手な行動をせず、ちゃんと仕事も出来ます」と、
皆に認めてもらうために、頑張っていることでした。
彰太郎の走りを見た雑誌記者のさなえ(桜井幸子)は、
元駅伝選手の野口(松岡昌宏)にコーチを頼み、
彰太郎に「サブスリー(フルマラソンを3時間以内にゴールすること)」を、
挑戦させてはどうかと、お母さんに提案します。
自閉症とはどんなものかもわからないのと、自分の過去の怪我の事で、
あまり乗り気ではなかった野口も、
彰太郎の才能を見抜き、サブスリー目指してのトレーニングが始まり・・・・・・
トレーニングを進めていく中で、彰太郎くんを通しての、
「自閉症」への理解や、日本の社会(就職問題)での受け入れ方などが、
とてもよく、自然に描かれていたと思います。
今回は、彰太郎の周りの、施設の先生も、雇ってくれた会社の人も、
勿論彰太郎の家族も、野口コーチも、皆良い人で、
見ていて心がホッとしたり、温かくなれる人ばかりだった気がします。
現実にはなかなかそうは行かないのでしょうが、
このドラマを通して、少しでも「自閉症」の方への理解が、
また深まったらいいなと思いました。
今回のドラマで、何時もお母さんと彰太郎くんが言っていた、
「折れない心は?」→「負けない気持ち」
「迷った時は?」→「前を向け」
って、とっても素敵な言葉だったと思います。
全体の中で印象的で好きだったシーンは、
最初、虹を求めて走り出した彰太郎が、自分がぶつかった樹に、
電車の模様の絆創膏を張ってあげたところ。
「もうマラソンは辞めにしましょう」と言って泣くお母さんの胸のところに、
絆創膏を張ってあげる彰太郎。
感情表現が良く解らないと言われている自閉症の彰太郎の、
相手を思いやる優しい気持ちの表現で、とっても素敵だと思いました。
もう1つは、マラソン用のシューズの紐が結べない彰太郎に、
一見、お母さんだけに彰太郎の面倒を任せっきりなのかと思っていたお父さんが、
自分も紐を結べなかった小さい頃、おばあちゃんに習ったと言って、
歌つきで、彰太郎に結び方を教え、
彰太郎はマラソンのゴール寸前の転倒で脱げた靴の紐を、
お父さん(内藤剛志)に習ったとおり結ぶところ。
お父さんにとっても、普段素っ気無い感じな彰太郎でしたが、
ちゃんと覚えていて、お母さんにだけじゃない親子の絆を感じました。
韓国版が好きとか、日本版が好きとかは、
本当に好みの問題かな?
「8月のクリスマス」のように、原作は同じでも、
別物として楽しむと良いかな?とも思いました。
私は、最初に見てしまった韓国版のほうの印象が強かったのですが、
昨日のドラマは、本当に「役者二宮」くんの素晴らしさを感じた、
良いドラマだったと思います。
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そうそう、韓国版と日版の違いで面白かったもの、
韓国→チョコパイ
日本→シュークリーム
日本版の「虹」のエピソードは、素敵ですね。
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お国柄が違うと、描かれ方も違っていたりするのでしょうか。
後ほど、韓国版の方のレビューも拝見させていただきますね。
草くんのことは、私も思い出していました。
二宮くんもどちらも、本当に見事に演じておられましたね。
韓国版は見てないので分かりませんが、日本版は「この子より1日だけ長生きすること」
やはり、死という言葉より、”生きる”って言葉を使うほうが作品として綺麗に飾れるかと・・・。
「折れない心は?」→「負けない気持ち」
「迷った時は?」→「前を向け」
こう言ったセリフは韓国版には、なかったのでしょうか?
今日は時間がありますので、他の記事にもコメントさせて頂きますね^^。
こちらでのコメントのお返し、すっかり遅くなりごめんなさい。
>お国柄が違うと、描かれ方も違っていたりするのでしょうか
この作品は、結構違う印象を受けました。
セリフや、演じている方の雰囲気で、韓国版は重く、日本版は爽やかかな?
どちらが好きかは、好みの問題でしょうが・・・・
>「折れない心は?」→「負けない気持ち」
「迷った時は?」→「前を向け」
韓国版のほうでは、あまり記憶にないですね(単に私が覚えていないだけかもしれませんが・・・・)
それよりもお母さんが教えた「スマイル」と言う言葉のほうが、印象的でした。
それにしても二宮くん、今後ますます楽しみな「役者」さんですね。