お城へ戻ると、私は酔いのまわったジルをベッドに寝かせた。
「ジル、待っていてくださいね。今お水を……」
そうしてお水を取りに行こうとすると……
「あっ」
私は手首を掴まれ、ベッドへと引き戻されてしまう。
そのままジルに抱きかかえられ、気づいたときには私はジルの上に座らされていた。
ジル「貴女にそんなことをさせるわけにはいきません。それより……」
戸惑う私の靴を脱がせ、ジルの指が私の靴下を下ろしていく。
「ジルっ。気分が悪くなったら大変です」
頬を染めつつも必死に押しとどめると、ジルは不思議そうに私の瞳を覗き込んだ。
「私のせいで、あんなにたくさんお酒を飲ませてしまったのですから」
「せめて、看病くらいさせてください」
必死に言う私に、ジルはにっこりと笑いかける。
ジル「……では、お言葉に甘えて」
ジル「服を脱がせてくださいますか?」
(え……っ!)
ジル「どうしたのですか?看病をしてくださるのでしょう?」
下から私を見上げながら、ジルが続ける。
ジル「首もとが締め付けられて苦しいと思っていたところです」
(恥ずかしいけど、ちゃんと看病しなきゃ……)
恥ずかしい気持ちを抑えて、私は小さく頷いた。
ジル「ありがとうございます」
ジルのシャツのボタンを外していくと、
いつもよりも上気したジルの肌があらわになっていく。
(私、いつまでこんな格好を……)
突然に自分の体勢が恥ずかしくなり、私はジルの上から降りようとした。
ジル「どこへ行くのですか?」
「お、お水を……」
ジル「行かないでください」
恥ずかしさに目を瞬かせている私の首に手を回すと、
ジルは私の首の後ろをそっと引き寄せ、唇を優しく奪う。
そのまま抱きしめられた私は、ジルの裸の胸の体温を、頬に感じた。
ジル「しばらく、このようにしていたい」
(ジルの鼓動が早い……それに、体もやっぱり熱いみたい)
(私のせいだもん……逆らえないよ……)
跳ねる胸を抑えてそのままじっとしていると、ジルの指が優しく私の髪をなでる。
ジル「今夜は、ずっとついていて下さるのでしょう?」
少し掠れたジルの声が、私の胸を締め付ける。
返事の代わりに微かに頷くと、私はジルの額に手を当てた。
「でも、まずはお水を取りに行かせてください」
「明日の公務に響くといけませんから」
少しだけジルの声をまねて言うと、ジルは目を細め、クスクスと笑い声を立てる。
同時に抱き締めていた腕がゆるめられ、私は机の上の水差しを手に取った。
「どうぞ」
グラスに注いだ水を差し出すと、ジルが困ったように眉を寄せる。
ジル「ああ、とても起き上がれそうにありません」
ジル「飲ませてくださいますか?」
そこでジルの口元にグラスを当てようとすると、
ジルは口元ににっこりと微笑みを浮かべ、首を振った。
ジル「そうではありません」
ジルは私の口にグラスを押しつけ、水を含ませると、
「……っ」
私の首を引き寄せて唇を奪う。
「……!ジルっ」
ジル「……おかげで少し気分がよくなりました」
ジル「もっと、飲ませてください」
戸惑い頬を染める私に、ジルは優雅にそうねだった…―。
ジル「カレン?」
(私のために、あんなに無理してくれたんだから……)
再び水を口に含むと、私は恥ずかしさを抑え、そっとジルに口づけをした。
「ん……っ」
水を飲み終えると、ジルは私を抱き締め、唇に深く舌を割りいれる。
「……っ」
そのまま私のドレスのリボンに手をかけると、
ジルは抗って身じろぎをする私に構うことなく、ドレスを脱がせていった。
ジル「貴女が侯爵と過ごしている間、私は気が気でなかった。」
ジル「貴女の事ばかり考えて、公務をないがしろにするなど……」
ジル「教育係としてふさわしくない行いまでしてしまいました」
ジル「貴女は、今日一日何を考えていたのですか?」
露になった私の肩にキスをしながら、ジルが静かに尋ねる。
「私も、ジルの事を……」
ジルの唇が段々と下へと降りて行き、私の答えは吐息にかき消される。
ジル「お酒のせいでしょうか……」
ジル「どうやら今夜の私は、いつもに増して愛を確かめずにいられない」
ジル「言葉では、足りないようです」
「ジル……?」
ジル「貴女が私のものだという確信が欲しい」
ジルの瞳に微笑みはなく、その真剣な眼差しは、私の胸を甘やかな切なさで満たす。
ジル「いつも私が欲しがっているばかりなので…」
(そんなことない……)
ジル「今日は貴女の気持ちを見たいのです」
私に触れるジルの手はいつもよりも熱を帯びていて、
私の胸の下の鼓動はいつもよりも早い。
そのことに改めて気がつくと、私はジルに自分から口づけずにはいられなかった。
(酔っぱらったジルって、ちょっとかわいい……)
いつもジルがしてくれるように、私はそっとジルの肌を撫で、胸元にキスを落とす。
(ジルのお願い、叶えてあげたい……)
キスの度に微かに息を乱すジルが愛しくて、私は何度もキスを繰り返した。
ジルは応えるように私の体に口づけを落とし、
その度に私は思考をさらわれ、動きを止めてしまう。
ジル「……やはり、どうしてもこうなってしまうのですね」
ジルの優しい笑い声にはっと気がつくと、私はいつの間にか瞳を閉じていて、
ジルの愛おしげな瞳が、甘い吐息をこぼす私を見つめていた。
ジル「カレン……誰にも渡したくない」
ジルの腕が私を強く抱きしめ、私はジルの背中にそっと手を添える。
(ジルのところにかえってこられてよかった…)
(ジルと一緒にいる時が、私は一番幸せ……)
朝の光が部屋を満たすまで、私はその日、ジルの腕の中で幸せを感じていた…―。
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おわり
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