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*Love Holic ジル編 Sweet End*

2014-04-24 10:07:00 | イケメン王宮☆Love Holic

お城へ戻ると、私は酔いのまわったジルをベッドに寝かせた。

「ジル、待っていてくださいね。今お水を……」

そうしてお水を取りに行こうとすると……

「あっ」

私は手首を掴まれ、ベッドへと引き戻されてしまう。

そのままジルに抱きかかえられ、気づいたときには私はジルの上に座らされていた。

ジル「貴女にそんなことをさせるわけにはいきません。それより……」

戸惑う私の靴を脱がせ、ジルの指が私の靴下を下ろしていく。

「ジルっ。気分が悪くなったら大変です」

頬を染めつつも必死に押しとどめると、ジルは不思議そうに私の瞳を覗き込んだ。

「私のせいで、あんなにたくさんお酒を飲ませてしまったのですから」

「せめて、看病くらいさせてください」

必死に言う私に、ジルはにっこりと笑いかける。

ジル「……では、お言葉に甘えて」

ジル「服を脱がせてくださいますか?」

(え……っ!)

ジル「どうしたのですか?看病をしてくださるのでしょう?」

下から私を見上げながら、ジルが続ける。

ジル「首もとが締め付けられて苦しいと思っていたところです」

(恥ずかしいけど、ちゃんと看病しなきゃ……)

恥ずかしい気持ちを抑えて、私は小さく頷いた。

ジル「ありがとうございます」


ジルのシャツのボタンを外していくと、

いつもよりも上気したジルの肌があらわになっていく。

(私、いつまでこんな格好を……)

突然に自分の体勢が恥ずかしくなり、私はジルの上から降りようとした。

ジル「どこへ行くのですか?」

「お、お水を……」

ジル「行かないでください」



恥ずかしさに目を瞬かせている私の首に手を回すと、

ジルは私の首の後ろをそっと引き寄せ、唇を優しく奪う。

そのまま抱きしめられた私は、ジルの裸の胸の体温を、頬に感じた。

ジル「しばらく、このようにしていたい」

(ジルの鼓動が早い……それに、体もやっぱり熱いみたい)

(私のせいだもん……逆らえないよ……)

跳ねる胸を抑えてそのままじっとしていると、ジルの指が優しく私の髪をなでる。

ジル「今夜は、ずっとついていて下さるのでしょう?」

少し掠れたジルの声が、私の胸を締め付ける。

返事の代わりに微かに頷くと、私はジルの額に手を当てた。

「でも、まずはお水を取りに行かせてください」

「明日の公務に響くといけませんから」

少しだけジルの声をまねて言うと、ジルは目を細め、クスクスと笑い声を立てる。

同時に抱き締めていた腕がゆるめられ、私は机の上の水差しを手に取った。

「どうぞ」

グラスに注いだ水を差し出すと、ジルが困ったように眉を寄せる。

ジル「ああ、とても起き上がれそうにありません」

ジル「飲ませてくださいますか?」

そこでジルの口元にグラスを当てようとすると、

ジルは口元ににっこりと微笑みを浮かべ、首を振った。

ジル「そうではありません」

ジルは私の口にグラスを押しつけ、水を含ませると、

「……っ」

私の首を引き寄せて唇を奪う。

「……!ジルっ」

ジル「……おかげで少し気分がよくなりました」

ジル「もっと、飲ませてください」

戸惑い頬を染める私に、ジルは優雅にそうねだった…―。


ジル「カレン?」

(私のために、あんなに無理してくれたんだから……)

再び水を口に含むと、私は恥ずかしさを抑え、そっとジルに口づけをした。

「ん……っ」

水を飲み終えると、ジルは私を抱き締め、唇に深く舌を割りいれる。

「……っ」

そのまま私のドレスのリボンに手をかけると、

ジルは抗って身じろぎをする私に構うことなく、ドレスを脱がせていった。

ジル「貴女が侯爵と過ごしている間、私は気が気でなかった。」

ジル「貴女の事ばかり考えて、公務をないがしろにするなど……」

ジル「教育係としてふさわしくない行いまでしてしまいました」

ジル「貴女は、今日一日何を考えていたのですか?」

露になった私の肩にキスをしながら、ジルが静かに尋ねる。

「私も、ジルの事を……」

ジルの唇が段々と下へと降りて行き、私の答えは吐息にかき消される。

ジル「お酒のせいでしょうか……」

ジル「どうやら今夜の私は、いつもに増して愛を確かめずにいられない」



ジル「言葉では、足りないようです」

「ジル……?」

ジル「貴女が私のものだという確信が欲しい」

ジルの瞳に微笑みはなく、その真剣な眼差しは、私の胸を甘やかな切なさで満たす。

ジル「いつも私が欲しがっているばかりなので…」

(そんなことない……)

ジル「今日は貴女の気持ちを見たいのです」

私に触れるジルの手はいつもよりも熱を帯びていて、

私の胸の下の鼓動はいつもよりも早い。

そのことに改めて気がつくと、私はジルに自分から口づけずにはいられなかった。

(酔っぱらったジルって、ちょっとかわいい……)

いつもジルがしてくれるように、私はそっとジルの肌を撫で、胸元にキスを落とす。

(ジルのお願い、叶えてあげたい……)

キスの度に微かに息を乱すジルが愛しくて、私は何度もキスを繰り返した。

ジルは応えるように私の体に口づけを落とし、

その度に私は思考をさらわれ、動きを止めてしまう。

ジル「……やはり、どうしてもこうなってしまうのですね」

ジルの優しい笑い声にはっと気がつくと、私はいつの間にか瞳を閉じていて、

ジルの愛おしげな瞳が、甘い吐息をこぼす私を見つめていた。

ジル「カレン……誰にも渡したくない」

ジルの腕が私を強く抱きしめ、私はジルの背中にそっと手を添える。

(ジルのところにかえってこられてよかった…)

(ジルと一緒にいる時が、私は一番幸せ……)

朝の光が部屋を満たすまで、私はその日、ジルの腕の中で幸せを感じていた…―。




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おわり

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