goo blog サービス終了のお知らせ 

Mr.トリックの科学・自然・子育て論議

どんな科学マジックでもすぐそのトリックが見破られるMr.トリックが、科学や自然それに子育てについて語ります。

もっと魅力あふれる自然体験塾へ 3年目の挑戦

2023-03-10 14:19:35 | 日記

  「もっと秋田の子どもたちに自然体験をさせたい」と願い、始めた「釣りキチ三平の里自然体験塾」(以下、「体験塾」と記述)が3年目に入ろうとしている。
1年目は、コロナ禍のため中止となった2回をのぞき、ちょうど10回。
2年目は、計画を立てた10回を無事終了することができた。
1年目である2021年度は、子ども単独含む親子が43組の延べ人数115名、2年目である2022年度は、子ども単独含む親子が30組の延べ126名が参加してくれた。
2年間で、リピーターも誕生した。
少なくとも4組の親子が毎回参加してくれるようになった。
もし、体験塾を実施していなければ、この4組の親子に出会うこともなかったかもしれない。
それを考えるならば、試行錯誤の2年間であったが、続けてきて良かったなとしみじみ思う。
また、延べ人数だが、毎年100名以上の親子が参加してくれたことにただ感謝するのみである。
さらに、2年間、毎回ガイド役を務めてくれた増田ネイチャークラブ(MNC)のメンバーが何回か親子や子どもを相手にする中で、スキルや自信を深めてくれたのがうれしい。
子どももそうだ。
明らかに2年間で自然と向き合う楽しさを感じてくれた子がいること自体、自画自賛であるがすごいことだと思う。
そもそもこの体験塾を始めるようになったきっかけは、主催者である「釣りキチ三平の里体験学習館」に声をかけられ、夏休み子ども教室のガイドをしたことがきっかけである。
夏休みの一日、自然体験をやることがどれだけ子どもたちにとって価値あることか感じていた。
それをもっと継続的に季節に応じた体験活動ができないだろうかと相談させてもらったのである。
幸い、担当の古谷さんは、昔からの知り合いで快く応じてくれた。
フィールドも特別な観光地でなくとも有名地でなくてもよい。
むしろ、ごくありふれた里山や森をフィールドとしたいのである。
そこにこそ、地域に宝があるのだということを感じてもらいたかったからである。
2021年度第1回目の体験塾は、体験学習館周辺の自然観察であった。
このときの感動は今でも昨日のことのように覚えている。
始めは、私が主導で、自然観察していたのだが、後半釣り堀池のところに下りたところで一人の子どもがアカハライモリを見つけた。
さあ、それからが子どもたちが主役である。
皆が皆、池に入ってはイモリを捕まえる。
おそらく生まれて初めての子が多いのだろう。
皆、興奮気味である。
これは、イモリを捕まえることだけが目的ではない。
泥や砂がたっぷり入った池に入り、イモリを探し、捕まえようとする体験自体が大事なのだ。
子どもたちは、興奮冷めやらぬ姿で帰って行った。
これで、体験塾は毎回大盛況だろうなと感じた。
ところが、2回目以降、参加者は必ずしも伸びなかった。
7月のハッチョウトンボの住む湿原には、コロナ禍の影も忍び寄り、参加者は8人となった。
8月の登山を含む1泊2日のキャンプは泊まりがあることでお断りしなければならないほどの人気だったが、9月には参加者数が6名、10月のハイキングは18名とやや持ち直したものの11月には5名、1月の室内ワークショップに至っては3名となった。
いずれも定員20名である。
私の気持ちも落ち込んだ。
やはり体験塾をこの地域で根付かせるには無理なのだろうかとも考えてしまった。
一時、いっそのことやめてしまった方が楽なのではとも考えた。
続けるにしても自分には、何が足りないのだろうかともんもんと考える日が続いた。
2年目は、1年目がすべて子どもだけの参加者であったのに対し、隔月で親子・子どもと変えながら実施していくこととした。
相変わらず、子どもだけの参加者の時は少ないが、親子となると参加者は増えた。
もちろん、コロナ禍の影響は大きかった。
どれだけ、コロナのため、参加できなくなったという理由によるキャンセルが多かったことか。
それでも毎回実施することで、先述した通りリピーターも生まれてきたのである。
課題は相変わらず多い。
昨年の秋田駒ヶ岳登山のことである。
途中、1組の親子に会った。
その親子から聞かれた。
「いったい、何の団体ですか?」
と。
聞けば親子は横手市内の小学生親子である。
「釣りキチ三平の里自然体験塾ですよ。知っているでしょう?」
ところが、この親子は全くその名前すら聞いたことがないという。
あれほど市報や新聞などメディアから宣伝されていても登山する親子にも知られていなかったのかとショックだった。
宣伝の仕方も考えねばと考えた。
あとは、もっと魅力的なプログラムにするにはどうしたら良いかという課題である。
幸い、講師役を務める他のメンバーには楽しい発想をする方も多い。
ヒントとなることが多い。
昨年の1回目となる体験塾では、メンバーの発想により、親子で肥料袋を使ったお尻滑りが好評であった。
私には思いつかなかった発想である。
また、7月の狙半内川に入った時には水生生物に詳しいメンバーがガイドを務めてくれて、私の苦手な分野を大いにサポートしてくれた。
橋の上からは、暖かく見守る地域の方や親御さんに励まされたことが印象的だった。
室内のワークショップでは、私には決してできないであろう、講師となる方の見事な作品とその指導に子どもたちも喜んだ。
今年度最後となる10回目は、私は母の逝去の日と重なってしまったが、運良く前日もう一人のガイドと下見をしたことにより、その方が見事に講師役を務めておられたようだ。

毎回試行錯誤の連続であったが、2年目を終え、いよいよ3年目を迎える体験塾。
次のような周知で試みることにした。
①(8月のキャンプをのぞき)毎回、子どもだけでも親子のどちらでも参加して良いこととする。
②(4月始めに)横手市内の全小学生(4000名弱)に年間の体験塾計画表をわたす。
③体験塾の魅力を、メディアを始め様々な方法でより広く発信し続ける。
④子育てグループや自然愛好団体などより多くの団体と連携していきながらよりよい内容の向上を目指す。
⑤リピーターの親子の数を増やすと共に新規の参加者を増やす。
⑥「大人のための自然体験塾」を6月に実施し、楽しさを大人の方にも感じてもらうと共に参加された方からもまわりの親子に呼びかけていただく。
などである。

先日、隣の村の児童館に宣伝に訪れた際、職員の一人がたまたま知り合いだったこともあり、チラシを見て「コピーして全員にわたしますよ。」と話してくれた。
少なからぬ方が応援してくれていると感じた瞬間であった。
体験塾のみならず、私が関わる自然体験活動に5年間参加している中学生が学校に出した作文に次のようなことを書いてくれたという。
「ぼくも将来、酒井先生のように小さな子どもたちを相手に自然観察会をやりたい。」
と。
このような子も生まれているのだ。
落ち込んでいる時間などないのである。

まだまだ活動の輪は小さいが、より広がりができて「自然の中でこそ子どもはよりよく育つ」ことが多くの方に実感できるようになることを夢見ている。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿