aiubisの岡目八目のひとりごと

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年金に対する不安と総選挙

2009-07-20 | 国際・政治

明日衆議院が解散され、8月末に総選挙が行われることになる。2大政党に近い形で政権選択が行われるようになるのは戦後ほぼ初めてではないだろうか。TVニュースなどで有権者の声が取り上げられることも多い。なるほどと思える意見・コメントも多いが、一つ気になるものがある。「年金が不安だ」という年金に関する意見だ。

しかし、コメントを出している視聴者には失礼ながら、これは責任を持った有権者の意見だとはいえないのではないかと個人的には思っている。日本の公的年金は、世代間扶養の性格が強く、若年人口が減ると保険料を払って年金を支える人数が減るため、年金の削減や保険料の値上げが行われることとなる。マクロ経済スライドなどの名前で年金の実質的引き下げが行われてきたのは記憶に新しい。一般の人々は徐々に負担が増えていって困る人がでてくるぐらいのイメージでとらえているのだと思う。

しかし、最近専門家の言葉として伝え聞くところによると、10代の若者が年金保険料を支払って制度を支える年齢になるころには、税金や年金保険料などの公的負担率が所得の7割近くになるらしい。そうなれば、制度がうまく機能しなくなるのではないかと危惧している。将来の働き手が月にいくらもらえるのか私にはわからないが、仮に45万円の所得があっても7割天引きが行われるのであれば13.5万円の手取りしかなくなる。それで家族を養い、子供を育てていくことはできるのだろうか。

このような状況が出現するとすれば、年金をもらうほうも安心してはいられないと思う。こうした状況は税金によって基礎年金を賄うようにするなどの政策を実施すれば変わってくるのだろうとは思うが、深刻な状況であることには違いないだろう。

以前の記事でも紹介したが、普通の人々も「だまされないための年金・医療・介護入門」(鈴木亘著)などを読んで、土台となるような知識を持った上で、政治家や官僚たちに意見を言っていくべきではないだろうか。不安だ不安だと言っているばかりだと、「百年安心」などというプランがでてきて、とりあえず安心だという幻想をいただかされることになるのだと思う。「現在の制度はそのうち立ち行かなくなると思うが、どのように問題を解決しようと考えているのか」ぐらいは候補者たちやマスメディアに対して言うべきだろう。社会の中堅を担っている人々は自分は逃げ切り組だと思っているのかもしれないが、現在生きている世代で、年金を受け取って逃げ切ることができる世代は限られるような気がする。

コンピュータについて、Garbage-in garbage-outという言葉がある。ゴミのようなものを入れると、分析結果もごみのようなものになるという意味だと理解している。これと同じようなことが、議会制民主主義についてもいえるのではないだろうか。有権者が的確な知識を持って、政治家に意見を突きつけていけば、それなりのアウトプットが返ってくるのではないだろうか。今度の総選挙では、その辺りのことも念頭において、行動していきたいものだ。

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http://otsu.seesaa.net/article/121327299.html

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