文王西伯候姫昌
太公望呂尚 との会話
君子は志を得るのを楽しみとする
天下人になりたいというだけでは天下人になれぬ。
天下は一人の天下ではない。天下の天下だから。
天下に臨む道とは。
天下の利を分かち合えば天下は保ち
天下の利を一人占めにするものは天下を失う。
ゆえに天子は四海の富を持つというのは心得違いである。
どのようにして天下の利を分かつことができるのでしょうか。
仁・義・道・徳を正すべき
仁とは天下を治める時天下の財を自分のものと考えず能あるものにも
分け与えることである、
義とは人によって分け隔てがあってはならぬ。憂・楽・好・憎は
身分の上下に係わらず同じとしなければならない。
人間は誰しも死を悲しみ生を楽しむ。徳をつめば人々は
感謝の気持ちで返してくる。これは国の利であり道である。
徳とは身を飾るものではない。人の命を大切にし人の難を解いてやり、
人の患いを救うことを実行すればおのずから身についてくる
ものである。
この仁義道徳を基本とすれば天下に臨めよう。
政治とは格好よく理想の追求だけで済むものではない。
現実を見つめて処理するのも政治である。