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平成最後の12月 その7 《仕事》

2018年12月26日 | 雑記
堺市立図書館にあると以前のブログで書きました
「仕事!」晶文社 スタッズ・ターケル著

 私の勘違いで、大阪府立図書館にあります。堺市中央図書館でも取り寄せてもらい
借りました。(以下写真の本)

700ページ以上の本です。様々な職業人にインタビューしていますが

ある職種の人は除外しています、
それは巧妙な弁舌、プロのおしゃべり(ジャーナリスト・牧師・政治家・医師・物書きetc)
はインタビューに入っていません。

様ざまな職種の中で働く人間の苦悩は多いものですが、

しかし、その中でも少ないですが、
じぶんの日々の仕事に魅力を発見している幸せな人もあります。

例えば、自分の作品を見て満足していたインディアナ州の石工

気持ちの良い音を求め手に入れるシカゴのピアノ調律師

ひとつの命を救うブルックリンの消防士・・・・・

これら少数の職業人に共通するもの、ターケルは書の中でこう書いています。

「仕事そのものというより、その人の人柄が感じられる」
「賃金以上のそれをこえる立派な仕事をしようとする意志だ。」と。












p698より引用

消防士 トム・パトリック

『おれはガキのころ、高いところがすごく苦手だった。消防署にいると、五階のビルにロープ一本
からだにまいてのぼらなくちゃならない。
ビルからとびおりたりもする。
ロープは1600ポンドでも大丈夫に出来ている。自分の肉体に自信があり、
仲間が支えてくれるってわかってれば、こわくなんかない。
大勢に見つめられながら仕事をするわけだ・・

先月、おれが非番の時、第二警報が鳴った。
大急ぎでかけつけると、消防士が数名屋根にいるのがみえた。

まわりから煙がでてる。炎が見える。
でもやつらは中へ入っていく。それが俺をワクワクさせやがるんだ。
チキショー、おれも同じことをやってやるんだって。
やつらの表情に、おれはまるっきりイカレちまう。
やつらにみている、その誇りってのがおれにも見えるんだ。

このクソくらえの世界はどうしようもなくクソくらえだ。
この国もクソくらえだ。
でも消防士。
こいつらはべつだ。

やつらはなにかを生み出している。それが現実にみえる。
火を消すのがみえる。
手に赤ん坊をかかえて出てくるのが見える。
人が死にかけていれば、口うつしをするのが見える。
こいつだけはごまかしようがない。ほんものさ。

おれはそうなりたいんだ。
銀行で働いたこともあるけどね。
わかるだろう、紙ばかりさ。
そんなのは、ほんものじゃない。
九時~五時、クソくらえだ。

数字ばかりにらんでいる。でもおれはふりかえって、こういうことができる。

「おれは火を消すのに手を借した。おれはだれそれを救い出したって」ってね。

それこそが、おれがこの地上で何かをした証拠さ』




大阪府立消防学校訓練披露その4


第99回 消防学校訓練披露・卒業式.《大阪2016年3月》


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