合気道鴻心館《明月会》Meigetsukai

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内弟子.8

2017年05月28日 | 合気道
H26年11月以来の「内弟子」シリーズ

今回は、"祖父最後の内弟子"

私の祖父、銀一は和歌山県で最後の鍛冶屋でした。

鍛冶場は、海南市井田に私が22才の時までありました。

田辺藩おかかえの刀鍛冶である師匠を持った

祖父のうつ刃物は切れ味が違うと評判でしたが、

そんな祖父の最後のお弟子さん。(通い弟子)

その方は近所の農家の跡取り息子さん。

なんでも農具の手入れなど自分でしたいとの理由で

頼み込んで祖父に弟子いりしました。

それまでのお弟子さんたちと違い

住み込みではなく、お昼も自宅に食べに帰られていました。

そのお弟子さんには、祖父はあまり厳しいことは言わず

3年ほど教えていたのです。

なぜ、厳しく教えなかったのか?

それはその最後のお弟子さんは

農業という仕事をきちんともっていたからです。

それは武道の内弟子と練習生の違いと同じようなもの。

その道で一人前になるよう、

生きていけるように鍛冶技術を身につけさせるためなのか

自分が使う範囲で、鍬や鎌なと農具を補修することなのか

その差です。

私は、高校生の時には祖父宅で

向う鎚(鍛冶の仕事)をして手伝ってたこともあります。

祖母と一緒にお客さん宅へ配達に付いていったり

物心ついてから鍛冶の仕事を見てきて

鍛冶の技術を覚えることも大切ですが

人として生きていけるように教育することをお弟子さんに対してしていたと思います。

祖父が親方として叱り飛ばすときは

「自分はちゃんとわかっている」とか

「私は正しい」と自己主張した時。

お前は一人前じゃないのに、口ごたえするなということです。

他にも厳しいこともありますが

コトバで書いても正確には伝わらないので割愛しますが

内弟子として修行するのは並大抵なことではないのです。









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