透明人間たちのひとりごと

-  声 -

 ただ、その声が聞きたくてCDをかけることがある。
 あるいは、たったワンフレーズ聞いただけで誰が歌っているのか分かる。

 そういうボーカルが好き。

 声紋、というのがあって、指紋と同じようにひとりひとり声というものは違うみたいだ。
 とても不思議。

 店にいって、店員の声が無性に気に障ることがある。
 逆に、その声がとても魅力的で、ずっと聞いていたいと思うこともある。
 
 才能、なのだろうか。

「なんかさ、お前の話し方が気に入らんねん」
 と、言われたことがある。
「いちいちムカツク」
 だ、そうだ。

 録音して、聞いて、直そうとした時期があった。
 とても神経質になる。

 今ではそんなことはしていない。
 変わりに、自分の歌声にピリピリしている。
 訳が分からなくなる。
 音程、ピッチ、フォルマント、チェストなのかファルセットなのか、胸に響かせるのか頭に響かせるのか、息の量は、声量は、音の切り方、スタッカート的に発声するのか、伸ばすのか、ビブラートのオン・オフ、あるいはそのタイプ、舌の位置、母音と子音のタイミング、歌詞の意味、感情、などなど…
 歌いながら沢山のことを考える。
 今ではそれを無意識下に落とそうとしているけど、正直にいってどれがいいのかが分からなくなる。

 でもきっと、人を感動させる声は、そういう技巧的なことではないのだろう。


 昨日、『BECK』を読みながらあれこれ考えてました。

 おわり。
 

コメント一覧

japan-aid
玲凛さん、お初です。
コメントありがとうございます。

玲凜
http://sky.ap.teacup.com/viosky/
こんにちは。散歩しております。-声って不思議ですよね。
おじゃま致しました。
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