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透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 受膏者(改)

 「受膏者」、まさに、そんなブログの引っ越し作業の結果、

100を超える記事の画像が表示できなくなり、非公開としました。

記憶を呼び起こしつつ、漸次、復活・再生させるつもりですが、

正直、皆目見当のつかない画像も多々あります。

 

ダ・ヴィンチの罠 受膏者 - 透明人間たちのひとりごと

このページの画像は、故あって表示されませんが、連続性を担保する意味合いからも、そのままで公開し、別途、新しく作り直すことにしました。同じ内容ですが、画像はその限...

goo blog

 

 url『ダ・ヴィンチの罠 受膏者』 

 上記のように、連続性を維持することは、このシリーズの

重要なファクターですので、時間がかかっても復活・再生を

果たさなければならないのですが、漸くこれで56作目です。

 さてと、それでは、ここからが、

『ダ・ヴィンチの罠 受膏者(改)』

 の記事になります。

 (以下、本文)

 

 『ダニエル書』9:26の最初のフレーズ、

 その六十二週の後、

 「膏そそがれた者(メシア)は
断たれ、彼には何も残らない」


 このとは、

 いったいのことを指しているのか

 聖書信奉者が100人いれば、おそらくは
100人が全員もれなくイエスの名を挙げ、


          「ユダのライオン」 www.pxfuel.com

 聖書の研究者にしても、大多数の者が
それはイエスであると言うでしょう。


   「ユダのライオン」「神の子羊」 twitter.com

 すなわち、「ユダのライオン」
「神の子羊」としてのイエスです。

 しかし、ダ・ヴィンチは違いました。

 この受膏者洗礼者ヨハネだと、

 考えてもみてください。

 「彼には何も残らない」のです。

 さて、 

 『ダニエル書』に限らず『聖書』
は微妙に異なる意訳が多々見られます。
 

     『ダニエル書』 i.ytimg.com
                          
 もちろん、翻訳の仕方よって、それらは
大きく違った意味にも、あるいは、まるで
逆の趣旨にも感じられるものもあります。

 冒頭の一節は 【新改訳改訂第3版】
ですが、他の『聖書』でのその部分は
 
 「その六十二週の後にメシアは断たれ
 るでしょう。 ただし自分のためにでは
 ありません」   (口語訳)

 と、なっています。


    出典:www.mustardseedosaka.com

 その他にも 【新改訳改訂第3版】では

 「あなたの民とあなたの聖なる都につい
 ては、七十週が定められている。
 
 それはそむきをやめさせ、罪を終わらせ、
 咎を贖(あがな)い、永遠の義をもたらし、
 預言とを確証し、至聖所膏を
 そそぐためである」

   (ダニエル書 9:24)


           古代のエルサレム jollyboy.sakura.ne.jp

 「あなたの民」とはユダヤ人のことで、
「あなたの聖なる都」とはエルサレム
のことをさしています。

 この節においても多くの『聖書』では、

 この「七十週が定められている」の後は、

 「これはとがを終らせ、罪に終りを告げ、
 不義をあがない、永遠の義をもたらし、
 預言者じ、いと聖なる者に
 油をそそぐためです」  (口語訳)

 と、なっていて、主に下線部分に大きな
相違が見られます。

 一方は、

 預言確証し、膏を至聖所
そそぐためであり、

 もう一方では、

 預言者じ、油をなる
にそそぐためとなっています。

 片や、幻と預言の数々を確実に証明し、
至聖所に膏をそそぐ ・・・


   神の栄光 gaiuslawrence.com

 つまり、「幻と預言とを確証する」とは
『聖書』のすべての預言成就
することで、「至聖所に膏をそそぐ」とは
神の栄光の光(シャカイナ・グローリー)を
見ることですから、この聖句の場合には、


 シャカイナ・グローリー adonaiquovadis.hatenablog.com

 現在においても、未だ、その成就を見ない
でいることを意味します。 


    神の栄光イメージ crossroadchapel.jp

 片や、幻と預言者の現出を封印して、最も
聖なる者に油をそそぐ ・・・

 つまり、

 「幻と預言者とを封じる」とは、
「神」からの天啓的な幻と預言者を
これ以後には出現させないことを意味し、

 「いと聖なる者に油をそそぐ」とは
最も聖なる者をメシアにすることです。

 そのいずれにせよ、これはダニエルの
祈りに対し、大天使ガブリエルが語った
「神」の約束の言葉ですが、

  
 神の約束 (アーメン)mikotoba.org

 ダ・ヴィンチはそのどちらの解釈ともに
微妙な間違いがあると考えたようです。

 一般に、

 『旧約聖書』の『ダニエル書』9章
は、メシア到来の時期と十字架上での死、
そして、終末出来事を語ったもので
「七十週預言」として有名ですが、

 いかなる状況下での話かと言うと、

 イスラエルの民が「神」に従わずに、
罪を犯していることを嘆いたダニエルが、

  
  神に祈るダニエル www.bfpj.org

 その行いが「神」の目に「悪」なる
ものとなれば、イスラエルのユダヤ人は
「選民」ではなくなり、約束されていた
メシアの到来も反古にされると憂いて
一心不乱に祈りを捧げていたところに
ガブリエルが現れて「神」の言葉
を告げるという設定です。

 その意味では、直前の「永遠の義」
も未だにもたらされてはいませんが

 それでは、『ダニエル書』

ダニエル書 Daniel Series — MUSTARD SEED クリスチャン教会
 出典:www.mustardseedosaka.com

 第9章の頭の部分から見てみましょう。

 「メディア族のアハシュエロスの子ダリヨス
 が、カルデア人の王になったその元年、」
     (ダニエル書 9:1)

 「すなわち、その治世の第一年に、わたし、
 ダニエルは、預言者エレミヤにあった主の
 言葉によって エルサレムの荒廃が終わる
 までの年数が七十年であることを、文書
 によって悟った」  (ダニエル書 9:2)

 とあります。

 バビロンの王ベルシャザルが殺害されて
ダリヨスが王となり、そこでダニエルは大臣
になりますが、おそらく、それはエルサレム
帰還の1-2年前のことだったと思われます。

 ここでエルサレムの荒廃が終わるまでの
年数が七十年であるとは、バビロン捕囚
の後、七十年でエルサレムに帰還できると
いう約束のなかで「神」が語った言葉で
あって、メシア出現終末を告げる
「七十週預言」と直接関係するもの
ではありません。

 「神」の計画通りにエルサレムへの
帰還は成就しますが、


   エルサレム帰還後の神殿の再建 blog.livedoor,jp

 問題はダニエルの祈りにありました。

 七十年を経ての「神」による救済計画
には「(私を)呼び求めて歩き、祈るなら」、
また「心を尽くして、探し求めるならば」と
いう願い、求め、祈る、ことが条件でした。

 ですから、ダニエルはただひたすらに
未来でのメシアの来臨が必ずや成就される
ようにと祈り続けていたわけです。

 『ダニエル書』の場面設定はおおむね
バビロンの捕囚時代(前605年ー539年)の
バビロンが舞台です。


   バビロン捕囚 wikipedia

 バビロンの第一次捕囚を前597年とする
のが普通ですが、ダニエルたち一部の
有能な者を連れ去ったのは前605年で、

   第一次捕囚 B.C.605年、
   第二次捕囚 B.C.597年、
   第三次捕囚 B.C.586年、
   第四次捕囚 B.C.583年、
 
 都合4回の捕囚があったというのが小生
の見方です。

 『ダニエル書』は、『旧約聖書』の正典
の一書ですが、アカデミズム的な見解では
紀元前164年の前半ごろに書かれたものと
の推測が主流のようです。


   『アレクサンドロス大王の前に出たダレイオスの家族』
   パオロ・ヴェロネーゼ 1565-1570年頃 ja.wikipedia.org

 それというのも、紀元前323年6月10日に
アレクサンドロス大王バビロン
急逝してから、パレスチナ(ユダヤ)の地は
エジプトプトレマイオス王朝の支配
の下に置かれていました。


     アンティオコス3世のテトラドラクマ銀貨 fujitaku.typepad.jp

 紀元前198年にセレウコス朝シリア
アンティオコス3世がパレスチナを支配下
に置くと比較的平和だった時代から事態は
一変することになります。

 エルサレムを占領したアンティオコス4世
エピファネスは エルサレム神殿を略奪、
ユダヤ教を迫害し、偶像崇拝を強要します。


 アンティオコス4世 エピファネス BC164-175年 

 エピファネスによるユダヤ教の弾圧に
対し、紀元前167年~164年にかけ、ユダヤ
側からの激しい抵抗運動が起こります。

 所謂(いわゆる)、「マカバイ戦争」
(マカバイの反乱)ですが、『ダニエル書』
もまた、こうした状況下における抵抗文学と
して、ユダ・マカバイとは別のグループ
(共同体)によって書かれたものとの見方が
大勢のようです。

 つまり、


      ユダ・マカバイの勝利 ギュスターヴ・ドレ画

 それは実際の出来事をベースに預言が
組み立てられたようで、エピファネスが
最初にエルサレムを襲ったのは前169
で、前167年の2度目のエルサレム襲撃
からユダヤ教に対する全面的な迫害が
始まるわけですが、

 この後、およそ3年半あまりの期間を経て
エルサレムが解放され 神殿が浄められる
のが前164年のことです。

 8章13-14節にある「2300の夕と朝」
を日に換算すれば1150日ですから、3年
少々ですが、この間に「荒らすことをなす
罪と聖所とその衆群がわたされ」
(8:13)

 12章11-12節 の

 「荒らす憎むべきものが立てられる
時から、
1290日が定められている」

ダニエル書 - YouTube
 『ダニエル書』 www.youtube.com

 そして、さらに、

 「待っていて1335日にいたる者は
さいわいです」
とは、エピファネスが
ユダヤ教の迫害を始めてから3年8か月
あまりを経て、エルサレムの神殿が回復
されたことを示すとの解釈であって、

(この祝いがユダヤ教の神殿奉献祭です)

 これらの記述から、『ダニエル書』は
弾圧が始まり、迫害が3年目に入った頃
(前164年の前半)に書き始められ、3年
半ほどして、纏(まと)め上げられたもの
(後に加筆あり)と推定されるわけです。
 
 ところが

 『新約聖書』と違って『旧約聖書』
は甚だ寛容なレオナルド・ダ・ヴィンチは、

 ダニエルなる者が、「バビロン捕囚」の
終わりの時代にバビロンの地で、この書を
記したものとして推理を展開したようで、

 『ダニエル書』の記述内容(私訳)も、


  『ダニエル書』70週預言 www.youtube.com

 「あなたの民と、あなたの聖なる都に
 ついては七十週が定められている。

 これは、

 背きをやめさせ、罪に終わりを告げ、
 以って不義をあがない、永遠の義を
 もたらし、幻と預言とを封じ、至聖所
 に膏をそそぐためである」(9章24節)

 「それゆえ、エルサレムを建て直せと
 いう命令が出てから、メシアなるひとり
 の君が来るまで、七週と六十二週ある
 ことを知り、かつ悟りなさい。その間に
 しかも苦しみの時代に、エルサレムは
 広場と堀が建て直される」(9章25節)

 「その六十二週の後、膏そそがれた者
 は断たれ、彼には何も残らない。 また
 来たるべき君の民は、町と聖所を破壊
 する。 終わりは、洪水のように起こり、
 その終わりまで戦いが続いて、荒廃が
 定められている」  (9章26節)

 「彼は一週の間、多くの者と堅い契約
 を結び、半週の間、いけにえと捧げ物
 とをやめさせる。荒らす者が忌むべき
 者の翼に現れる。 ついに定められた
 絶滅が、荒らす者の上にふりかかる」

   (ダニエル書9章24-27節)

 
        古代ユダヤ教における燔祭(動物の犠牲)の儀式
  
 といった私的な翻訳で、その解釈も、

 24節については、これまでの罪や不義
なる行いをイスラエルの民が悔い改める
 つまり、改心するのならば「神」
約束において、不義(あがな)い
永遠をもたらすと言っているので
あって、下線の部分は七十週の期間が
終わるまでに「神」が執り行う行為
目的を述べているとしたわけです。

 聖書の常識から言えば、

 25節はイエス・キリスト降誕
時期に関する預言とされていますが、

 この場合のメシアとは単なる大祭司
や王ではなく、

 「背きをやめさせ、罪に終わりを告げ」
させる人物を指していて、その行為が
「神」の目において確証された後に、

 「不義を贖って、永遠の義をもたらす」
という「神」の約束を果たさせること
ができる存在でなければならず、

 『ルカの福音書』でのダビデ王
再来としての出現の告知でも、

  

 『マタイの福音書』から人々
救う者としてのキリストの存在とも、

 

 少なからざる違いが生じるわけです。

 そして26節では、その六十二週の後、

 「膏そそがれた者(メシア)は
断たれ、彼には何も残らない」


 つまり、この彼が、真の「受膏者」
なるべきはずの洗礼者ヨハネであった
とするのが、ダ・ヴィンチの推理ですが、

 具体的には

 真なる救世主(キリスト)はアロン
のメシアであった洗礼者ヨハネであり、
彼の後継者たるイエスがイスラエルの
メシアとなる計画であったものが、

      ふむふむ。

     
    画像元 www.pinterest.jp

 ガリラヤ領主ヘロデ・アンティパスの
政治的判断からか、あるいはへロディア
の奸計によるサロメの一言(おねだり)
に起因するのかの真偽は別にしても、


     『洗礼者ヨハネの斬首』カラヴァッジョ(1608年)

 結果的には、頓挫してしまったわけで、


     『洗礼者ヨハネの斬首』部分 カラヴァッジョ

 まさしく、これが、

 「天の配剤」であるのか

 はたまた、

 「神の計画」であったのか

1baZx

 ダ・ヴィンチは、その原因イエス
裏切りがあったと見たわけですね。

 「およそ女から生まれた者の
   うち、洗礼者ヨハネより
     偉大な者は現れなかった」

 とイエスは言っていますが、彼自身が
女(マリア)から生まれた者である以上、

 「私のほかに」とか、「私を除いて」とか、
の断りがない以上、洗礼者ヨハネ
方が自分よりも偉大であると自ら言明
していることになります。

 さらにQ資料によれば、

 
    『Q資料』 okaemonblog.jugem.jp

 イエスは〝洗礼者ヨハネ〟について

 「すべての預言者と律法が預言した
 のは(救世主)ヨハネのことである」

 としています。

 ヘブライ語版の『マタイの福音書』では
〝洗礼者ヨハネ〟は、「世を救うために
遣わされた」との記述であるのに、

 ギリシャ語版では「すべてを元どおりに
するために遣わされた」と訳されていて、

 故意に「先駆者」としてのヨハネ
印象付ける文言に変更されています。

  

 編纂者による意図的な改竄があったと
疑われても仕方のない意訳ですが、

 イエス自らが、洗礼者ヨハネこそ
「救世主」(メシア)であると、

    
      出典:ameblo.jp

 そう述べていて、その具体的な行動が
洗礼者ヨハネから受ける「洗礼」
であったわけです。

 
  イエスの洗礼 出典:blogs.yahoo.co.jp

 ちなみに、9章24節の下線部にある

 「幻と預言とを封じ」とは、次の
 「七週と六十二週あることを
 知り、かつ悟りなさい」
(25節)

 の、知って悟るべき事柄を指します。

 メシアなる人物が登場するまでに

 エルサレム帰還後の神殿の再建命令
が出されてから、七週と六十二週あると
わざわざ分けていることに 特段の意味
があるわけですが ・・・

 さすがに、

 それらの説明には紙幅が足りません
ので、次回の解説テーマといたします。

 さて、

 七週と六十二週の起点となるのは
再建命令のあった年ですが、

 命令は全部で4回、出されています。

  一回目 B.C.537年(~539年)
  二回目 B.C.518年(~520年)
  三回目 B.C.457年
  四回目 B.C.444年(~445年)

  こりゃあ、

 「四択問題じゃな」

 

 三回目だけスッキリだし、

 「B.C.457年が正解ね」

   

 さても、それは、

 「引っかけじゃな」

  

 「甘い誘導じゃ !!

 わしゃ、一回目の真ん中を取って、

 「B.C.538年頃にするわ」

 ・・・ っておいおい

    
       マジか !?

 またしても、汚い手を使いやがって ・・・
 
 もういい加減、

 「オチで遊ぶな !!

 でも、正解はB.C.457年なんだよね

     
     (ホンマかいな)

 本当のところ、正解なんてあるのかよ   


    『洗礼者聖ヨハネの誕生』 ティントレット画 www.kotonanoki.com

 そして、

 洗礼者ヨハネが「斬首」されたのは、

  
     『洗礼者ヨハネの斬首』部分 カラヴァッジョ

 A.D.28~29年頃のことと思われますが、


     『洗礼者ヨハネの斬首』部分 カラヴァッジョ

画像
  『サロメ』ルシアン・レヴィーデュルメル画(1896年) 

     

  こ、これは ・・・


         (ゲロゲロ ・・・)
      
 … to be continued !!



『聖アンナと聖母子』『モナリザ』『洗礼者聖ヨハネ』


手もとに残した3枚の絵を合成したドラゴンレーダー
  ドラゴン・レーダー(プロトタイプ)

  

     『ダニエル書』8章 雄羊と雄山羊の幻 sandacc.org

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画像

コメント一覧

小吉
本文、
『ダ・ヴィンチは、その原因にイエスの
裏切りがあったと見たわけですね。

 「およそ女から生まれた者の
   うち、洗礼者ヨハネより
     偉大な者は現れなかった」

 とイエスは言っていますが、彼自身が
女(マリア)から生まれた者である以上、

 「私のほかに」とか、「私を除いて」とか、
の断りがない以上、洗礼者ヨハネの
方が自分よりも偉大であると自ら言明
していることになります』

 とはどういうことだろう。
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