偽メシア事件は「愛国心」や「愛国者」と無関係では
ありません。
サバタイ・ツヴィの生き様が、良くも悪くもユダヤ人
の民族意識に火をつけたことは間違いありません。
それゆえ、この事件は今日において、概(おおむ)ね
「偉大なる偽メシア」として評価されているようです。
彼を中心にして始まり、世界中のユダヤ人社会を巻き
込んで太く短く終わったサバタイ派の活動は、信奉者が
消え去り、生々しい記憶が忘却されるまでに長い時間を
要することになったのです。
また、「サバタイ・ツヴィ」という名はメシアニズム
と思しき思想を攻撃する際にしばしば用いられました。
たとえば、
シオニズムが全盛だった頃、反対者からはシオニズム
をサバタイ派に見做してディスることが度々ありました。
テオドール・ヘルツル ja.wikipedia.org
テオドール・ヘルツルにいたってはサバタイ・ツヴィ
そのものであると揶揄されていたのですから ・・・
(ja.wikipedia.org)
ところで、
「シオニズム」(Zion主義)とは、パレスチナの地に
ユダヤ人の国家を建設しようという思想です。
イスラエル(パレスチナ地方)の地図
聖地エルサレムの「シオン(Zion)の丘」にちなんで
名付けられたのですが、現在のイスラエル政府における
「シオニズム」は、人種差別的なイデオロギーに満ちた
軍事思想に溢れ返っているように感じます。
イスラエル共和国の国旗
一般には、「シオニズム」と「ユダヤ思想」の違いは
あまり意識されることはありません。
そのため、「シオニズム」と「ユダヤ思想」とは同じ
ものだと思っている人が多いのですが、本質的に言って
「シオニズム」と「ユダヤ思想」はまったく別物です。
基本的にシオニズム強硬路線派は、無神論者と言って
もいいでしょう。
ユダヤ教自体にはまるで関心のない連中であり、自分
たちの行動を正当化するためにユダヤ教を利用すること
はあっても、ユダヤ教そのものを信仰してはいない輩で
あると言い切ってしまっても差し支えありません。
『反シオニズムの正統派ユダヤ教徒』と題された書物
には、次のように書かれています。
「正統派ユダヤ教徒の大半は、パレスチナの地に
ユダヤ人のための民族の郷土を設立するという
シオニストの野望に反対である。
これはシオニズムそのものではなくシオニスト
に反対するという側面が大きい。
なぜならばシオニストは大半が脱宗教的であり
伝統的なラビの権威よりも社会主義や民族主義
といった『非ユダヤ的』なイデオロギーを優先
しているからである。
正統派ユダヤ教徒は、自分たちの立場を神学的
な面から正当化するため、救済を早めることを
禁じたラビの伝統を様々に引用し活用している」
さて、
★ シオニスト強硬路線派が悲願の建国を果たしたのが
AD1948年の「イスラエル共和国」の独立です。
「イスラエル共和国」の独立宣言(1948年)embassies.gov.il
しかし、
超正統派のユダヤ教徒は、この国を認めてはいません。
なんとなれば、
イスラエル共和国は、建国において〝メシア信仰〟を
無視し、しかも、政教分離という近代国家の原則を採用
した世俗国家であるためだといいます。
伝統的な超正統派ユダヤ教徒からすれば、このような
イスラエル共和国が〝国家〟を名乗ること自体、「神」に
対する許しがたい冒涜に他ならないというのです。
この超正統派のユダヤ教徒は「聖都の守護者」を意味
する「ナトレイ・カルタ」と呼ばれ、現在のイスラエル
共和国は、「ユダヤ教の本質を完全に逸脱した世俗的な
寄せ集め集団にすぎない」として徹底的なる批判を加え
ています。
ロンドンで活動するナトレイ・カルタのメンバー(2006年)
パレスチナとレバノンの旗を持ち、「シオニズムとユダヤ主義は
全くの正反対」、「パレスチナ人への飢え死にを止めろ」と主張
しています。 (ja.wikipedia.org)
彼らの一部は「彼らと同じか同様の信念を持つ多くの
ユダヤ人が存在するが、マス・メディアが故意に彼らの
観点を控え目に扱い、彼らが単なる少数派であるように
見せている」として、彼らは、真のイスラエルはメシア
の到来と共に再建されると主張しているのです。
AD1985年 4月 4日、超正統派のユダヤ教徒グループ
ナトレイ・カルタは、次のような声明文を発表します。
「シオニストの大冒険は不名誉な終わりを迎えようと
している。
最初はシナイ半島だった。 今度はレバノンである。
独立した真のユダヤ教徒であるトーラーのユダヤ人に
とって、これはまったく驚くことではない。
我々は両親からも教師からも、シオニズムはユダヤと
ユダヤ思想の敵だと教えられてきた。
シオニストの政治的策動は、一時的には成功するかも
しれないが、長い目で見れば、その命運は尽きているの
である。〈中略〉
イスラエルの国旗を燃やして「シオニズム」に反対する超正統派のユダヤ教徒たち parstoday.ir
シオニズムはユダヤ思想とは全く反対のものである。
ユダヤ思想は数千年にわたり、シオニズムなしに存続
してきた。シオニズムのいう『メディナ』はまったくの
作り物であり、真のユダヤ思想を歪めるものである。
シオニストの指導者たちは、今でこそホロコーストを
大袈裟に哀しむが、当時 彼らは『強壮な強いパイオニア』
だけいればいい『全ヨーロッパのユダヤよりパレスチナ
の1頭の牝牛のほうが大切だ』と言っていたのである。
我々はシオニストという偽ユダヤ教徒が、その正体を
知られるようになることと、ユダヤが真のユダヤ思想を
心から信じて実践し、過去の栄光を思い、未来を誠実に
信じることを望み、祈っている」
「シオニズム」に反対するデモ。 「シオニズムはナチズム」と書かれたプラカード
さらに、
超正統派ユダヤ教徒グループ(ナトレイ・カルタ)は
、AD1992年には、次のような声明を発表します。
それは「シオニズム」に対する強烈な批判メッセージ
でした。
「敵であるシオニストと私たちの戦いは、妥協の余地
のない、まさに〝神学戦争〟なのである」
「ユダヤ人たちが全世界に追放されたのは、神の意志
によるものであり、彼らが神の律法を守らなかったため
である。あらゆる苦難を経て、メシア(救世主)が到来
するまでそれは続く。メシアの到来によってのみそれが
終わるのである」
「それ故に、シオニストあるいはその関係機関が神を
無視し世界中からユダヤ人たちに帰ってくるように強要
するのは、ユダヤ人たちをいよいよ危険に陥れる〝不敬
の罪〟を犯していることになる」
「もしシオニストが神を無視し続けるならば事は重大
である。 ここ、すなわちイスラエルは地上で最も危険
な場所となろう」
パレスチナの変遷(イスラエル共和国の浸食)altertrade.jp
イギリスは第一次世界大戦中の1917年に、ユダヤ人に
対し、「連合国を支援すればパレスチナの地にユダヤ国家
の建設を約束する」という「バルフォア宣言」を発表します。
そして第一次世界大戦後には、それまでパレスチナを
支配していたオスマン・トルコ帝国の敗北にともなって
パレスチナの地は国際連盟の委任統治の形式でイギリス
の支配下に置かれることになりました。
第二次世界大戦後にイギリスは深刻化するパレスチナ
問題に手を焼き、国連に付託します。
1947年に国連総会は、パレスチナに対するイギリスの
委任統治を廃止して、パレスチナをアラブ国家とユダヤ
国家に分割する決議を採択しました。
この分割決議はユダヤ人にとって有利なもので、翌年
にユダヤ人が独立宣言(建国宣言)すると、アラブ諸国は
猛反発し、すぐさま大規模な武力衝突(第一次中東戦争)
が勃発します。
その結果、
新生ユダヤ国家であるイスラエル共和国は米英の支持
を得てアラブ諸国を打ち破り、イスラエルの建国は既成
事実となったのです。
パレスチナの変遷(イスラエルの領土浸食) 画像元:ccp-ngo.jp
この両者の紛争は、1973年の第四次中東戦争まで続き
多くのパレスチナ先住民が土地を奪われ、イスラエルの
支配地域はドンドンと拡張していったのでした。
第四次中東戦争の終結時から、半世紀以上が経過した
現在も 約590万人のパレスチナ人が土地を追われたまま、
ヨルダンを始め、レバノン、シリア、エジプト、湾岸諸国など
での難民生活を強いられているのが現状です。
しかも、さらに、
550万人近いパレスチナ人がイスラエルの領内で人種
差別的扱いを受けながら厳重な監視下のもとでの生活を
強要されているわけで、ヨルダン川西岸(約325万人)や
ガザ地区(約222万人)のパレスチナ人がイスラエル軍
による極限的な抑圧のもとに置かれて苦しみ続けている
のです。 〈2023年、パレスチナ中央統計局(PCBS)より〉
「シオニズム」について、ジャック・バーンスタインと
いうアシュケナジー系のユダヤ人は、次のように述べて
います。
「実は、ほとんどのユダヤ人というものは無神論者で
ある。 あるいは反神の宗教ともいえるヒューマニズム
(人間至上主義)に従っている。 だからユダヤ人とは
宗教的な人々であり、イスラエル建国は聖書預言の成就
であるととらえるのは神話でしかすぎない。
しかも、ユダヤ人が単一民族であるというのはもっと
神話である。 アシュケナジーとスファラディの間には
完全なる区別がある。これこそ最大の証拠である。
イスラエルで行われている人種差別は、イスラエルと
いう国家を遅かれ早かれ自滅させてしまうことになるだ
ろう ・・・・」
イスラエル共和国 note.com
サザン・バプテストの「新約聖書学」教授フランク・
スタッグは、以下のような見解を述べています。
「今日のイスラエル国家は数ある国の一つにすぎない。
それは他のあらゆる政治国家と同様に“政治国家としての
運命”を辿らなければならない。他のあらゆる政治国家の
ように判断されなければならない。
現在のイスラエルの国や国民を〝神のイスラエル〟と
することは、『新約聖書』の教えにおいて致命的な誤り
を犯している」
また、プレズビテリアンの「旧約聖書学」教授である
オーバイド・セラーも、このことを次のように結論づけ
ています。
「現代のパレスチナにあるユダヤ国家は、聖書や聖書
預言によって正当化されるものであるというシオニスト
たちの主張を支持するものは、『旧約聖書』にも「新約
聖書』にもないということに私とともに研究している者
たちすべてが同意している。
さらに、
聖書預言という〝約束〟はユダヤ人やシオニストだけ
ではなく全人類に適用されるべきものである! 〝勝利〟
〝救い〟という言葉は本当の聖書の意味としては宗教的
・霊的なものであって、政治的な敵を征服するとか崩壊
させるとかいう意味のものではない」
「『新約聖書』を信じるキリスト教徒であるならば、
もともとそこに住んでいた人々から政治的、また軍事的
力によって奪い取ってつくった現代のイスラエル共和国
を、キリスト教徒の信仰の神としての〝イスラエル〟と
混同させてはならない。これら2つのイスラエルという
ものは完全に対立しているものなのである」
また、反シオニズムのユダヤ人ジャーナリストである
アルフレッド・リリアンソールも、以下のような指摘を
しています。
www.amazon.co.jp
(ちなみに彼の父方の祖父はアシュケナジー系
ユダヤ人で祖母はスファラディ系ユダヤ人です)
「ユダヤ的遺産は明白であり、間違えられようがない。
それは変わらずに続いてきた。 一方、シオニズムは
特定主義であり人種差別主義であるのに対し、ユダヤ教
=ユダヤ主義は普遍主義であり人種統合主義である。
ユダヤ教はキリスト教やイスラム教と同じく一神教で
あり、つねに道徳的選択と人間と創造主の間の精神的な
結びつきを代表してきた。 そこには狭量な排他主義の
入る余地はほとんどなかった。 それに対しシオニズム
は、土地へ執着し、しかも、その土地は、2000年もの間
ユダヤ人には属していなかったのである。
ユダヤ教は特定のどんな地理的境界とも無関係である
ことによって、今日まで生き延びてきた。
ユダヤ人は主なる神に選ばれたが、それは特定の地を
所有したり、自分たちの子どもを他人よりもえこひいき
するためではなかった。
彼らが選ばれたのは、ただ唯一の神しか存在しないと
いうメッセージを広める任務のためであった」
シオニスト・コネクション(アルフレッド・リリアンソール) inri.client.jp
ユダヤ系アメリカ人のアルフレッド・リリアンソール
は反シオニズムの気鋭ジャーナリストであり、中東問題
の世界的権威で国連認定のニュースレポーターです。
これで終わりにしますが、
1967年に来日したユダヤ人のラビ(ユダヤ教指導者)で
あるマーヴィン・トケイヤーは、著書『ユダヤ人の発想』
(徳間書店)の中で次のように述べています。
ラビ・マーヴィン・トケイヤー 1967年に来日「日本ユダヤ教団」のラビ。
「ユダヤ人は長い歴史を通じて、いつかメシア(救世主)
が来ると信じてきた。
アウシュヴィッツの囚人たちが作った『アニ・マミン』の
歌にあるように『私たちはメシアが来ることを信じている。
しかし、到着するのが少し遅れているだけだ』という大い
なる楽観と同じほどに強い信念に支えられて生きてきた。
そして、
メシアが来るということを、いたずらにただ待っていた
だけではない。自分たちの手でメシアを呼び寄せなければ
ならないという情熱に駆られてきたのである。
よりよい世界が来る期待、興奮というものを、常にユダ
ヤ人は、血の中で感じてきた。そして、それが、一歩でも
自分を前進させようという情熱になってきたのである。
マーヴィン・トケイヤーの著書『ユダヤ人の発想』
やがて地上の楽園が来るという終末観が、ユダヤ教を
貫いているが、これは手形の決済日がいつかやってくる
ようなものである。しかし、だからといって、誰か人間
以外のものが手形を決済してくれるから、初めから不渡
りにしておいてよいということではない。手形の決済日
には、人間は自分で手形を落とさなければならないのだ。
その日のためにこそ、日々の精進と進歩というものが
生きるのである。
ユダヤ人にとって、メシアは、いろいろな形をとって
あらわれる。
たとえば、ユダヤ人マルクスが説いた共産主義社会と
いうものも、その一つである。ユダヤ人キッシンジャー
にとっては、自分なりに考えた安定した世界秩序を創る
ことがメシアであるだろう。
あるいは、
ユダヤ人の小さなビジネスマンにとっては、自分の仕
事が成功することが、メシア信仰の彼なりの表れとなる。
要するに、少しでも世の中をよくしようという思いは、
それと同時に、自分を少しでもよくしよう、進歩しなく
てはならないという意欲と連結しているのだ。
ユダヤ人は子どものころからこういうふうに教えられ、
そして自分でも念じてきているのである。
ユダヤ人の頭の中に詰まっているのが、世界の進歩だ
けではないことに注目してほしい。
要するに、
一人の人間の進歩というものは、世界の進歩と同じこ
とであると考えられているのだ。
強烈な個人意識がそこには存在しているのである。
ユダヤの聖典『タルムード』には、
『自分が進歩しなければ世界は進歩しない』と
いう言葉がある。世界は一つであり、自分は一人なのだ」
以上、
『ユダヤ教徒の「カバラ」とメシア運動の歴史』
の記事(inri.client.jp)から適宜に抜粋し、
引用・構成・加筆編集しました。
畢竟するに、
彼らユダヤ人たちは、いい意味でも、悪い意味でも、
「愛国者」(パトリオット)だったのです。
そういえば、そのむかし、駅前の商店街に
「愛国者」というパチンコ店があったのよ!
「いいかげんな嘘をつくな!」
もう、かれこれ3回目ともなるとデジャヴ感が
いっぱいでジャブジャブ溢れ返っとるわい!!
「ナチストやネオナチじゃあるまいな!」
「Nazism=Zionism(ナチズムはシオニズムよ)」
・・・ って、おいおい、
(イスラエル軍やネタニヤフのことか?)
Nazism=Zionism(ナチズム=シオニズム)
それとも、ヒトラーとプーチン!?
「歴史を繰り返すな」と訴えるスペインでのデモのプラカード newsweekjapan.jp
スターチルドレン www.konohana-yuan.jp
Nazis & Israel(ナチスとイスラエル)X.com
スターチルドレン note.com
画像元: domani.shogakukan.co.jp
繰り返し見えるパチンコ玉は霊的攻撃の証しかも!?
・・・・ ・・・・ う~む (^▽^;)(^^ゞ
… to be continued !!
なんだかなぁ!
ダ・ヴィンチによる推理は続きます。
「霊的な戦い」christianpure.com
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Zionism = Nazism(シオニズムはナチズムだ)X.com
「独裁者たち」agora-web.jp
ダメだ、こりゃ!!
画像元:www.irasutoya.com
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