濃紺の空に舞う
二羽の蝙蝠
途切れ途切れの黒い雲
漏れ出す光
雲に透けた光の濃淡
そこに居るのに
見えない
コーヒーも飲み干して
指先も
頬も
冷え切って
まるで時を合わせたように
姿を見せたその時
同時に
流れだす
夜7時の荘厳な旋律
間をおかず
音楽と共に姿を隠したその丸い月
口惜しくも
月に祈る滑稽さ
外に出るべき感情が
内側に流れ込んで
冷え固まって
鉛になったみたい
喉の奥までつまって
涙も出ない
目の前には
ゆらゆらと揺れる
逆さまの木
優しさも思いやりも言葉も
相手に伝わらなければ
ただの自己満足でしかないって
いつも言ってるのに
なんか
伝わってくるから
どーしょうもない
素直に
自分自身の生き方を
自分なりに
磨くしかない
見えてるものしか見えない
見たいものしか見えない
そんな目は
いらない
てゆーか
持ってない
“期待を裏切る女”
いつも感じていること
ごめんなさい
ありがとう
ちょっとつらい
ちょっと嬉しい
辛辣なようで柔和
否定を打ち消す肯定
不安の中にある希望
逆も然り
言葉の中にある
2面性
だから
その言葉には
温度があり
伝わるものがある
魅力的であり感動的
言葉
文字
あぁ
人ではないのか
それは鏡の世界
見えてないのは
自分自身だけ
目も耳も塞いで
想像するしかない
ゆらゆらと揺れる水面には
逆さまの木
ai saito
斉藤愛