early summer

眼前に薄い雲が等間隔で浮かび合間から爽やかな青空を覗かせてる。
地平線をなぞる遠くの建物の上には、
重厚な、輪郭の鮮明な真っ白な雲が、初夏の訪れを予感させる。

その景色が窓枠のフレームに収まる。
時折、その中をゆっくりと鳥が流れて行く。
遠くで子供達が野球の試合をしている声が聞こえる。
盛んに応援をしたり、小さな声が交差したり、笛の音が響いたり、
ランダムな音の抑揚が試合の流れを感じさせる。
その向こうからは、第三京浜を走る車の音が空気いっぱいに振動している。
タイヤと路面が擦れる乾いた音、
たまに聞こえる唸るようなエンジン音。
全てが心地よく耳に入ってくる。
私の横を爽やかな風が通り過ぎる。
ゆるやかな午後の時間が流れて行く。
そしてふと気が付くと、
目の前の自然の絵画は先程とは全く違った表情に様変わりしてる。

ずっと前に教えてもらった、人との繋がり。
『仕事が仲間を呼び、友となるんだよ』
私はまだまだ未熟だ。
出会う人、交わす言葉、行動、
理解を超えることばかりで嫌になる。

仕事とは生きる糧、生きる業。
結局いつも思う事、真髄は変わらない。
自分に正直に
真剣に
貪欲に。



ai saito