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ABA防災ニュースブログ

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松山の土砂崩れは 1日遅れで

2024-07-15 07:23:57 | 水害事例
(文責 : 防災士 田澤六三)

南海放送NEWS 2024年7月12日14:55配信 などによると、
12日午前3時50分頃、松山市緑町で松山城がある山の斜面が幅50メートル、高さ100メートルにわたって崩れ落ち、複数の住宅やマンションに土砂が流れ込みました。 同所での土砂崩れは少し間を置いて3回発生したという付近住民の証言があります。
巻き込まれた木造住宅に住む90代の夫と80代の妻、40代の息子の3人が、13日、見つかりましたが、いずれも死亡が確認されました。
警察によると、3人は倒壊した住宅の下敷きになるなどして、発生直後にその場で死亡したとみらる、とのことです。

付近の住民の話によるとがけ崩れが発生する前日の方が雨が烈しかったというので、調べてみました。

◆前10日間合計の降水量データでは、
平年の2.4倍ですが、それほど猛烈ではありません。
        降水量(mm) 平年比 (%)
愛媛県  松山*  220.5    244

◆前日からの降水量を時系列で見ると、前日の朝4時台に 41mmというたいへん烈しい雨があり、3時間雨量 79mmでした。しかしその後7時台から23時台までは小降りとなり、ゼロも9時間ありました。土砂崩れ発生の当日夜半からまた強い雨が降り出しましたが、避難情報は出ていなかったようです。

雨が止んでも油断できない、ということでしょう。この地点は土砂災害危険区域ではなかったとのことですが、崖に近い住宅では、雨続きの時季にはなるべく2階に寝起きするなど、少しでも命の助かる方法で用心することをお勧めしたいと思います。

◆降水量 時系列データ   観測点=松山
 日 時  降水量(mm)
12日 7:00   0.5
   6:00   6.0
   5:00   9.0
   4:00   15.0
   3:00   17.5
   2:00   2.5
   1:00   19.5
11日 24:00  11.0
   23:00   4.5
   22:00   0.0
   21:00   0.5
   20:00   3.0
  19:00    0.0
  18:00    0.0
  17:00   0.0
  16:00   0.0
  15:00   0.0
  14:00   0.0
  13:00   0.0
  12:00    0.0
  11:00   3.0
  10:00   5.5
   9:00   4.5
   8:00   2.0
   7:00   3.0
   6:00   18.5
   5:00   19.5
   4:00   41.0
   3:00   0.5
   2:00   0.0
   1:00   17.5
10日24:00   9.0
  23:00   0.0
  22:00   0.0

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山形県大江町左沢は、上尾市平方に似ている

2022-08-05 14:46:07 | 水害事例
(文責: 防災士 田澤六三) (画像は大江町ハザードマップより)

2022年8月4日に発生した山形・新潟の豪雨水害では、山形県大江町の被害の模様がテレビで大きく報じられています。全体には雨量のわりに人的被害が少なかったという感じもします。また大雨特別警報が日暮れから深夜に出されるなどし、垂直避難を意味する第5レベルの「緊急安全確保」が多発したのも今回の特徴でした。
私が以前書いたように、大雨の予報が出たとしてもいつ避難すべきかというのは、個人としてたいへん難しい判断になります。どこにどのくらいの雨がいつ降るか、そしてどの程度の洪水になるか、というのは予測が困難です。避難指示も明るいうちに余裕をもって発令すべき、などというのは無いものねだりです。どうしても逃げ遅れる人の発生は避けられません。私が思うに、がけ崩れや氾濫流倒壊危険地域、浸水深3m以上の地域でなければ、垂直避難を標準にするべきではないかと思います。そのために、ハザードマップの確認と備蓄など日頃の備えを徹底すべきです。

さて山形県大江町は最上川水運の要地で、2019年台風19号水害の上尾市平方地区と良く似た歴史を持っていました。大江町ホームページによると、

「山形県大江町左沢 (あてらざわ) は最上川舟運の川港として栄えました。江戸元禄以後最上川の交通網が整備されると、小鵜飼船(こうかいぶね)で米沢から運ばれた荷が左沢で積み替えられ、酒田までは艜船(ひらたぶね)で運ばれるという、最上川舟運には欠かせない重要な中継地点でした。河畔の百目木地区周辺には米沢藩の舟陣屋、米蔵、塩蔵などが置かれ、郭(くるわ、遊郭)が軒を連ねるなど、その賑わいぶりは大正頃まで続きました。」

とのことです。
舟運で発展した町であるため堤防が無く、川沿いの低地に住家が多く建っているのは平方地区とよく似ています。大江町ではここ10年で何度も水害が起こっており、堤防を建設するかどうかという話合いが昨年から始まったばかりということで、堤防を作るか、土地の一部嵩上げか、集団移転かなどいろいろ検討されるようです。

平方では堤防建設計画が動きだしています。完成まで大きな水害が発生しないよう祈ります。
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