アンの「ややこしいこと言わんといて」

ええかげんなややこしいおっさんが日々の分泌(文筆)物をたれ流します
臭~さいぞ

4月1日 エイプリルフール

2016年04月01日 20時53分21秒 | 創作

”うっそぴょーん” 頭のなかで声がした

 

「プシュー」

エアーの抜ける音と共にカプセルのふたの部分が開いた

「Mr.アン おはようございます、ご気分はいかがですか?」

わたしは目を擦りながらぼーとする頭で考えた

「ここは?」

「しかたありません、1週間ぶりのお目覚めです…今日は西暦2083年4月1日です」

「2083年?」

少しづつ頭がさえてきた…そうだ確かストレス解消プログラム…ちょっとまてよ

「息子たちは?…どこだ?」

「Mr.アン、夢を見たんですね、いい夢でした?」

「夢?」

「Mr.アンこのプログラムは夢を見るんです、特にいい夢を、理想の夢を見ることであなたのストレスを解消させるんです、思い出せましたか?」

「嘘だ!夢なわけがない!あんなリアルな…私には2人の息子がいるんだ、そうだ長男がこの2016年4月1日に入社式があるんだ、大学を出て就職が決まったんだ!次男は4月8日に高校の入学式があるんだ!夢なわけがない」

「Mr.アン、少し薬が効きすぎたようですね、しかし心配ありません、夢は今日、普通にお休みになると忘れてしまうでしょう、明日には心身ともにスッキリと退院出来るでしょう」

「そ…そんなわけはない…」

 

”うっそぴょーん” 頭のなかで声がした

 

「お父さん!お父さん! お母さん、お父さん気がついたよ!」

わたしは目を擦りながらぼーとする頭で考えた

「ここは?」

「あなた…事故に遭って1週間こん睡状態だったのよ、わかる?」

「今は何年だ?2083年?」

「何言ってるのよ、今日は2016年4月1日!」

「息子たちは?」

「ここにいるよ!」

「2016年か…良かった…息子たちもいる…2083年が夢だったんだ、ウゥ…」

「お母さん、お父さんが泣いてるよ」

「ウゥ…泣きたいのはこっちよ、でも良かった…気がついて」

 

”うっそぴょーん” 頭のなかでまた声がした

「え?」