風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

野郎鍋

2008-11-23 01:10:25 | Weblog
食べ物に対する冒涜であると言う名言を残したのは50回卒のT先輩です。
よく覚えておくように > 後輩諸君


毎年恒例、野郎鍋(闇鍋)の季節となりました。

今年も無事死傷者を出すことなく鍋を終えることが出来たので、
その幸運を祝って今年度のレシピをここに記しておきましょう。

【作り方】
①材料を全部鍋に放り込む

・・・以上。

簡単でしょ?
順番にこだわる必要もありません。

そもそも美味しさなんて求めないしね

【材料】
・シチュールウ
・サバの味噌煮
・マーマレード:瓶の半分
・アボカド
・ままかり
・あんまん
・高野豆腐
・ゼリー
・もち
・さくらんぼの缶詰
・かき(牡蠣じゃなくて柿のほう)
・コアラのマーチ


・・・あれこれだけだっけ?

何か忘れているような気もするけど、これだけ記しておけば再現性は十分あるか。


苦しみながら7、8割くらいは消費できたよね?
味は・・・うん、これから胃に入っていくものと言うよりはむしろ胃から出てk


なんでこんなことをするのかと疑問に思う人も多いことでしょう。
Kンダタは昨日の状況を阿鼻叫喚と評しました。

だけど、これは必要不可欠な通過儀礼なんです。
野郎の結束をより強固なものにするための重要なイベントだったんです。

・・・最後の年にしてようやくそれに気づきました。


自らに全く必要のない苦痛を課し、それを乗り越えることで精神力の鍛錬を図る。
なんてストイック・・・というよりマz


尤も、今回の鍋に関しては被害者がいます。


まず、パワハラによって家を占拠されてしまったM丸。
みんな、彼を慰めてあげてください・・・

あと1回生のニケと七草。

強引に食わせてゴメンね。
でもそのおかげで僕らは共に苦難を乗り越えた戦友となれたわけで・・・




・・・悪しき伝統?

いやいや、微笑ましき伝統ですよ。
 

写真を見たかったら持ってそうな人に言ってね。
みためはサウザンドアイランド風ドレッシング・・・の中に残飯を入れた感じ。
臭い・・・こればっかりは青魚をシチューとマーマレードで煮てみる他にはなさそうです。

本屋バトン

2008-11-20 01:19:36 | Weblog
このところ、毎日が後悔の連続です。
普段はあまり後悔することってないんだけど、・・・色々ダメすぎる。


はちべえにもらったバトンに回答しておきます。


■1:本屋さんに行ってどんな本を見ますか?

プラモ誌をパラパラ立ち読み→アウトドアコーナーで鳥とか自転車の本も立ち読み
→ようやく新書か文庫のコーナーで購入するものを探す


■2:雑誌は買っていますか?

いいえ。買いたいと思うほど興味があることがないからかもしれない・・・


■3:最近読んだ本は?

一番最近読みきったのは「タバコ規制の戦略ガイド」。

自分の趣味で買った本だと「カラマーゾフの兄弟」の2巻。
訳者は、本編4巻のこの作品を交響曲にたとえているんですが、
2巻にはこんな箇所があります。

「もしあれがやってきたら、おまえはドア駆け寄ってノックしろ、
最初は二回、小さく。こんなふうにコツ、コツとやれ。
それから次は小刻みに三回、コン、コン、コンと叩け。」

・・・おや、2楽章は5拍子ですか。


■4:どんな漫画が好きですか?

実家暮らしのときは「コナン」「封神演義」「BLACK CAT」を集めていました。
封神演義はお気に入りだけど残りの2つは・・・。


■5:買って失敗した・・・面白くないから買わなきゃよかったと失敗はあります?

いくらでも。
とりあえず自己啓発的な内容を思わせる本は買わないことにしています。
あと、いわゆるベストセラーは自分の趣味には合わない事が多いみたい。


■6:本(漫画・雑誌を含む)にかけるお金は月に何円くらいですか?

10月は1500円で3冊。11月になってからは1500円で2冊。
「小遣い帳」をつけるようになってから浪費が減ったかも。


■7:雑誌や週刊誌はたまってくるとどうしますか?

買ってないので。でも捨てるでしょうね。


■8:オススメの本があれば教えてください。

村上春樹の短編には好きな作品が多いけれど、この人の小説は好みが分かれるから・・・。
僕も全部が好きなわけではなく、中には読んで気分が悪くなるようなものもあります。

新書の「座右のニーチェ」が最近読んだ中ではオススメかも。
これも読み手を選ぶ本ではありますが。

ホームズは「恐怖の谷」以外は手元にあります。
エロ・グロを排したミステリーって清涼感があります。


■9:これはよくないよっていう本はありますか?

・・・前野郎共がうちに来たときにおいていった江口さんの本。(帝風に言うと


■10:本屋さんにはどれくらいの頻度で行きますか?

1、2週間に一度くらい。
心が乾いたときに潤いを求めて。


■11:買ったけど読んでない本はありますか?

多分、ありません。
本を買ったら読み通す主義です。
出してもらった料理は完食する主義です。



次はアンナ・カレーニナを読んでみようかなぁと考え中。
日本人はロシアそのものは好きじゃないくせに、ロシア文学は好きらしい。


これはアンカーってことでいいか。



アンカー・・・日本メーカーにこだわる必要性もないような気がしてきた。
やっぱりGIANTとか無難なんだろうなぁ。

いずれにしてもお金がない・・・

「1日」は何時間?

2008-11-18 02:03:52 | Weblog
猫にとって「1日」は6時間なんだそうです。

猫は6時間というタイムスパンで区切って生活しているんだとか。
だから、人の目からすれば猫は一日中寝ているように見えるんだそうです。

ということは人にとっての1日は、猫にとって4日にあたることになりますね。

今日一日の講義で一番印象に残りました(笑

ホントなのかちょっと怪しいけど。


その先生は、
「人間の生体時計では、1日は25時間」説にも疑問を呈されていました。
光の全くないところで生活を強いられたら
普通の精神状態ではとても生活できるはずもないじゃないか、と。

・・・それもそうだよなぁ。
 

それに、もっと個体差があってもよさそう。

僕の前に道はない?

2008-11-16 18:22:30 | Weblog
50%というのは、純粋に「半分」なのであって、
「も」でもなければ「しか」でもない。

今更ですが、ちょっとした発見。





小6のとき、10年後の自分が何をしているか
想像して書きなさいという課題を与えられたことがあります。

そのとき、先生は言いました、
現役で大学に行った場合、卒業する年になっているはずですね、と。
歯学部行ってたら、まだ2年間残ってるよなーと思った記憶があります。

親の後を継ぐことしか考えていなかった12歳。
盲目的な素直さはどこかに置き忘れてきました(笑


10年ってなんだか不思議なスパンですよね。
かなり長いような気もするし、そうでもないような気もする。

10年前の自分に、10年後のお前はこんなのだと伝えたら何を思うだろう・・
今となっては想像もつきません。


1つだけいえるのは、今の自分は、10年後の自分なんかに会いたくはないということ。

「なんとなく」

2008-11-12 23:23:30 | Weblog
今どきの高校生は「なんとなく」という言葉をよく使う。
論理的な思考や表現・コミュニケーション力を培わなければならない。

・・・というような投稿が今日の新聞にありました。


でも、説明しづらくてついつい「なんとなく」と言ってしまうこと、ありますよね?
僕はそもそも理由なく行動する人なので、聞かれても答えに窮することが多いです。


首相の口癖でさえ「なんとなく」という時世なんだから、いいんじゃない?

・・・っていうのはさすがに寂しいですよね。


投稿者は、高校生を国語の授業で鍛えるんだ!と主張していましたが、
残念ながらもう国語の授業を受けることはありません。

さすがに留年してもありません。


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


今日は快晴でした。

日が沈んだ今もよく晴れていて、雲はほとんどありません。
おかげで、少し前までラーメンの器みたいな形だった月が、我が物顔で空を占拠しています。
月は嫌いではありませんが、あそこまで大きな顔をされるとなんだか癪に障ります。

一方、星達は月の光に負けじと頑張って輝いています。とてもけなげに映ります。
太陽の光を反射しているに過ぎない月に対し、彼らは自ら燃える恒星だというのに。

問題なのは距離。
対等な勝負なら、星々が月に負けるはずがありません。


星の気持ちを代弁してやりたい気分です。
たとえ、彼らがそんなことを気にしていなくても。

 
理由?


そりゃ、なんとなくですよ。

ちょっと腹黒い、そんなあなたに捧げる―

2008-11-12 03:17:11 | Weblog
実に面白い文章に出会ったので転載しておきます(一部改変)。
ただ、結構長いので、暇、もしくは腹黒い人向けです(笑
アジテーションの参考にでもしてください。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

やり方を教えよう。あなたが市民運動を崩壊させたいと考えており、
私に専門家の意見を求めていると仮定しよう。
私はまずその運動に参加し、以下の10の簡単な方法を実行することを勧めるだろう。
どれもがあっという間に運動の勢いを失わせる。


1 原点を忘れる

米国の公民運動のきっかけは、ローザ・パークス(Rosa Parks)が
バスの後部座席に座ることを拒否したという些細な出来事だ。
女性解放運動は創始者が馬鹿にされ軽蔑されながらも
ブラジャーを燃やしたことから始まっているし
樹木の伐採を阻止するための自らを木に鎖で縛りつけた主婦たちも居た。
後に運動が軌道に乗ると、
こうした所期の報道は出世目当てで運動に参加してきたものには
恥ずかしいことのように映る。
そこで、歴史を書き換え、
運動の創始者のことは記憶の彼方に消し去らなければならなくなるのである。

2 専門家に運営を任せる

ボランティアやゼネラリストは運動を組織することは出来ても、運営は出来ない。
だから資金調達が出来るようになったらボランティアやゼネラリストはお払い箱にして、
地域組織化の直接的な経験を持たない「適任者」を雇うことが非常に重要だ。
(注:大量の応募者が居たら、応募者のそれぞれに書類の山を渡し、
整理できないものだけを候補者として残そう)

3 真剣に仕事に取り組む

本当に、これ以上できないくらい真剣に取り組むのだ。とにかく働く。異常に長い時間働く。
険しい表情や落ち込んだような表情を練習しよう。できれば病気になるといい。
これらを全部マスターしたら、同僚に自分が殉死しそうだという事実を訴えよう。
そして、彼らも同じくらい真剣に運動に取り組んでいるのならば
自分の例に従うべきだということをあからさまにほのめかそう。
これでも相手が十分に気分を悪くしないようならば、物理的な手段に訴えるまでだ。
例えば自分の足を撃つ。
そして大声でこの意味の無いケガの痛みを訴えながら、
同僚に仕事をやめてすぐに助けに来るよう要求するのだ。

4 すべての会員のために、異常に厳格な行為規範を定める

市民運動に人の弱さは不要だ。弱気が頭をもたげたら、すぐ、木っ端微塵にしなければならない。
定めた基準から少しでも外れたら、必ず罰を下さなければならない。
例えば、栄養に関する運動の参加者が
ファーストフード店でホットドッグを食べているのを見つけたら
その場で直ちに裏切り呼ばわりものしなければならない。
(当然、自分がたばこを買いにきたことは無視する)。

5 後ろめたさを感じさせて人を動かす

絶滅危惧種の保護のための団体であれば、貧困層への無神経を攻撃する。
貧困層支援のための団体であれば、絶滅危惧種への無神経を攻撃する。
とにかく八方塞の状況に追いやるのだ。
運動が無意味だと分かればもちろんやる気は倍増するに決まっている。

6 協調性について語り続け、協調しない

自分の知識と個性であらゆる会合を支配しよう。
本気で協調しようとするおひとよしに出会ったら、徹底的に利用しよう。

7 落ち着いてはいけない

興奮しよう。世界の破滅は近づいている。時間が無いことを忘れてはならない。
献身を示すためには、全員ばたばた走り回っているべきだ。
冷静沈着に仕事しようとする人が居るようなら、
まずそうした人を苛立たせ、不安にさせなければならない。

8 手柄は絶対分かち合わない

最初から全部自分のアイディアだったことは明らかだ。
これに重要な貢献をした人は誰もいない。
それなのに自分の手柄を分かち合う必要がどこにある。
考えられない理由で他の参加者が功績を認められているようならば、さっさと取り上げよう。
本来その人物の功績ではないと言う噂を広めよう。
それでも効果が無いようならば、怒り狂って周りの物や人を蹴飛ばそう
(注:残念ながら、このテクニックだと功績を他人から自分に移せるとは限らない。
しかし、功績を認められていた人が気分を害することはほぼ確実だ。
小さな楽しみに過ぎないが、
ここまで読めば小さなことの重要性は十分お分かりいただけただろう)。

9 責任の度合いは無作法の度合いに比例する

これでも、小さなことの積み重ねが大事だ。例えば、会議には必ず遅刻しよう。
そして、遅れて席に着いたら少なくとも5分に一度は電話を受けなければならない。
残りの時間は、大声で非難するような口調でしゃべり続ける。
いつも同じ事を繰り返さなければならない。
自分の考えが通らないようであれば、
事実も民主主義も損なわれるということを何度も何度も強調しよう。
無関係な議題をいくつか提示し、既に結論に達した問題をもう一度検討するよう主張しよう。
これだけの意見を述べたら、会議室の後片付けには参加せずに早めに退室しよう。
細かいことだが、どうせ社会運動を崩壊させるなら上品にやりたいものだ。

10 最後に、最大限の努力を行っているように見せかけながら、本当に仕事をすることはできる限り避ける。

これらのルールを厳密に実行しようと思えば、
運動関係の仕事をする時間など残っていないはずだ。
しかし、できる限り多くの責任を負わなければならない。
全ての分野に参加すると言って譲ってはいけない。できれば責任者になろう。
その後は責任を一切果たさないよう十分に注意しよう。
もし成果を上げていないことを指摘する図々しい輩がいるようであれば、
悲しげな声でこんなに努力しているのに非難されて傷ついた、やる気をなくしたと言おう。
最後は決め台詞だ。

 
「みんなで協力し合うんじゃなかったのか」

 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 


Byron Kennard "Not Man Apart" (1983)より『市民運動を破滅させる10の方法』でした。

ジョークの本より面白いという皮肉。

・・・前回の記事と全く逆方向の記事になってしまった(笑

気持ちのいい人たちと紫の話

2008-11-11 00:36:09 | Weblog
【気持ちのいい人たち】No1

この前、いつものようにはなまるうどんへ行ったときのこと。
入ると、店の奥から唸り声のような妙な声が聞こえてきました。
見てみると、酔っ払いのようなおじさんがいました。

最初はただの酔っ払いだと思ったんですが、それにしては様子が変。
何を言っているのやら全く分からないし、
酔ったにしても店の奥で大声で騒ぐっていうのは傍若無人すぎないか。
しかも一人で。

もしかしたら知的障害抱えているのかな、と邪推しつつも
気にせずカレーセットを食べていました。

店の人からすれば、そのおじさんは迷惑な客だったでしょうね。
閉店間際だったとはいえ、他の客がクレームをつけても不思議じゃない状況だったから。

ところが、そこのバイトのにーちゃんの対応は実に気持ちがよいものでした。
不快なそぶりを見せるどころか、

「大丈夫ですか?」「眼鏡忘れていますよ」と笑顔で話しかけていました。
それも何がそんなに嬉しいのかな、と聞きたくなるような笑顔で。

「他のお客様の迷惑になりますので・・・」とか言って追い出すよりも、
あういう対応のほうがむしろ気持ちがいいよな、と思いました。


【気持ちのいい人たち】No2

今日、遊びに来ていた愛光の同期生と偶然出会いました。

同じクラスになったことは一度も無いけれど、
僕の顔を覚えてくれていたようで、にこやかに挨拶してくれました。

なんでもパイロットになるんだとか。
きっと皆に慕われるいい操縦士になるだろうと思いました。

積極的な挨拶って、ただそれだけで気持ちがいいもんなんだ、と気づかされました。


【気持ちのいい人たち】No3

スーパーのレジに並んでいるときのこと。

レジ打ちのお姉さんはどうも経験が浅いようで、随分と手間取っていました。
だんだんと並ぶ人数が増えていくことに対し、あきらかに焦っていました。

そして、必然的なミス。

何をしたのかよく分かりませんでしたが、謝りつつ何かを交換しようとしていました。
すると客のおばさん、

「いいよーいいよー、そのままで」

レジ打ちのお姉さんもちょっとほっとしたようでした。

手際が悪いのを非難してもよさそうな状況でした。
だからこそ、その寛容の精神にちょっと心が暖まりました。


【紫】

注文していた聴診器が届いたと連絡があったので、取りに行きました。
「注文されていたのはこれに間違いありませんか?」と言ってふたを開けられてびっくり。
想像していた色とかなり違ったからです。

紺に近い落ち着いた色だと思っていたんです。
実物は、想像以上に明るい色でした。



(※ 写真よりも実物は明るいです)

ちなみに、Vダルさんのそれはピンクなんだそうです。

 
買ったはいいけど、不整脈だなんだとか全く分からないので使い道がありません。
多分、できるとしたら壁にあててみr


そもそも、進級できるかどうかが怪しいっていうね。

「レキシントンの幽霊」より「沈黙」

2008-11-10 03:52:11 | Weblog
不意にある短編小説が読みたくなり、夢中で読みました。

村上春樹「レキシントンの幽霊」(文藝春秋)の中の「沈黙」という小説。
ページ数にして40ページ弱の短い小説です。

この短編集自体は愚にもつかない短編が結構混ざっていて、
お気に入りの一冊というわけではないんですが、この短編だけは面白いです。

尤も、万人受けする面白さ、ではありません。
むしろこれを面白いと感じるのは少数派かもしれません。


僕が面白いと感じる理由はただ1つ。
話の主人公「大沢さん」に限りないシンパシーを覚えるから。

小説を読む場合、誰しも大なり小なり主人公に自分の像を投射するものだと思います。
そうすることでの主人公の心の機微を理解し、その世界へ入り込んでいけるわけですよね。

ところが、この小説においてはそうする必要性がありません。
そんなことをせずとも、「大沢さん」がまるで自分であるかのようによく分かってしまうから。

この主人公、自分と似ている、という感覚を越えた何か。
それがこの話にはあります。


だから記憶にも残っていたし、読み返したいという衝動にも駆られました。
話の筋はおぼろげだったけど、すごく「面白い」話だった、というように。


さらに面白いのが、主人公「大沢さん」が忌み嫌う「青木」にも自分を重ねてしまうことです。
犬猿の仲でタイプも全く異なるのに、「青木」もまた自分に似ているんです。


その矛盾しているような両面性が、僕にとってこの小説の価値を倍増させている理由。
小説の中で、自分の中の「部分A」と「部分B」がどろどろした戦いを繰り広げているわけです。


こういう感覚が行き過ぎると、

「おい、この主人公のモデルは自分じゃないのか?」
なんて主張する陳腐なクレーマーと化してしまいますが、さすがにそれは大丈夫。

「大沢さん」も「青木」も自分の中だけの要素というわけではなく、
ある程度普遍性を備えたもの。

 

あの小説を読んで面白いと感じる人にどんな共通項があるか、ちょっと知りたくなりました。

病院依頼演

2008-11-09 01:37:09 | Weblog
去年の病院依頼演では、ラデツキーのアンコールがかかったので2回演奏しました。
「もう一度聞きたい」と思ってもらったことに感激した記憶があります。

で、今年。

やっぱり場所がよかったんでしょう、まさかの大盛況(当社比
逆に奇妙な感じさえしましたが(笑


うちの部の場合、普段の定期演奏会は義理で入場者数を稼いでいますよね。
だけど、今回聞きに来てくれた人は、おそらく大半が本人の意思。
そう考えたら、なかなかすごいことだと思うんです。

だって、僕らの演奏を「聞きたい」と思ってくれる人がいてくれるんですよ。

それはプレイヤーとして冥利に尽きることじゃないですか?

(フェラーリと表現がかぶったけど、ぱくってないです 笑)


演奏の反省点とかはとりあえず置いといて(ぁ
楽しんでくれた方がいることをとりあえず喜びたいです。

わざわざうちのホームページまで探してBBSに投稿してくださった方もいたし、
演奏終了後に定期のチケットについて聞いてくる方もいたので、
受けはまずまずよかった・・・のかな?


強引に講義室を借りるだけの病院「依頼」演だなんて、
名ばかりもいいところだよなと思っていましたが、考えが少し変わりました。
A山さんが一生懸命になって企画する理由も分かりました。


来年も同じ場所で出来るように裏方の仕事、頑張ろうと思います。
というわけで、病院依頼演には積極的に乗ってくださいな>後輩の諸君
こういう経験は貴重だと思うよ。
 
p.s.

実利もありました。
弁当をもらって帰ったので、晩御飯代が浮きました。

・・・さすがに豚丼食べあきた。

スズメの記憶

2008-11-08 00:30:16 | Weblog
この話は以前書いたことがあるかもしれないけれど、もう一度。


おそらく、高校1年のときの話。

壁が一面窓ガラスという温室みたいな学食にスズメが一羽迷い込んでいました。
どうにかして脱出しようと、何度もガラスに向かって行ってはぶつかっていました。

一緒にそれを見ていた友人は「馬鹿なスズメだ」と言って笑いました。
僕はそのスズメに自分の姿をみて笑えませんでした。

見えるものしか信じられないのは自然なこと。
だけど僕らはそこにあるもの全てを見ているわけではない。

視覚に限らず感覚なんてもとをただせば神経の興奮。
あるものをそのまま捉えられるわけもなく、
どこかにエラーが生じれば無いはずものをあると捉えてしまうこともある。
幻視も幻聴も、本人にしてみれば、確実に「見える」ものだし、「聞こえる」もの。

僕らはもうちょっと感覚を疑ってみるべきなんじゃないだろうか?
知覚と存在の間にはもっと深い溝があるはず。

結局、スズメは何度も何度も体当たりしているうちに開いている窓を見つけ、
そこから出て行きました。

原始的ではありますが、確実な方法には違いありません。
でも今は、あのスズメに、ガラスを割って飛び出るような
強引さと勢いがあってもよかったかもな、と思うんです。