従業員に会社というものを理解させるためにも、
【就業規則】の作成・時代にあった改正が必要です。
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http://www.55884.net/
http://www.88499.net
労働基準法第89条(作成及び届出の義務)
「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。」となっています。
労働基準法第89条の趣旨
本条は、労働者が10人以上の使用者に就業規則の作成・届出義務を課すものです。
この10人には、パート・日雇・臨時雇等も含まれます。
また本条で定めている10事項の変更があった場合にも、就業規則の変更・届出義務を課しています。
「常時10人以上の労働者」の場合には、就業規則の作成・届出義務
「常時10人以上」とは、常態として10人以上の労働者がいることを指します。
ですので、繁忙期のみ10人以上になるようなケースは「常時10人以上」とはなりません。
10人以上かどうかを見るのは、「企業単位」ではなく、「事業場単位」で見る
「就業規則を作成」とは?
昭25.2.20 基収第276号
「法に定める必要事項をすべて含んだものを作成することを意味し、必要記載事項を欠いている場合には、相対的必要記載事項であっても「作成」の義務を果たしたとはいえず、やはり処罰の対象たり得るものと解される」
また、就業規則は全労働者に対して作成すべきであり、例えば「正社員のものは作成したが、パートタイマーのものはない」というような場合も本条違反となります。
「行政官庁」
本条の「行政官庁」とは、所轄の労働基準監督署のことを指します。
絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項
●絶対的必要記載事項・・・必ず記載しなければならないものをいいます。
絶対的必要記載事項とは、以下のものをいいます。
始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、労働者を2組以上に分けて交替で就業させる場合においては就業時転換
賃金(臨時の賃金等を除く)の決定・計算・支払の方法、賃金の締切り、支払いの時期及び昇給
退職(解雇の事由を含む)
●相対的必要記載事項・・・定めをする場合においては必ず記載しなければならないものをいいます。
相対的必要記載事項とは、以下のものをいいます。
退職手当
適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払方法・支払時期
臨時の賃金等(退職手当を除く)及び最低賃金額
労働者に負担させる食費、作業用品等
安全及び衛生
職業訓練
災害補償及び業務外の傷病扶助
表彰及び制裁
その他、当該事業場の労働者のすべてに適用される定め
●任意的記載事項・・・絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項以外の事項
(例)就業規則の制定趣旨や根本精神など
就業規則作成・変更についての行政通達
昭63.3.14 基発第150号
「当該事業場の労働者の一部について、他の労働者と異なる労働条件を定める場合には、当該一部の労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することは差し支えない。・・・この場合には、就業規則の本則において当該別個の就業規則の対象となる労働者に係る適用除外規定又は委任規定を設けることが望ましい。」
昭63.3.14 基発第150号
「別個の就業規則を作成する場合には、当該2以上の規則を合わせたものが本条の就業規則となる。したがって、労働基準法第90条(作成の手続)の意見聴取等については、それらを合わせて一体となった就業規則に対して行う必要がある。」
就業規則を作成・変更ることによって新たに労働者に一方的に不利益な労働条件を課すことは原則としてできません。
このような場合には、当該就業規則条項が合理的なものであり、個々の労働者においてこれに合意しないことを理由としてその適用を拒否することは許されません。
就業規則の合理性の判断基準としては、労働契約法第10条(労働契約法第9・10条(就業規則による労働契約の内容の変更))において、以下の事項に照らすとしています。
変更後の就業規則を労働者に周知させていること
就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度
使用者側の変更の必要性の内容・程度
変更後の就業規則の内容自体の相当性(※)
代替措置その他関連する他の労働条件の改善状況(※)
労働組合等との交渉の経緯
他の労働組合又は他の従業員の対応(※)
同種事項に関するわが国社会における一般的状況等(※)
(※)のものについては、第四銀行事件における判例による。
罰則
常時10人以上であるのに、作成・届出をしなかった場合には、労働基準法第120条(罰則)において、30万円以下の罰金の定めがなされています。
変更・届出を怠った場合にも同じ内容の罰則の定めとなります。