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社会保険務士林事務所が就業規則・従業員管理の点からつづります。★★右の【カテゴリー】から、関心のあるものをご覧ください。

◆◆期間の定めのある労働契約・・・【従業員管理の基本】

2012-05-28 08:31:29 | 従業員管理の基本【採用から退職まで】
労働契約法第17条(期間の定めのある労働契約)

使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。

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有期労働契約の場合は、「やむを得ない事由」がない場合には、原則として解雇はできません。


◆◆く安全配慮義務とは???・・・【従業員管理の基本】

2012-05-25 09:51:54 | 従業員管理の基本【採用から退職まで】
http://www.88455.net/ http://www.55884.net/ http://www.88499.net


労働契約法第5条(安全配慮義務)条文
使用者は、労働契約により、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することが出来るよう、必要な配慮をするものとする。


安全配慮義務とは?
使用者の安全配慮義務は、上記のように労働契約法第5条でも使用者の安全配慮義務を明記していますが、判例でも明示されています。

つまり簡単に言うと、労働者が安全に労務提供できるように環境を整備する責任が使用者にはあるということです。

そして使用者が安全配慮義務を怠った場合には、その責任として2億円程度の高額の損害賠償を負うこともあります。

昭59.4.10 最高裁小判決 川義事件
「労働者は、使用者の指定した場所に配置され、使用者の供給する施設・器具等を用いて労務の提供を行うものであるから、使用者には報酬支払義務にとどまらず、労働者が労務提供のために設置する場所・設備もしくは器具等を使用し、又は労務の提供する過程において、労働者の生命・身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負っている」


安全配慮義務の成立要件とは?


上記裁判によって会社の安全配慮義務違反が成立するには、
実際に損害が労働者に発生したこと
安全配慮義務違反行為があること
会社には、結果発生の予見可能性・回避可能性があり、結果回避義務があるにもかかわらず、これを尽くさなかったこと
損害と安全配慮義務違反行為との間に因果関係のあること


近年重要になりつつある健康配慮義務
上記の安全配慮義務とともに、近年健康配慮義務が使用者の責任として重要になってきました。


健康配慮義務で最も有名な事件は電通事件です。
平12.3.24 最高裁 電通事件
「使用者は、・・・、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うと解するのが相当である」
とこのように明確に使用者の健康配慮義務を認めています。
義務があれば使用者に責任もあることとなり、この裁判では電通が1億7000万程度の和解金を支払うことで解決しています。


会社が安全配慮義務・健康配慮義務を回避するには?
健康に関する労働安全衛生法(安全衛生法 解説集)に定められた法的措置を行う
安全衛生管理体制の確立
衛生管理者等(労働安全衛生法第12条(衛生管理者))の選任
機械等及び有害物に関する規制
健康の保持増進のための措置
法定の健康診断の実施


快適な職場環境の形成のための措置
セクハラ・パワハラなどのハラスメントからうつ等になった場合でも会社の法的責任・損害賠償を受けます。
ですので、ハラスメント問題についても国から出された必要な措置を行うことが重要です。


労働時間の厳格な管理

月/45時間までに残業を押さえることがとても重要です。

◆◆労働契約の決まりごと・・・・・・【従業員管理の基本】

2012-05-17 07:42:34 | 従業員管理の基本【採用から退職まで】
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労働契約法第3条(労働契約の原則)条文



労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。

労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。

労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。

◆◆人を動かすコツ

2012-05-10 19:19:19 | ◆戦国武将名言 温故知新
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日本連合艦隊司令長官 山本五十六大将のことば。


やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。  

あるいは、

やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、
ほめてやらねば、人は動かず。


【有名なこの言葉には次のような続きがあります。】
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず  


今でも十分通用する教えですね。

◆◆就業規則ぐらいはありますよね???・・・【従業員管理の基本】

2012-05-08 07:21:26 | 従業員管理の基本【採用から退職まで】
従業員に会社というものを理解させるためにも、
【就業規則】の作成・時代にあった改正が必要です。

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労働基準法第89条(作成及び届出の義務)

「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。」となっています。



労働基準法第89条の趣旨
本条は、労働者が10人以上の使用者に就業規則の作成・届出義務を課すものです。
この10人には、パート・日雇・臨時雇等も含まれます。
また本条で定めている10事項の変更があった場合にも、就業規則の変更・届出義務を課しています。


「常時10人以上の労働者」の場合には、就業規則の作成・届出義務
「常時10人以上」とは、常態として10人以上の労働者がいることを指します。
ですので、繁忙期のみ10人以上になるようなケースは「常時10人以上」とはなりません。
10人以上かどうかを見るのは、「企業単位」ではなく、「事業場単位」で見る


「就業規則を作成」とは?

昭25.2.20 基収第276号
「法に定める必要事項をすべて含んだものを作成することを意味し、必要記載事項を欠いている場合には、相対的必要記載事項であっても「作成」の義務を果たしたとはいえず、やはり処罰の対象たり得るものと解される」
また、就業規則は全労働者に対して作成すべきであり、例えば「正社員のものは作成したが、パートタイマーのものはない」というような場合も本条違反となります。


「行政官庁」
本条の「行政官庁」とは、所轄の労働基準監督署のことを指します。


絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項

●絶対的必要記載事項・・・必ず記載しなければならないものをいいます。
絶対的必要記載事項とは、以下のものをいいます。

始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、労働者を2組以上に分けて交替で就業させる場合においては就業時転換
賃金(臨時の賃金等を除く)の決定・計算・支払の方法、賃金の締切り、支払いの時期及び昇給
退職(解雇の事由を含む)

●相対的必要記載事項・・・定めをする場合においては必ず記載しなければならないものをいいます。
相対的必要記載事項とは、以下のものをいいます。

退職手当
適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払方法・支払時期
臨時の賃金等(退職手当を除く)及び最低賃金額
労働者に負担させる食費、作業用品等
安全及び衛生
職業訓練
災害補償及び業務外の傷病扶助
表彰及び制裁
その他、当該事業場の労働者のすべてに適用される定め

●任意的記載事項・・・絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項以外の事項
(例)就業規則の制定趣旨や根本精神など


就業規則作成・変更についての行政通達

昭63.3.14 基発第150号
「当該事業場の労働者の一部について、他の労働者と異なる労働条件を定める場合には、当該一部の労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することは差し支えない。・・・この場合には、就業規則の本則において当該別個の就業規則の対象となる労働者に係る適用除外規定又は委任規定を設けることが望ましい。」

昭63.3.14 基発第150号
「別個の就業規則を作成する場合には、当該2以上の規則を合わせたものが本条の就業規則となる。したがって、労働基準法第90条(作成の手続)の意見聴取等については、それらを合わせて一体となった就業規則に対して行う必要がある。」


就業規則を作成・変更ることによって新たに労働者に一方的に不利益な労働条件を課すことは原則としてできません。
このような場合には、当該就業規則条項が合理的なものであり、個々の労働者においてこれに合意しないことを理由としてその適用を拒否することは許されません。



就業規則の合理性の判断基準としては、労働契約法第10条(労働契約法第9・10条(就業規則による労働契約の内容の変更))において、以下の事項に照らすとしています。

変更後の就業規則を労働者に周知させていること
就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度
使用者側の変更の必要性の内容・程度
変更後の就業規則の内容自体の相当性(※)
代替措置その他関連する他の労働条件の改善状況(※)
労働組合等との交渉の経緯
他の労働組合又は他の従業員の対応(※)
同種事項に関するわが国社会における一般的状況等(※)

(※)のものについては、第四銀行事件における判例による。


罰則
常時10人以上であるのに、作成・届出をしなかった場合には、労働基準法第120条(罰則)において、30万円以下の罰金の定めがなされています。
変更・届出を怠った場合にも同じ内容の罰則の定めとなります。