生物屋学生の日記

愛知から沖縄へ流された哀しきカニ好きの日記

スイフガイ科

2016-08-10 23:31:30 | 軟体動物
さあ、前回に引き続き小さい貝シリーズです
ほんと最近貝に凝りだしてしまいまして…
次回は甲殻類にしようかな…


さあ、タイトルを見て「あぁ、あれのことか」と分かる方はかなりの貝屋かベントス屋(干潟屋?)と思います笑
おもに砂泥底に生息し大体3mm~5mm程度の貝たちです

今日紹介するのは一種を除いて同じ場所で採取しました


まず1種目はカミスジカイコガイダマシCylichnatys angustaです


いきなりですが本種はブドウガイ科とされていることもあり、この場に相応しくないかとも思いましたが干潟の絶滅危惧動物図鑑に従いスイフガイ科としました
ちなみに以前に捕ったブドウガイHaloa japonicaがこちらです

左に貝殻があるのですが、軟体がそれを覆っていてウミウシになりかけみたいな感じですね

この場所では水深の浅いところ(干潮時に水深0.5~1mくらい)にマツシマコメツブ、深いところ(2~3m)に本種というような棲み分けをしている気がします

残念ながら生きているときの写真は撮り損ねたので、気になる方は検索してみてください
多くはないですが数枚生貝の写真が出てきます
生貝の記録が少ないとされていますが、アマモ場の潮下帯を調べたらもっと出てくるんじゃないかと思っていて、実際この場所では一度タモを曳くだけで十数匹の生貝が得られます


殻表にこのように筋が入るのが特徴のようです
ではカミスジの「カミ」ってなんなのでしょうか??
分かる方がいれば教えていただきたいです



二種目は先ほど名前が出てきていたマツシマコメツブガイRetusa matsusimaです


ここからがヘコミツララガイ科と呼ばれたりするグループです
この場所では潮間帯下部から潮下帯上部で見られます
殻頂は突出せず低くなっています
確かにコメツブとは言い当てているなあ(サイズも同じくらい)と思います


こちらは1mmほどの幼貝ですが、軟体が入っていて見にくいのですが上述した特徴はしっかり出ていますね


成貝は生きているとき殻頂にこんな感じに赤茶色が出ます




三種目はコメツブガイRetusa insignisです


前種に比べ殻頂は明らかにとがります
そしてより米粒じゃない笑
殻頂のほうにゴミ(海藻だったかな)がついていますが気にしないでください
本種は潮間帯下部でこの一個体しか捕れていませんが、潮下帯で「なんだマツコメか」とスルーされている中にも本種は混じっているのでしょうね
実際この個体も捕ったときはマツシマコメツブのほうだと思っていました



四種目はコヤスツララDidotoglossa koyasensisです


本種だけ前三種と産地が違い、浜名湖産です
干潟の絶滅危惧動物図鑑では「日本の内湾性頭楯類の中で最も汽水寄りに産する」とされているので本来は浜名湖流入河川の河口で見られるのだと思いますが、この個体は川など何もない弁天島で得られました
流れ着いてしまったのだと思われます


本種は前三種と比べ、明らかに色がありますよね
これは実際の殻の色ではなく殻皮の色でして、


しばらく放置してから拡大して撮ると、ところどころ殻皮がめくれて地色の白色が見えています
光による見にくさには目を瞑ってやってください笑

殻皮が全部はがれてしまいそうで、もうそろそろ標本にしないといけませんね




もう夏休みも残り後半、あと何種の生き物に出会えるのでしょうか
そろそろアンドンクラゲが出てくるので気を付けて採集楽しみましょう!

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (きんぶな)
2016-08-13 00:48:05
最近、更新のペース速いですね。
私は、週2でもネタ切れ気味です。
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Unknown (S・T)
2016-08-13 08:10:48
コメントありがとうございます
速いと言ってくださったところ早速止まりましたね笑
まあ今日も多分貝で更新します
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