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田舎ぐらし(177)

 ー 金が仇の世の中 ー

 

 定年になり、家の前の小さな畑で野菜を作っている。
越してきた頃、そこは一面茅が生い茂っていた。茅を刈り、根をスコップで掘り起こし、ふるいにかけてすっかり取り除いた。今畑には20種類以上の野菜が育っている。

 畑の真ん中にベンチ。
座って風に吹かれながら思う。野菜だけはなんとか自給できているんじゃないかと。

 世の中、何をするにも金、どこへ行くにも金である。ダイコン1本手に入れるにも中に金を介在させなければならない。金を出さずにすむのは  “  お気持ちだけで・・・ と言ってくれる寺の坊さん  ” くらいなものだ 。

  学校を出て就職し、給料という名の金をもらった。以来金に追いまくられる年月。金が仇の世の中で、金を追いかける路線には終点がない。人間は欲深い。100万円貯まれば次は200万円、200万円貯まれば次は300万円欲しくなる。

 今やっと、ほんの “ お気持ち ” だけ、金がしゃしゃり出て来ない場面をつくることができた。ダイコンが欲しいと思ったら長靴をはいて畑にはいり、引っこ抜いてくればいい。長靴を履きながら財布は持ったかな?と考えなくてもいい。

 一体この金という代物はどこから出てきたんだと怪しんで物の本を読むと、最初は物々交換。これじゃ不便だというので何とでも交換できる紙幣が生まれた。ただの紙切れであるが、政府の保障付きともなれば、木の葉もお札になる。

 とはいうものの所詮紙切れ、虚構の世界。戦後経験したようにインフレが嵩じ、お札を山と積んでも家族の夕飯の支度さえできなくなればただの “ ゴミ ” 。幽霊の正体見たり枯れ尾花。






 
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