ー 自己家畜化 ー

家畜化とは牛や馬など本来野生であった動物を人間が自分に都合のいいように作り変えること。
たとえば従順なオスのオオカミと従順なメスのオオカミを掛け合わせ、これを何代か繰り返すと、耳は垂れ、目つきは柔和になり、今見るような犬が出来上がる。
新聞によると、人間も家畜化した。ただし、こちらの方は自分で自分を家畜化した。理由はいろいろあるが、たとえば狩りは一人でやるより協力してやった方がうまくいくことを覚え、他人と争うことは控えるようになった。野性味がなくなって従順になった。これを自己家畜化というらしい。 (2025.3.29 産経)。
さて、戦後80年という平和な時間は日本の若者の多くをを家畜化した。美男子コンテストなるものがあるそうだが、その候補者を見ると年を追うごとにひ弱で優しく、幼い印象の顔になっているという(同)。
あるいは、いじめが怖くて学校に行けない者、「辞めます」を自分で言えない者、異性より親が好きな者、「わくわくするのは疲れます」と言う者が増えた。彼ら、彼女らは先々往々にして自分で稼げず親の年金で食いつなぐ。
極めつけは結婚意識、こども家庭庁が調査したところ、「結婚すべき」、「結婚した方がよい」と答えたのは調査対象5カ国中日本は最低の45.0%。前回平成30年度から5.9ポイント下がった。他の調査対象国は米国、ドイツ、フランス、スウェーデン(2024.6.22産経)。
さて、これは若者に限らないが、ことばがやさしくなった。「いたします」と言えばいいところを「させていただきます」と妙に腰が引けた、媚びたものの言い方をする。日本人の通弊だと思う。
家畜化も極まった感がある。