増田晶文著 草思社
2000年度 傑作スポーツノンフィクション 単行本部門第1位
「無用の筋肉と批判される。奇怪な異形だとも揶揄される。それでも彼らは自らの肉体に執着する。仕事も生活も、家族さえも犠牲にして、より巨大な、誰よりも巨大な筋肉を身に纏うために。
禁止された薬物を摂り、その結果ボディビル界を追放されることを厭わぬ男もいる。そのために自らの生命を危険に晒すものさえいる。コンテストに優勝し . . . 本文を読む
最近発売された、「ROAD RIDER」のムック本です。
80年代にスーパーバイクで活躍したW.クーリー、 F.スペンサー、 E.ローソンetcと、彼らが乗っていたGS1000, CBーF、 Z1000R改といった当時最強の日本の空冷DOHC4気筒のマシンたちの写真が満載で、速攻で買ってしまいました。
この頃のスーパーバイクって今見ても全然色あせてなくて、ほんとうにカッコイイんですよねぇ。
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遠くの空の下から、鈍い雷鳴の音が、かすかに聞こえてくる。
雨になるのだな、と真平は思った。 残業なしの定時退社をしてきてよかった。 雨の中を七四六CCの排気量のモーターサイクルに乗るのが、真平は好きではない。 だが、雨そのものは、きらいではなかった。 特に、今日、まもなく降ってくるであろう雨のように、夏のはじまりの近いことを告げる雷鳴まじりの雨は、真平の全身の感覚によくなじむ。
スロットルを . . . 本文を読む
四日まえ、午後遅く、一台のモーターサイクルが、ウイリアムズの町を出て行った。 古いデュオグライドをベースにして、フロント・フォークを思いきってながくのばした、チョッパーだった。
人口一八〇〇の小さなウイリアムズの町を、ステート・ハイウェイ20が東西にぬけている。 男は、この道路を東に向かった。
町を出ると間もなく、インターステイト・ハイウェイ5との立体交差の下をくぐる。 ほかには一台も自動車 . . . 本文を読む
少年はオートバイに走った。
皮のサドルバッグの片方を開き、そこに小猫を落としこんだ。
「しばらくここに入ってろ。 な。 死ぬときはいっしょだ」
キーをまわしてセルを押し、始動はそれ一発。 ミラーにかけたヘルメットをとり、かぶって顎ひもをしめた。 まだフルフェースが売り出される以前の、赤いベルのヘルメットだ。
サイドスタンドを蹴りとばしながらアクセルの開閉をくりかえし、ふりかえって後続車の . . . 本文を読む