月極駐車場薩摩音街6番地

色んな事がある毎日をつらづらと。

玄関に。

2015-07-29 04:38:16 | 日記
ガチャ。




白髪混じりの分け目もどこがどうなってるか分からない眠そうな父。まだ瞼も半開き。




「おはよ。」




「お。早いな。いつも起きれないくせに。」



「うるさいな。」



「お母さん、お茶。おい、新聞は。」



「はいはい、ご飯も持ってきますからね。新聞は椅子のとこです。」


「ふんっ。」


読んでんのか、そもそも見えてんのか分からないような顔で紙面を見ている。



「はい、どうぞ。お父さん、醤油使うわよね。」



「ん。」




おい、親父には味噌汁あんのかよ。いいけど。




「この人、結婚したんだな。かわいいもんな。」




「あ?あぁ。そうみたいだね。」



「お前も早く結婚しなさい。お父さんもお母さんも孫の顔が見たいんだから。」


「残念だけど、まだまだずっと先だね。ごめんだけど。」




ツツー。ゴクッ。



「母さん、味噌汁美味いな。」



「あら、いつもよ。」


「そうか。そりゃすまんな。」



何だこのほのぼの夫婦は。
















「あのさ、今日で俺この家出ちゃうけど元気でやれよ。電話するけど。」





「母さん、お茶がない。」


「はいはい。」




「って聞けよ!」



「聞いてるわよ。あんたがいなくったってお母さんもお父さんも元気よ。電話はたまにしなさい。頻繁にしなくていいから。」








「お、おう。そろそろ行くわ。電車あるし。」















ごとっ。


荷物を玄関に置く。靴紐が片方解けていたので丁寧に結ぶ。
奥から2人が慌てて出てくる。




「あんた、これ。」



「何だよ、何も忘れてねーよ。」



「ミートソースよ。あんた好きでしょ。」


「何で?俺好きとか言ってないじゃん。」


「分かるわよ、あんた顔に出るもの。」



「えぇ?出ねーよ。まぁ、サンキュ。」




バレんだな、こーゆーのって。嬉しかったな。



「おい、これ持って行きなさい。」




「何これ。」



「手帳だ。」


「使わないよ、めんどい。」


「これから社会に出れば何かと必要だ。書く事で覚えるし見返そうと思う。使いなさい。いらなくってもいつかいる時が来るから持って行きなさい。」



「あー、ありがとうございます。」



親父は昔からそういう人だった。外に出れば人が変わったように何でも出来て人様には迷惑かけぬ様にキッチリしていた。




「じゃあ、行ってきます。」



「頑張んのよ。そして、笑うのよ。騙されなさんなよ。あんた顔は恐いのに人がいいんだから。」



「はぁ?けなしてんの?ほめてんの?笑」


「お前はお父さんとお母さんの子だ。乗り越えていける男だ。素直で優しく頑張りなさい。」





え。











今まで言ったことないじゃん、そんなこと。






今ゆーかなぁ。






「お。頑張るわ。二人とも風邪とか気をつけろよ。」





ドアノブに手を掛ける。








グスッ。グスッ。







後ろからすすり泣くような声が聞こえた。





多分母さんだ。






でも、その時すでに俺が涙を堪えていたから振り向かなかった。この顔だけは見せられない。











ガチャッ。









寒い朝だった。




そう思ったはずなのに




手にはそれらがあって




それを感じることなく。














電車でそれらの包みを開ける。








2人のに同じカードが入ってた。








「うまれてきてくれてありがとう。母」



「自慢の息子だ。父」
















グゥスッ。

















ばっか。泣かせんなよ。
















これから大切にしなきゃいけないものに気付けました。
僕は頑張ります。

玄関。

2015-07-29 04:18:06 | 日記
今日はこの家を出る。



全然いつもと変わらない、昨日はあんなに変な感じだったのに。



変わらない朝。準備は自分でやったし、特別に何もないしやってない。




「おはよ。」



「あら、あんたもう起きたの?まだ早いじゃない。」



「いろいろあんの。」


「あら、そう。でもお母さん、まだ何も作ってないよ。お茶しか出せない。」



「別にいいよ。じゃあ、お茶。」



「...はい。」





















「どうぞ。」



「どうも。」


「熱いわよ、まだ。ちょっと薄いかも。」



「、、あちっ。」




「今言ったじゃない。相変わらずそそっかしいのね。」



「うるせーよ。」



「あ、ご飯ね。忘れてた、作るわ。」



「いいよ、別に。」


「あんたが良くてもお母さんはお腹が空いてるの。」



「あ、そう。」








トントントン、、、、、。











母は料理が上手いというわけではなかった。だからって不味いわけじゃないけど。好きなのはミートスパゲティ。あのソースは絶対に世界一美味いと思う。
多分、本人に言うことはないけど。





「はい、どうぞ。」




「え、ご飯に魚に納豆に。そこまではよくても何でコーンポタージュ?普通さ味噌汁とかじゃん。」



「普通はそうでも、お母さんはコーンポタージュが飲みたいと思ったのよ。」



「あー、そうですか。」



「いらないならお母さんは食べるけど。もうペコペコよ。後から自分のも食べるけど全然食べちゃう。」


「いや食べるよ。いただきます。」


「はい、おそまつさま。」





「あ、新聞取って来なきゃ。」










今日のコーンポタージュは特別な事がないと入ってないウインナーをタコ型に切ったのが入っていた。





「また子供扱い。。あ、美味い。」






「今日は寒かったわ。新聞配達のお兄ちゃんもご苦労様ね。明日、お茶でもあげようかしら。」



「あー、喜ぶだろーよ。てか、今日のコー、、」


「あ、お父さんが下りてくるわ。ご飯ごはん。」




「。。。」

MORE MORE MORE。

2015-07-23 03:49:09 | 日記
僕は面倒臭がりだし、不器用だしすぐ落ち込む。


だから今回のヘアショーは本当に不安だった。
あ、初めてかもですね。言うの。僕は今美容学校に通っています。


周りは手先が器用で、後輩がモデルなんだけど交流の仕方分からないし。


どうしようの一点張りでした。





で、前半はほんとに流れるままでした。分からないまま時だけが過ぎて。
普段、発言するほうじゃないし出来ないし。でも、年上だから何とかしないとなぁみたいな変な責任感あって。


でも、やって行くうちに自然と提案出来てきて同じチームのメンバーとも会話や作業も捗って楽しくなって。
憂鬱だった準備期間が楽しくて楽しくて。


後輩の子も勿論不平不満はあったと思う。でも、期待に応えようと凄く努力してくれた。

本番まで、ギリッギリまで決めきらん事もあったりで迷惑掛けたしそれでも「頑張りますね!」って言ってくれた。


「あ~、頑張ってきてよかった」ってその時思った。


本番の彼、彼女らの晴れ舞台は見る事が出来なかったのが本当に申し訳なかったけどすっごい可愛かったんだろうなぁ。
練習であんだけ良かったから。


動画を送ってもらったのに制限きていて再生出来ないのがもどかしい。



打ち上げでは、楽しさと感動で酔ってしまい。サプライズで後輩からケーキやプレゼント、手紙を頂きました。

リーダーやメンバーの凄さや大変さを横目に少しでもその一員として何か出来たのかなと思えました。
本当にこのメンバーで良かったと心から思うし楽しかった。すっごく。


この機会にヘアやメイクの難しさや楽しさを知り得たし、じゃあどんな衣装が似合うのかとかも考える事が出来た。

感謝だよ、機会と人に。





写真は載せていいか分かんないからのっけらんないけど、文面で伝わればいいな。笑



とにかく、頑張ろうって思えた思い出。

シンガーソングライト。

2015-07-23 03:05:27 | 日記
僕は大阪にいる時、沢山の路上ライブを見てきた。いや、沢山ではないのかな。



確かにカヴァーすれば人は聴きたくなったり、立ち止まったりする。上手だな。CD手に取ってみよっかな。って思う。

実際の所、僕もそういうとこあるしそういう気持ちもあった。

で、「オリジナルします。」ってなったら少し沈む。


それはそれまでは知っている歌で且つ上手だったから。


なんだろね。でも、それって素直な反応だなぁと思う。悪いとは思わない。ショックだけど。
僕にもその気持ちがあるのだから。


でも、オリジナルが良くて声がよくて雰囲気がよくてって人のは素直に聴き入ったし自分一人になっても聴いていたしCDも買った。




多分、というか絶対僕がもし同じ立場ならカヴァーを含めて路上をするけど、やっぱりオリジナルを聴いて欲しいしそれを認めて欲しい。

だって結局「自分で作った自分の声で歌った自分の歌」を一番届けたくてかっこいいと思ってもらいたくて可愛いと思ってもらいたくてどこか寄り添えたらなと思うわけで。






だから、何も偉そうなこと言えないし立場じゃないけど繰り返し繰り返しオリジナルの曲を唄い続けたら絶対誰かが好きになる。

僕もそうだったから。