自転車の病院のある花街の路地に娼婦の七変化花
鉄よりも強い茎らしクレマチスさうは見えない女の多く
思い切り大口を開け泣き叫ぶ娘をあやす後輩の来て
晴れた朝花紅の紫陽花やこのまま梅雨をやり過ごせたら
おにぎりのやうな紫陽花帰宅せず昼の弁当スーパーで買ふ
近況は青い紫陽花安定と食欲戻り多少のブルー
鋏持ちパチンと斬りて手提げへと入れて薔薇盗る老女の歩く
妻の乗る車椅子押す夫の背や老々介護薔薇散りぬるを
颯爽と駆け抜けて行く自転車の女が薔薇の香ベンチへ投げる
たぶんこれ草食系の男子とか称するのです薔薇に魅せられ
けふもまた終わるのですが紫陽花と薔薇と介護で溢れてました