中学3年生の皆さんにとっては今月は高校受験の月だったんだね。うっかり忘れていました。私は遠い昔、東京で都立高校を受験し、一応合格したものの、その後に愛知県への転勤が決まって、引っ越した後に「編入試験」というのを受けて、愛知県の県立高校に入りました。今思えば中学校も、高校も、本当に面白くない場所だったなぁと思います。人権(人間らしく扱われる権利)なんて、ゼロ。「ブラック企業」っていう言葉があるけど、学校は「辞める自由」がない分、ずいぶん息苦しい場所でした。
私が中学・高校の6年間で体験したいわゆる「管理教育」は、人間の心と身体の自由を奪うという意味で、一種の「虐待(ぎゃくたい)」だったんじゃないかと最近思います。前髪や爪の長さ、髪を結ぶゴムの色や、靴の色(茶色い革靴は×)まで管理される世界で、世の中が本当にくだらなく見え、生きることが空しく、一日一日をやり過ごしていました。どうしてこんなに下らない世界で生きていかなければいけないのか、家に帰って泣いた日もありました。別に誰かにいじめられたとかでなくても、ただ学校で行われていること、先生達の世界が、すべて空しい灰色の世界に見えました。そして世界では、湾岸戦争が起きていました。
学校の中の戦争と、世界の戦争は、つながっていたんだと今は分かります。
学校。本当に、なんで行かなきゃいけないんだろうね。今朝の新聞にも、広島県の中学3年の男の子が、やってもいない万引きの記録を学校側が消し忘れたために、推薦が得られないと知って自殺したというニュースが載っていました。学校内でお菓子を食べただけで12人の教師から長時間の指導を受けて自殺した埼玉県の男の子も、中学2年生。罪をつぐなうためにできる限り机の整頓(せいとん)とゴミ拾いをする、と、その子は書き残したそうです。私はこれを読んで泣いたし、教師達に怒りを感じました。もちろんその先生達を直接知っているわけではないけど、自分が見てきた教師達のイメージと重なるわけです。
中学生というのは、小学生よりも行動力があり、色々なことを考えられるようになるし、だんだん身体は大きくなって大人っぽく扱われるようにもなる、けれどもあくまで子どもである、という、人生で一番あやふやな時期だと思います。知識と行動力がついているからこそ、「死にたい」と思ったら死ねてしまう。けれど私は頼むからそんな、「檻(おり)」のような場所で死なないで欲しいと思います。逃げて、生き延びて、安心して息を吸える場所まで逃げて欲しいと思います。そして檻の外で生きている人や、動物に出会って欲しい。
何が学校をつらい場所にさせているのか、ということを真剣に考えると、たくさんの人間を家畜のように「管理」しようとするからだと私は思います。そのために設計された建物で、そのために設計された組織やルールによって運営されている場所だから、実は大人もつらいのです。そのつらさに慣れよう、平気だと思えるよう、がんばっている先生もいます。けれどもしがんばる方向がまちがっていたら、みんなが不幸じゃないでしょうか。
私は学校の勉強はきらいでしたが、音楽を聴くのは好きでした。自分でCDを買うお金はなかったから、お父さんが持っていたCDを勝手に自分の部屋で聴いていました。その中にはベートーヴェンのピアノ協奏曲『皇帝』(Emeperor)があったし、たくさんの洋楽のヒットソングがあったわけです。私はこれらに救われました。特に『皇帝』の第二楽章をたくさん聴きました。学校と言う世界でボンボン燃やされ、灰になっていた「生きる意味」は、音楽の中で輝いていたのです。
今を生きる中学生に対して、私は「学校に行け」というつもりはありません。学校以外の選択肢がたくさんあったらいいのにと思います。そして確実なことは、「いつか必ず学校は出られる(学校生活が終わる)」ということです。こんな言い方をすると、まるで刑務所みたいですね。学校が楽しいなら、もちろん行けばいいと思います。けれどもし学校がつらい場所ならば、あなたの心の中で「学校」が占める割合というのを、せめて半分以下にしておいて欲しいです。できるなら、3割くらいに。あとの7割は広い世界、たくさんの変わった人間や生き物達、山の上や海の底にもある美しい世界、あるいは宇宙に向けていて欲しいと思います。そこには音楽もあります。本を読むこと、絵を描くことや、まだ誰もやっていないことがたくさんあります。
私がおかれた「受験戦争」という世界を、何とかやり過ごせたのは英語を歌をふんふん歌っていたおかげです。英語だけ、成績がよかったのです。数学や物理は10点以下でも、英語のおかげで大学に入れました。私にとって英語は、「学校という監獄から脱出するための穴」だったのです。大学に入れて何がよかったのか?ただ自分と違う変わった人達に出会えて、興味あることを学べるなら、それは大学でなくてもいいと思います。
学校が楽しかったという人もいるので、私の意見はあくまで「学校=懲役(ろうやに入ること)」だと感じていた人間の考えとして、読んでくださいね。世の中にはいろいろな意見の人がいます。そしてあなたにとって一番大事なのは、あなたの意見です。
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中学生の頃、聴いているだけで楽しかった、ロコモーション。
初めて聴いたのは25年前だけど歌ってるところ初めてみた~!真似して踊ってみてね。
Little Eva - Loco-motion(1962)
私が中学・高校の6年間で体験したいわゆる「管理教育」は、人間の心と身体の自由を奪うという意味で、一種の「虐待(ぎゃくたい)」だったんじゃないかと最近思います。前髪や爪の長さ、髪を結ぶゴムの色や、靴の色(茶色い革靴は×)まで管理される世界で、世の中が本当にくだらなく見え、生きることが空しく、一日一日をやり過ごしていました。どうしてこんなに下らない世界で生きていかなければいけないのか、家に帰って泣いた日もありました。別に誰かにいじめられたとかでなくても、ただ学校で行われていること、先生達の世界が、すべて空しい灰色の世界に見えました。そして世界では、湾岸戦争が起きていました。
学校の中の戦争と、世界の戦争は、つながっていたんだと今は分かります。
学校。本当に、なんで行かなきゃいけないんだろうね。今朝の新聞にも、広島県の中学3年の男の子が、やってもいない万引きの記録を学校側が消し忘れたために、推薦が得られないと知って自殺したというニュースが載っていました。学校内でお菓子を食べただけで12人の教師から長時間の指導を受けて自殺した埼玉県の男の子も、中学2年生。罪をつぐなうためにできる限り机の整頓(せいとん)とゴミ拾いをする、と、その子は書き残したそうです。私はこれを読んで泣いたし、教師達に怒りを感じました。もちろんその先生達を直接知っているわけではないけど、自分が見てきた教師達のイメージと重なるわけです。
中学生というのは、小学生よりも行動力があり、色々なことを考えられるようになるし、だんだん身体は大きくなって大人っぽく扱われるようにもなる、けれどもあくまで子どもである、という、人生で一番あやふやな時期だと思います。知識と行動力がついているからこそ、「死にたい」と思ったら死ねてしまう。けれど私は頼むからそんな、「檻(おり)」のような場所で死なないで欲しいと思います。逃げて、生き延びて、安心して息を吸える場所まで逃げて欲しいと思います。そして檻の外で生きている人や、動物に出会って欲しい。
何が学校をつらい場所にさせているのか、ということを真剣に考えると、たくさんの人間を家畜のように「管理」しようとするからだと私は思います。そのために設計された建物で、そのために設計された組織やルールによって運営されている場所だから、実は大人もつらいのです。そのつらさに慣れよう、平気だと思えるよう、がんばっている先生もいます。けれどもしがんばる方向がまちがっていたら、みんなが不幸じゃないでしょうか。
私は学校の勉強はきらいでしたが、音楽を聴くのは好きでした。自分でCDを買うお金はなかったから、お父さんが持っていたCDを勝手に自分の部屋で聴いていました。その中にはベートーヴェンのピアノ協奏曲『皇帝』(Emeperor)があったし、たくさんの洋楽のヒットソングがあったわけです。私はこれらに救われました。特に『皇帝』の第二楽章をたくさん聴きました。学校と言う世界でボンボン燃やされ、灰になっていた「生きる意味」は、音楽の中で輝いていたのです。
今を生きる中学生に対して、私は「学校に行け」というつもりはありません。学校以外の選択肢がたくさんあったらいいのにと思います。そして確実なことは、「いつか必ず学校は出られる(学校生活が終わる)」ということです。こんな言い方をすると、まるで刑務所みたいですね。学校が楽しいなら、もちろん行けばいいと思います。けれどもし学校がつらい場所ならば、あなたの心の中で「学校」が占める割合というのを、せめて半分以下にしておいて欲しいです。できるなら、3割くらいに。あとの7割は広い世界、たくさんの変わった人間や生き物達、山の上や海の底にもある美しい世界、あるいは宇宙に向けていて欲しいと思います。そこには音楽もあります。本を読むこと、絵を描くことや、まだ誰もやっていないことがたくさんあります。
私がおかれた「受験戦争」という世界を、何とかやり過ごせたのは英語を歌をふんふん歌っていたおかげです。英語だけ、成績がよかったのです。数学や物理は10点以下でも、英語のおかげで大学に入れました。私にとって英語は、「学校という監獄から脱出するための穴」だったのです。大学に入れて何がよかったのか?ただ自分と違う変わった人達に出会えて、興味あることを学べるなら、それは大学でなくてもいいと思います。
学校が楽しかったという人もいるので、私の意見はあくまで「学校=懲役(ろうやに入ること)」だと感じていた人間の考えとして、読んでくださいね。世の中にはいろいろな意見の人がいます。そしてあなたにとって一番大事なのは、あなたの意見です。
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中学生の頃、聴いているだけで楽しかった、ロコモーション。
初めて聴いたのは25年前だけど歌ってるところ初めてみた~!真似して踊ってみてね。
Little Eva - Loco-motion(1962)