Thinking

日々思ったこと、起こったこと等書き綴り。

善き人のためのソナタ

2007-03-02 00:49:27 | 映画
映画「善き人のためのソナタ」を見てきました。
本年度アカデミー賞の外国語映画賞に輝いた映画です。
ドイツ映画です。

冷戦時代、まだベルリンの壁が崩壊する前の東ベルリンの物語。
主に二人の主人公の生き方がテーマになってます。

一人は、共産主義の国に忠実に生きてきたシュタージ(国家保安省)の局員ヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)。
もう一人は、西側の自由思想に憧れつつも、東側に留まり共産化した管理国家を何とか変えようと考えている劇作家のドライマン(セバスチャン・コッホ)。

劇作家のドライマンとその女優でもある恋人を監視する任務を請け負ったヴィースラーは、次第にドライマン達の芸術と思想に感銘するようになります。
この映画のタイトルでもあるピアノ曲「善き人のためのソナタ」が流れるシーン。
ここで、共産国を信じてたヴィースラーは、初めて芸術に心を奪われます。
それから、ヴィースラーは自分でも驚く行動に出ます。

この映画、今まで謎だった東の世界を忠実に表した珍しい映画だと思います。
1984年の東ベルリンの時代から、ベルリンの壁が崩壊しドイツが統一された90年代までを描いてます。
1984年と言えば、僕は高校生でした。
同時代に東ヨーロッパでは、社会主義(共産主義)によって国民を管理する体制を作ってて、それによって心までも縛られていた人が大勢居たことに驚きます。
北朝鮮だけの話じゃないんですね。
ついこの間まで、管理政治が行われてた国々がたくさんあったわけです。
まず、社会主義とか共産主義とか、謎で、どういった世界なのか、わからなかったのですが、映画によって垣間見ることが出来ます。

この映画、その取っ掛かりとして、良く出来た作品です。
さすが、アカデミー賞の外国語映画賞。

納得です。

で、社会主義共産主義、良いとか悪いとか判断できません。
西側の民主主義資本主義とて、今行き詰まりで、問題も多々あります。
でも、絵をやってる立場の自分に置き換え見ると!
あの時代東側の思想の国に生きてたら、間違いなく監視されて、あわよくば処刑されてたかもしれません。

そのことを考えると、ぞっとします。

現実に投獄されたり処刑された芸術家は、おびただしい数にのぼるんだそうです。
ま、芸術とは、自由の思想がまず根底にあるので、管理社会からしたら邪悪だし堕落と捉えるでしょう。
それもわかります。

とにかく、この映画見てて、そう言うこと考えてました。

この「善き人のためのソナタ」は、フィクションで完全な物語ですが、当時東側で投獄されたり監視されてた人たちの大勢の証言によって制作された映画です。
本国のドイツでは、1年に渡るロングランだそうです。

DVDが出たら、又見直そうと思いますね。

ところで、最近映画ネタが多いのですが、人生何度目かの映画ブームです。
映画って、ホント良いですね!

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