直感・直観

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泣くこと

2023-07-03 08:37:02 | メッセージ
人間は生まれた瞬間から不安な気持ちを持っているのかもしれません。人間以外の動物は泣きながら生まれてきませんので。

成人して社会に出ると人前で泣くことは稀です。動画文化の普及により、ストレスの吐け口として、自宅で映画やドラマを見て涙を流すことを習慣にしている人が増大したと思われますが、おいおい泣くことは稀でしょう。大人が号泣する時は有事の時に限られます。人間が悲しい時に泣くのに個性など無く極めてシンプルな生物的反応で、昆虫が身を守るために分泌物を出すのとメカニズムは意外と同じなのかもしれません。人間以外の動物は泣いたり笑ったりしませんが(馬は泣くことがあるようですが…)、笑うことと違って泣くことは、外部の刺激により体内から分泌物が出るという昆虫レベルの原始的で根源的な反応です(流石に笑う昆虫はいないでしょう…)。そういう意味において笑いは極めて人間らしい反応で、本来なら泣くような絶望的に悲しい場面で笑う場合、「原始的→極めて人間的」の劇的転換が起こっており、その笑う人の何らかの大きな特徴を示しているはずです。又、嬉し過ぎたり、笑い過ぎたりしても涙は出ますが、赤ちゃんが生まれてくる時の感情にも程遠く、これらの場面の涙は身を守るための分泌とは違うのでしょう。

心の中で号泣しているその情念を芸術作品に刻み込んだブラームスは、美への激しい執着と絶望の人で、承認欲求を超克していた芸術家でした。その情熱に取り憑かれた時の凄まじさは凡俗をも圧倒するパワーがあり、今日のお涙頂戴的エンタメのベースにもなっているものと思われます。
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