4年に一度、オリンピック開催年に行われる鶴ヶ島市の奇祭「脚折雨乞(すねおりあまごい)」。雨乞池入りの舞台となる「雷電池(かんだちがいけ)」へは若葉駅から徒歩約15分。
午後1時、「白鬚神社(しらひげじんじゃ)」を出発した龍神は、ここ「雷電池(かんだちがいけ)」へ向けて2時間半の渡御(龍神を担いで移動する行程)を行ないます。
長さ36メートル、重さ3トンの龍神が法螺貝と太鼓の音とともにやってきました。
約300人の担ぎ手が、白鬚神社から雷電池への約2Kmの行程を練り歩きます。
なんと、渡御は途中で国道407号を通過します。最前列で止まった車はラッキーですね!
そして、龍神池入りの地「雷電池」へと向かいます。
15時30分、龍神池入り。「雨降れたんじゃく、ここに懸かれ黒雲」と叫びながら、雨乞い祈願をします。
そして、クライマックスの龍神昇天に向けての一休みですが・・・・、始まった来賓の挨拶が長い×2。人数多いうえに選挙の話なんてあり?
ちょっと興ざめ感を、勢いのいい和太鼓で吹き飛ばしての雨乞い再開です。
「雨降れたんじゃく、ここに懸かれ黒雲」と観客も一体となって雨乞いを祈願します。
さて、雨乞いのクライマックスは龍神昇天。担ぎ手たちの手による龍神の解体が始まります。
合図とともに、担い手たちは龍神の頭部に付けられた金色の宝珠を求め龍神の背を駆け上がり競って奪い合います。
龍神を模したものをバラバラに破壊することで、雨や水を司る「龍神」が激怒して豪雨をもたらすと伝えられています。
荒ぶる神「龍神」を怒らせてでも雨を降らせたいという切実な思いのこもった「雨降れたんじゃく、ここに懸かれ黒雲」なのですね。
雷 電 池
所在地 鶴ヶ島市脚折
雷電池は、三郡八景の一つ「雷電池過雨」といわれた池で、雷や風を司る大蛇が住んでいて、旱魃のとき池のほとりの雷電社に祈ると必ず雨が降ると信じられていた。
伝説によると、寛永のころ(一六二四~四四年)、池が開発されて大部分が水田になると、大蛇は住みにくくなって遠く上州の板倉の池に移ってしまった。その後、どれだけ祈っても雨が降らなくなってしまったので、そこで、夏、日照が続き農作物が枯死する恐れが迫ると、人々は独特の雨乞い行事を行うようになったという。長さ三十六メートル、重さ約三トンもある大蛇を竹と藁で作り、何百人もの人達がこれをかついで掛声勇ましく、法螺貝を吹き鳴らしながらこの池まで運んでくる。このとき板倉の雷電神社から竹筒に入れて、はるばる運んできた水を池に注ぐ。同時に大蛇から変じた龍神は、浮きつ沈みつ池中を泳ぎまわる。「雨降れたんじゃく」と人々は泥まみれになって祈雨の悲願をこめて絶叫する。「雷大いに鳴り、大雨沛然と降る。近隣悦ぶこと限りなし」と記録に残っている。
この行事は、関東では比類が少なく貴重な庶民信仰として、今も市民によって保存されている。
昭和五十六年三月 埼玉県
龍神を形作っていた笹や藁を持ち帰ると御利益が得られるというので‥‥一束。
>森の中の恍惚:鶴ヶ島市脚折 白鬚神社
>森の中の恍惚:板倉雷電神社
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